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山路 賀子 院長の独自取材記事

みどりクリニック

(東大阪市/若江岩田駅)

最終更新日:2021/10/12

山路賀子院長 みどりクリニック main

多科目診療で地域の健康を守る「みどりクリニック」。3階建ての院内は広く、エレベーターが完備されている。1階には内科、循環器科、整形外科、2階に耳鼻咽喉科と皮膚科、脳外科。そして3階は広々としたリハビリテーション室となっている。地域の人々のかかりつけ医であると同時に、隣接する東大阪山路病院とも深く連携し、専門性の高い治療にも対応可能だ。最近では、ニーズの高まりを受けて物忘れの専門外来も新設した。このクリニックを切り盛りしているのは院長の山路賀子先生。柔和な雰囲気の女性ドクターで、家庭では3児の母でもある。じっくりと患者の話を聞くという診察スタイルは包容力あればこそ。11年前から学校医として地域の中学校でも活躍している。明るい笑顔に秘められた思いを語ってもらった。

(取材日2018年2月9日)

地域の人の利便性を考えて開院

まず、院長が医師を志した理由からお聞かせください。

山路賀子院長 みどりクリニック1

祖父は歯科医師でしたし、父は医師でした。親戚中が歯科医師か医師という家に生まれたので、自然とそのような興味が湧いてきたように思います。幼い頃から父に連れられて職場に行くこともありました。父が患者さんと接する姿を見ているうちに、こんなふうに誰かのためになる仕事って良いものだなと思うようになったのです。父は、厳しさの中に優しさのある人です。ONとOFFがきちんと分けられていて尊敬しています。今は、医師同士という関係になって、相談に乗ってもらうことも多く、頼りがいのある存在ですね。このクリニックに大きなリハビリテーション室を設けたのも、父の助言があったからです。

この地に開院された理由を教えてください。

164床の病床数を持つ東大阪山路病院がこの地に移転したことがきっかけです。父がそこの理事長をしているため、検査の面などで何かと連携できると思ったのです。私は、大学を卒業してから、大阪大学医学部附属病院で研修医として勤め、その後、市立川西病院や市立堺病院(現・堺市立総合医療センター)で長らく勤務していました。そこでは、今の基礎となる経験を積めたと思っています。けれども患者さんの話をゆっくり聞くことは、大規模病院では難しいのが現状です。私は何よりも、人の話を聞くことが好きですので、主訴以外のお話にも耳を傾けたいと思いました。東大阪山路病院の隣に開院することで、診療所の良さと、病院の良さを兼ね備えた、私が理想とするクリニックが実現できると考えました。

開院にあたってどのようなクリニックにしようと思いましたか?

山路賀子院長 みどりクリニック2

地域の人々にとって利便性の高いクリニックにしたいという思いが最も強かったです。東大阪山路病院の隣に開院することによって、入院が必要になればお願いして、その後のフォローをこちらすることが可能ですし、動けない人であれば入院中であっても往診することができます。また、検査結果もほとんどの場合当日中にお伝えできますし、例えば専門の医師の見解が必要な場合であっても、一般の診療所に比べればずっと早く結果がわかります。このような強みがありますので、診療科も複数設けました。いくつもの診療所を掛け持ちで受診するとなると、患者さんは大変ですから。1日に複数科受診されるほうが、別の日に違う診療所へ行くよりも負担が軽いでしょうし、何より時間が節約できます。

ニーズの高い治療を積極的に取り入れる

診療で心がけていることはありますか?

山路賀子院長 みどりクリニック3

私の専門は耳鼻咽喉科なのですが、めまいを主訴として来られた場合など、精神的な原因を探らなくてはいけないことも多く、家庭環境やプライベートな話題に及ぶこともあります。ですから、できるだけゆっくりお話をしていただける雰囲気づくりをしています。そのために心がけていることは、私自身が心に垣根をつくらないことでしょうか。自分がオープンになることで、患者さんも心を開いてくださいますし、主訴以外のご相談までしていただける関係になるとうれしいですね。それと、患者さんによって求めておられることが違うので、そこを見極めるようにしています。問診の中から、どんな治療を、どこまで求めているのか感じます。そのためにも会話はとても大切です。

