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野村 哲也 院長の独自取材記事

高松内視鏡診断クリニック

(高松市/松島二丁目駅)

最終更新日:2021/10/27

野村哲也院長 高松内視鏡診断クリニック main

高松市の中心部に位置する「高松内視鏡診断クリニック」。西高松グループのクリニックとして、循環器内科、消化器内科、脳神経外科などの専門的な検査や治療などを行う。グループ全体の強みでもある脳神経外科や認知症の評価といった分野での医療連携に加え、院長の野村哲也先生は、自身の循環器内科での経験などから、総合的な内科診療に重きを置く。また、先端の機器を導入する胃や大腸など消化器系の内視鏡診断については、鎮静剤を活用するなど「可能な限り、患者への負担を軽減したい」と話す。在宅医療や訪問診療にも精力的に取り組むほか、介護との垣根を超えた活動にも力を注ぎ、地域の人々の健康を守り続けている。

(取材日2021年7月24日)

医療過疎地域での経験が、医師をめざすきっかけに

医師をめざしたきっかけについて、お聞かせください。

野村哲也院長 高松内視鏡診断クリニック1

私は徳島県出身なのですが、出生地が田舎で、医療状況があまり良くなかったんです。軽症の風邪程度なら診療してもらえるクリニックがいくつかあったのですが、重症化して入院が必要な症状などの場合は、大きな病院がある県の中心部まで救急車で1時間、2時間かけて搬送されるという状況。中には、救急車を呼ばずに、病院にかかることを諦めるというケースもありました。そのような状況を目の当たりにしていたので、将来は医師になり、地域医療の改善に関わるような仕事をしたいということが、いつしか私の夢になりました。

クリニックの主な診療内容について、お聞かせください。

内視鏡診断クリニックという院名のため、胃が痛い、吐き気がする、便が緩い、出血しているなどの症状がある方、もしくは健康診断などで数値が悪かった方など、消化器系に不調のある方が検査を求めて来院されるケースが多いです。また、もともと私自身が循環器内科を専門としていることもあり、高血圧症、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病から、風邪やインフルエンザなどの感染症まで、幅広く、総合的な視点で診断、治療をすることを得意としています。さらに、西高松グループのルーツとも言える脳神経外科の分野においては、グループ内の連携も特徴の一つ。内視鏡に特化したクリニックというよりは、認知症や脳神経外科分野にも対応ができ、在宅介護中の方や施設への往診などとも関連性を持たせて動くことができるという点が、当院の特性になっています。

診療体制についてお聞かせください。

野村哲也院長 高松内視鏡診断クリニック2

私が常勤医師として、すべての患者さんに目を配っています。また非常勤として、香川大学医学部附属病院から消化器内科の先生に定期的に来ていただいているということもあり、クリニックでは対応できないような診療の場合にも、大学病院とスムーズに連携できる体制です。また、西高松グループの他のクリニックの先生に、非常勤でサポートしていただくこともあるなど、しっかりとした体制で診療にあたっています。

患者、家族の思いに寄り添いながら診療にあたる

診療時に心がけているのは、どのようなことでしょうか。

野村哲也院長 高松内視鏡診断クリニック3

医療にとって一番大切なことは、治療もさることながら、患者さんやご家族のこれまでの歴史や生活、価値観などに耳を傾け、その思いに寄り添うことだと考えます。例えば医療側の立場から見ると、理屈に合わないようなことであっても、その人にとって納得のいく選択であれば、優先しなければいけないこともあるのです。特に高齢者の場合、お子さん世帯など家族が遠方に住んでいて離れて生活していると、ご家族は数年前の元気な頃の記憶をもとに、現在の状況や治療について想像するため、医師の意見と食い違うことも。しかし、医師がそれをむげにしてはいけないと考えています。患者さん本人の思い、ご家族の思いに寄り添い、医療側の見解を踏まえてどこで折り合いをつけていくかということは、医師として一番悩ましいことであり、重要視すべきことではないでしょうか。

新型コロナウイルス感染症の流行に際し、医療の難しさを実感した場面はありますか?

