長山誠樹理事長の独自取材記事

医療法人社団あかざ会ながやま歯科クリニック

(川崎市多摩区／京王よみうりランド駅)

最終更新日：2024/04/17

遊園地の目の前のクリニックモール内にある「ながやま歯科クリニック」。バスで「よみうりランド」停留所で下車すると、ジェットコースターを楽しむ声が響き渡る活気のある雰囲気だ。2017年の開業以来、「気軽に来院できる歯科クリニック」をめざし、自然で温かな接遇を心がけている同院。長山誠樹院長は、「地域の総合歯科」として、一般歯科や小児歯科をはじめ、矯正歯科、義歯、審美歯科など幅広く診療し、中でもインプラント治療を専門として、人工的に骨を造成する技術などの先進的な治療を惜しみなく提供している。近年は少年野球チームのコーチも務め、「歯科治療だけでなく、地域貢献も果たしていきたい」と、熱い気持ちを語る長山院長に、診療への思いを聞いた。

（取材日2024年2月26日）

不安に寄り添い、安全性を重視したインプラント治療
子どもへのフッ素塗布でも気軽に来院を推奨
専門用語を使わず、わかりやすい説明を重視

不安に寄り添い、安全性を重視したインプラント治療

赤色の診療台が印象的ですが、内装のこだわりをお聞かせください。また、主な患者層を教えてください。

診療台は薄めの赤で、患者さんから「きれいな色ですね」と言われることもあります。待合室の椅子も赤色で、診療室の椅子はオレンジ、床は木目調と、全体的に暖色で統一して温かみのある空間を意識しました。妻のアイデアで、治療中の親御さんがお子さんを近くで見守り、抱っこなどもすぐできるようにキッズスペースつきの診療台も造りました。当院は開業以来、ファミリー層を中心に幅広い年齢層の患者さんが来院されます。お子さん世代はブラッシングの方法や予防、小児矯正について、中高年では歯周病、高齢者は入れ歯やインプラント治療などが多いご相談です。

先生は歯科医師になってから、大切な恩師に出会ったんですね。

覚本歯科医院の覚本嘉美院長です。覚本先生は、日本において早くからインプラント治療に取り組んできたことで知られ、インプラントメーカーの開発にも協力している方です。私の両親は歯科医師ですが、私が奥羽大学歯学部3年の頃、母から「インプラントの手術を手伝ってほしい」と頼まれました。その時、「歯科医師ってこんなにすごいことができるんだ」と、インプラントの可能性に強く惹かれました。母にインプラントを教えたのも覚本先生です。私の父は明海大学で助教授を、奥羽大学で教授を務めましたが、覚本先生は明海大学出身の父の後輩で、父の教室を手伝っていたこともあります。覚本先生は心の温かい方で、父の母、つまり私の祖母が亡くなった時にも栃木から熊本まで駆けつけてくれて、感謝しかありません。そんな先生のもとで私は10年間、歯科医療を学びました。

インプラント治療の技術を深く学ばれたのですね。

インプラント治療は、歯の失われた部位の顎の骨に穴を空けて、人工歯根を埋入する治療法です。歯を失った方や入れ歯の使用で不満を感じている方などに適しています。顎の骨の量が足りない時は人工的に骨を造る必要がありますが、私は上顎の骨を造成するために「サイナスリフト」という処置も行います。人間の鼻の奥には上顎洞と呼ばれる空洞が広がっていますが、加齢により上顎洞が下がり、上顎の骨も減るため骨を造る必要が生じます。とはいえ上顎洞の内側には膜があり、それを破らないようきれいに剥がしながら治療を進めなければなりません。膜はゆで卵の殻につく膜のようにとても薄いので、高度な技術が必要です。このような難しい症例も勤務医時代にしっかり教えられ、多く経験しました。そのため、難しい症例で医療機関によっては対応を断られるような状態でも当院では対応できるかもしれないので、ぜひ相談いただければと思います。