専門の耳鼻咽喉科で特に力を入れている治療は何でしょう。

舌下免疫療法と睡眠時無呼吸症候群の治療です。舌下免疫療法により、スギとダニにアレルギーを持つ人の根本的な治療が可能になりました。自宅でお薬を舌下に含んでもらうだけの簡単な治療で、値段も高くありません。期間は2、3年ほどかかりますが、通院は月に一度くらいなので仕事で忙しい方でも続けることができます。必要であれば、栄養管理でダイエットをしていただいたりCPAP(経鼻的持続陽圧呼吸療法装置)治療を勧めさせていただいております。鼻詰まりで来られて睡眠時無呼吸症候群がわかるときもありますし、ご家族との会話の中で、ご主人のいびきがうるさいと訴えがあり、わかった例もありました。

新しい治療も積極的に取り入れておられますね。

私が患者さんとの会話を重視して進めていくスタンスということもあり、専門以外の内容もご相談を受けます。いざそこからお話をしていくと、求められているものや必要な治療が見えてきたりします。先ほどの睡眠時無呼吸症候群の例もそうですが、話題になっている症状・治療のことから、ご家族内の心配などもご相談を受け、新たなニーズを感じとり対応をしていくことが多いです。新設した物忘れの専門外来も、ご家族の認知症を心配してのご相談からスタートする流れとなりました。また、耳鼻科で花粉症やアレルギー性鼻炎、慢性鼻炎などで鼻詰まりや鼻水で困ってる方に炭酸ガスレーザーで行う下鼻甲介粘膜焼灼術を行っております。日帰り外来で行うことができ、少しでも薬を減らしたい方や、どの薬でも効果がない方にお勧めしたい治療法です。

まずは耳鼻咽喉科を受診される患者さんが多いというのはなぜでしょう?

山路賀子院長 みどりクリニック4

当院の耳鼻咽喉科に行けば、とにかく話を聞いてもらえて、症状にあった診療科での治療が受けられると感じてくださってるような気がします。対話型の治療姿勢が受け入れられているのかなと思うと、とてもうれしいですね。適切な診療科と連携して患者さんをお願いするのも院長の仕事です。治療後、困り事の相談になって、「話すだけですっきりしたわ」と帰って行かれる患者さんもいらっしゃいました。その一言が、この仕事をやっていてよかったという瞬間ですね。

育児経験が医師として成長させてくれた

院長としての業務も多いのでは?

山路賀子院長 みどりクリニック5

事務処理や人事のことなど、院長としての仕事はとても多くありますが、私が子育て中ということもあり、たくさんのスタッフに助けてもらっています。ですから、働きやすい職場になるように、あまり頭ごなしに言うようなことはしないですね。皆、仲良くしてくれているので助かります。そのような環境を継続できるように、私も文章で通達するだけで済むところを実際に足を運んで顔を見てお願いするなど、スタッフとコミュニケーションをとるように気をつけています。院長としてスタッフの皆さんにお願いしているのは、患者さんが不快にならないよう、接し方や言葉遣いに気をつけてもらっていることです。

休日はどのように過ごしていますか?

子どもと一緒にいることが多いですね。平日はあまり一緒にいる時間をつくれていないので、休日は意識して子どもとの時間を大切にしております。なので、日曜はなるべく外出します。子どもが楽しそうにしているのが一番うれしいことですね。職業柄、子どもの健康管理には気をつけています。ですから料理もしっかり作るんですよ。子どもを産んだことで、医師としても成長できたような気がします。余裕ができたということでしょうか、子どもの患者さんが泣いても、子どもはそういうものと思えますし、このあたりまでは大丈夫という匙加減もできるようになりました。

今後の夢をお聞かせください。

山路賀子院長 みどりクリニック6

美容にとても興味があって、今後は皮膚科の勉強をしたいと思っています。現在は、化粧品や飲む日焼け止めやプラセンタのサプリメントも取り扱っていますが、それに加えて、高濃度ハイドロキノン配合クリームも処方できるようになりました。将来的にレーザー治療なども行えるようにしたいという夢があります。先日も、耳鼻咽喉科に来られた患者さんのカルテを見ていると、皮膚科受診の時のお悩みに“しみ”とあったので、ついそちらの話題になったこともありました。まずは私が試して、患者さんにメリットがあり、安全性も納得できれば取り入れたいですね。

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