在宅医療や訪問診療などの中で、患者さんの看取りを行うこともあるのですが、ご家族が国内の遠方に住んでいる方のみならず、海外にいらっしゃるというケースもあります。中でも、コロナ禍で来日がかなわないご家族のケースでは、患者さんとご家族が最後に対面したのは5年も前という事例もありました。まだ元気だった頃の面影しかないご家族の方にとっては、最期を迎えるという状況が受け入れ難いという気持ちもよくわかります。そうしたケースでは、テレビ電話や動画などを使って現在の状況をこまやかにお伝えします。終末期医療の場合は、本人もご家族も「いい最期だった」と納得できるような状況をめざしながら、常に医療に携わっています。

内視鏡については、先進の機器を導入されているそうですね。

野村哲也院長 高松内視鏡診断クリニック4

はい。内視鏡については、機能性を重視した機器を採用し、経口と経鼻、どちらにも対応しています。さらに、口からの内視鏡の挿入や大腸内視鏡検査に対する患者さんの負担をより軽減し、検査に対する嫌悪感や苦しみを抑えるために、鎮静剤を使用した検査を採用。鼻から挿入する際にも、状況に応じて局所麻酔を行うこともあります。鎮静剤を用いて検査を実施するため、眠っているような状態で検査を終えることができます。また、西高松グループの迅速な連携により、CTやMRI、エコー、マンモグラフィなどの機器を使用した専門性の高い診断は、同グループの専門のクリニックで撮影し、当院で診療するということがスムーズに行えることもメリットの一つです。

医療と介護をつなぐデイケアで地域医療の拠点に

2021年6月からはデイケアもスタートしたそうですね。

野村哲也院長 高松内視鏡診断クリニック5

総合的な診療を行っているため、在宅医療や訪問診療をする機会も多く、認知症や介護の分野との関わりが深いことから、当院の2階に「デイケア内視鏡」を開設しました。要介護認定を受けている高齢者の方に対し、介護保険のサービスを活用して、リハビリを実施。理学療法士や作業療法士が一人ひとりと向き合い、個々の身体能力に合った運動プログラムや日常生活動作の指導をさせていただくことで、外出機会の獲得や身体機能の向上をめざします。また、西高松グループとしても、介護が必要な高齢者の診療を行っていますので、リハビリが必要な方について、集中的にサポートできる場所にしたいと考えています。

例えばどのような方が利用されるのでしょうか。

先日、ご相談にいらっしゃった方は、手すりを頼りに歩けば、日常生活を送る上では支障のない状態でした。どういった目標を立てたいかと、ご家族の方とお話をしたところ「おじいちゃんは、パチンコに行くのが生きがいなので、パチンコ屋までの道のりを歩けるようにしてあげたい」とのことでした。楽しいこと、生きがいになることは人それぞれです。好きなことをやりたいと意欲を持ち、頑張る人をサポートし、外出の機会を増やすことは私たち医師にとっても重要な役割の一つだと考えています。

今後の展望について教えてください。

野村哲也院長 高松内視鏡診断クリニック6

内視鏡を中心としたクリニックではありますが、総合的な診療の提供を信条として、医療と介護の連携、地域医療の底上げをめざしています。6月には、デイケアを立ち上げたこともあり、脳神経外科、画像診断、在宅医療など、グループ内の連携も最大限に生かしていきたいです。そして今後は、医療と介護が連携し、地域の方々の健康を守る拠点として、また地域のかかりつけ医としての役割を、さらに強化していきたいです。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

些細なことでも構いませんので、気になることがあれば、お話しいただきたいですね。クリニック名に「内視鏡」と掲げていますが、消化器系のことだけでなく、お一人お一人に適した総合的な診療をさせていただきます。また、より専門的な診療を要する場合には、グループ内の各クリニックの設備や特徴を生かした連携も強みになります。患者さんやご家族の思いに寄り添い、できる限り、患者さんへの負担が少ない診断、治療をめざしていますので、ぜひ気軽にご相談ください。

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