子どもへのフッ素塗布でも気軽に来院を推奨

インプラント治療を受けるときの流れを教えてください。

カウンセリング、術前検査、診断、治療計画、インプラント手術、人工歯を造り取りつける、メンテナンスをするという流れです。特にカウンセリングには長く時間を確保し、患者さんの不安が軽減され、納得して治療に臨んでいただけるようにしています。また、インプラントは歯周病など、口腔内の状態によって治療できない場合があるので、診断に一番力を入れています。その方に合った治療計画を立てるにも、精密な診断が不可欠です。当院は歯科用CTを備えており、3次元の立体画像で顎の骨の厚みや長さ、神経や血管の位置なども確認できます。加えて、デジタルエックス線撮影機器も導入し、より入念な検査と診断が可能です。また、インプラントの素材にもこだわっていますね。日本人の顎の骨は小さい傾向にあるので、海外製は日本人に適さないケースもあります。そのため当院では、日本人向けに造られている日本製のインプラント体を使用しています。

先生はインプラント治療を専門に研鑽を積んできましたが、現在も講習会に参加して勉強しているそうですね。

定期的な講習会があるので積極的に参加しており、他の歯科医師からさまざまな情報を収集しながら、当院の治療に応用していきたいと考えています。また、近年は「インプラント治療の専門性を高めたい」という歯科医師が増えているので、私自身そのような先生の指導、教育を行っています。インプラント治療の正しい知識を持つ歯科医師が増えれば、顎の骨の造成治療など、できることが増え、患者さんの治療の選択肢も広がるでしょう。また、インプラントは「高い」「不安」というイメージがつきものですが、正しい技術で安全に配慮したインプラント治療を提供できることによって、一人でも多くの患者さんに安心していただけるのでないかと思います。

予防のご相談も多いそうですが、予防のポイントを教えてください。

日頃のブラッシングに加えて、歯と歯の間の食べかすや歯垢を取り除きやすいフロスと歯間ブラシを併用することをお勧めします。ただ歯間ブラシは歯周病の進行度合いによって歯と歯の間と歯茎の間の大きさが変わってくるため、歯科医師に相談して適切なサイズを選ぶようにしましょう。サイズが合っていないことで歯肉にダメージを与える可能性があります。とはいえ、いくら丁寧に磨いても歯石は徐々についてきます。歯石をきちんと除去するために、定期的に歯科医院でメンテナンスを行うことが大切です。当院ではケアグッズを豊富にそろえ、お子さんへのフッ素塗布も行っています。

専門用語を使わず、わかりやすい説明を重視

診療する上で大切にしていることを教えてください。

わかりやすい説明を重視しています。専門用語をできる限り使わないようにして、例えば、「犬歯」のことを「尖っている糸切り歯」と伝えたりしています。お子さんと接する際も、「虫さんが口の中にいるからお水で洗おうね、掃除機で吸い込もうね」などと、優しく語りかけながら恐怖感を和らげたいと考えています。治療内容によっては口腔内写真を撮影して、口の状態を患者さんにも目で見て確認していただいています。そのような対応が、患者さんが納得する治療につながると考えているからです。「見えないところに小さい虫歯がありますね」「このような治療はいかがですか」などとお声がけし、一つ一つかみ砕いて説明します。「こんなことを聞いてもいいの？」と、些細に思えることでも遠慮なく聞いてください。

今後、どのような歯科医院をめざしていますか？

お口のことが気になった時に気軽に来られる歯科医院です。皆さん1～2ヵ月に1度は美容院へ行かれると思いますが、それと同じ感覚で来ていただきたいです。当院は医療モール内にあり、内科や皮膚科、小児科が入っているので、他院を受診するついでに寄りやすいでしょう。また、コンセプトとして掲げているのが「地域の総合歯科」。当院では虫歯や歯周病の治療、入れ歯の治療などの他、インプラント治療や小児矯正、成人矯正も行っています。患者さんが何でも相談できるよう、さまざまな治療に対応するため研鑽を積んできたので、安心してお任せください。

先生は地域貢献にも力を入れているとか。

実は、息子が地域の少年野球チームに入団したことをきっかけに、私自身もコーチとして参加するようになり、チームメンバーのご家族の来院が増えるようになったんです。歯医者が苦手で治療が受けられないというチームメンバーのご兄弟も、親御さんの「長山コーチにやってもらえるんだよ」という声かけによって治療のために当院に来院されるようになりました。「顔見知りの長山コーチに治療してもらえる」という信頼から来院につながり、地域貢献で地域住民の歯の健康を支えることができると気づいたんです。今後も野球のコーチを続けながら、地域密着の歯科クリニックとしての役割を果たしていけたらと思っています。