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小西 啓介 院長の独自取材記事

小西皮膚科クリニック

(京都市下京区/丹波口駅)

最終更新日:2021/10/12

小西啓介院長 小西皮膚科クリニック main

嵯峨野線の丹波口駅より西へ徒歩10分、阪急京都本線の西院駅より南へ徒歩15分にある「小西皮膚科クリニック」は五条通沿いに立つビルの5階。院長の小西啓介先生は皮膚科を専門に学び、京都府立医科大学皮膚科臨床教授を務めたベテランドクターで、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医資格も持つ。診療では、薬の投与だけでなく、症状の原因を突き止めて取り除いていくことが治療において最も大切だという小西先生は、「薬疹」の治療にも精通。そんな小西先生に診療のモットーや専門について話を聞いた。

(取材日2020年1月23日)

皮膚科のエキスパートとして多くの経験を積んで開業

開業までの経緯を教えてください。

小西啓介院長 小西皮膚科クリニック1

京都府立医科大学を卒業後、大学では接触皮膚炎の専門家の教授のもと、いわゆるアレルギーを中心にした皮膚炎を学び、講師には手術などの技術を学びました。京都市立病院の先代部長には皮膚科医師としてアレルギーなどの皮膚炎、細菌やウイルスなどによる感染症、最後に皮膚腫瘍。この3つをしっかり診察し治療できることが大事であると学びました。この3つを診察できる技量があればどこでもやっていけると教えられ、それを目標に学び精進を重ね、京都市立病院皮膚科では部長に、京都府立医科大学では臨床教授を務めさせていただき、多くの経験を経て2017年に当院の開業に至りました。

医師になった動機や、ご専門の分野について教えてください。

昔から動物や植物の観察が好きで、それが医師になるきっかけでもありました。皮膚科は実際に患部を見て、そこで下した診断をもとに検査をして原因を追究していきます。患者さんにもその結果は目に見えますからごまかしがききません。その厳しさも皮膚科を選んだ理由です。目に見える症状の奥にはいろいろなものが潜んでいて、その原因を突き止める診療が大切であることを長年にわたる総合病院での経験で学びました。皮膚の感染症やアレルギー性疾患、接触皮膚炎に加え、私が医師になった頃から悪性腫瘍の患者さんも増えてきました。それまで診断できなかった疾患が医学の進歩によって診断できるようになったことも増加の原因だと思います。そういう状況もあって、腫瘍の手術や化学療法なども含めて幅広い診療を専門に学んできました。

開業されたきっかけは何だったのですか?

小西啓介院長 小西皮膚科クリニック2

総合病院で働いていた頃に、一度開業するよう声をかけてもらったことがあったのです。その時はアレルギーを中心とした皮膚の炎症、細菌などによる感染症、腫瘍の治療について幅広い経験を積むという目標をまだ達成できていないという思いがあり、いったんお断りしたのですが、その方が今クリニックが入っているビルを建てる時にもう一度声をかけてくれたのです。ほかの開業医の先生に比べると年齢的に遅いスタートですが、皮膚の専門家として多くの経験を積んだ上で開業できたことは自分としては非常に良いタイミングだったと思っています。古い伝統が残る京都の町ですが、この辺りはマンションも建設され、最近はお子さん連れの患者さんも増えて、赤ちゃんからご高齢の方まで幅広い年代の患者さんが来てくださっています。

丁寧で親身な説明で患者が安心して通える環境づくりを

訴えの多い主訴について教えてください。

小西啓介院長 小西皮膚科クリニック3

若い方ですとニキビや水虫、またお子さんだとアトピー性皮膚炎で来院される方が多いですね。今でもステロイド剤に対する恐怖心を持っている方はいらっしゃいます。アトピー性皮膚炎の改善には保湿剤だけでは十分でない場合もありますし、小さい頃にしっかり治療しないと成人期のアトピー性皮膚炎になってしまう方もいらっしゃいますので、なぜステロイド剤が必要なのか、きちんと説明して、納得して塗ってもらえるよう心がけています。また薬疹の相談に来られる方もいらっしゃいます。薬疹とは薬が原因で発生する発疹のことですが、大切なのはその発疹が薬疹かどうか見極めることです。原因が薬であればその投与を止める必要があります。パッチテストをしたり、検査が必要であれば専門の病院を紹介したりと、臨機応変な対応を心がけています。

力を入れている治療はありますか?

やはりアレルギー性の皮膚疾患には力を入れています。接触皮膚炎の患者さんも多くいらっしゃいます。かぶれの患者さんにはパッチテストなどで原因を突き止めることの大切さをお話ししています。アトピー性皮膚炎では、適切な時期にステロイド剤など適切な薬剤を使って状態を安定させる必要性を説明します。乾癬、アトピー性皮膚炎に対しては、全身型の症状、手足の症状などいずれにも紫外線療法も行っています。そのほか、皮下腫瘍などの有無をエコーで検査する場合もあります。総合病院で行ってきた診療をここでも実践したいという気持ちで、地域のクリニックと総合病院の間に立つような専門性の高い皮膚科をめざしています。また、多くの総合病院に知り合いの医師がおりますので、そこでの治療が患者さんにとって適切だと判断した場合にはご紹介しています。

診察の時に心がけていることはありますか?

小西啓介院長 小西皮膚科クリニック4

やはり、皮膚や患部だけではなく患者さんを診ることを心がけています。病気の発症には、日々の生活のさまざまなことが影響している場合がありますから、診療の際は何があって症状が現れたかをしっかり聞くように心がけています。特に新しい患者さんには可能な限り時間をかけて話を伺い、最初に「なぜこのような症状が出てきたか、なぜ治療しなければいけないか。治療をすると恐らくこうなるだろう」という丁寧な説明を心がけています。昔からさまざまなインタビューで「名医とは?」と聞かれることがありますが、名医とはパッと見てパッとわかる医師ではなく、患者さんの症状をじっくり見て、改善まで時間がかかる疾患でも患者さんに最後までついてきてもらえる医師だと思っています。私自身もそれを目標にしています。

原因を特定することで症状の改善と状態の安定をめざす

病院や診療所など他の医療機関との連携、後進の指導についてお聞かせください。

小西啓介院長 小西皮膚科クリニック5

京都皮膚科医会の活動など、おかげさまでいろいろなところに参加させていただき、多くの場所で知り合いをつくることができました。京都府立医科大学皮膚科非常勤講師も務めてきましたが、より適切な専門病院に患者さんを紹介できることが大きな財産だと思っています。学生の指導にも携わってきましたが、以前当院に非常勤で勤めてくれていた医師も教え子でした。スタッフについては直接患者さんと日々接する中で小さな変化にも気づけるように優しく接して患者さんの思いをくみ取れるように指導し、実際非常によくやってくれています。

印象に残るエピソードがあれば教えてください。

原因がわからない発疹の場合、薬診である可能性があるのですが、薬疹を疑い、それを改善するために薬の投与を止めることは勇気もいりますし、治療もだいたい半年ぐらい期間が必要だと言われていて時間もかかります。それだけに、原因不明の症状に苦しんでいた患者さんの原因を突き止めた時は患者さんも喜んでくださいますし、私自身も達成感がありますね。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

小西啓介院長 小西皮膚科クリニック6

今後も丁寧な診療と的確な診断、治療をめざす今の診療スタイルを続けていきたいと思っています。おかげさまで少しずつ患者さんが増えていますが、たとえ忙しくなっても、今まで通ってきてくださった患者さんもこれからいらっしゃる患者さんも満足してもらえるようなクリニックづくりを進めていきたいと思います。症状の改善と繰り返し防止には、薬の処方だけではなく必要な検査を行い、原因を追究することが不可欠です。疾患によってはその場で診て判断することもありますが、検査が必要な場合は適宜対応できる体制を整えています。手術についても当院で行う場合もありますし、今まで培ったコネクションを使って適切な紹介も心がけています。ぜひお気軽にお越しください。

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