多職種連携で機能回復をめざす
チームで支えるリハビリテーション
いまだ整形外科クリニック
(大阪市福島区/野田駅)
最終更新日:2024/04/15
- 保険診療
運動機能の回復をめざすため、治療の一つとして取り入れられるリハビリ。加齢ばかりでなく、予期せぬケガや病気、スポーツ障害などで運動機能に障害が生じた患者へのリハビリに注力しているのが「いまだ整形外科クリニック」だ。同院では、医師、理学療法士、作業療法士の他、柔道整復師も在籍。患者一人ひとりのライフスタイルや治療目的に合ったリハビリ計画を立て、日常動作の機能回復や競技復帰へのサポートを行っている。「患者さんには通院でリハビリの方法を学び、自分の体を自分でケアできるようになってほしい」と話すのは今田直紀院長。今回は同院で取り組むリハビリについて、スタッフ間の連携、院長が考えるリハビリの重要性などについて話を聞いた。
(取材日2024年4月8日)
目次
多職種スタッフが垣根を越えて包括的なリハビリを提供。再発しにくい、痛みが出にくい体をめざしてサポート
- Qこちらでは、どのようなリハビリを行っているのでしょうか?
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A
当院では主に運動器リハビリを行っています。運動器リハビリとは、運動器に障害のある患者さんを対象に、機能的な改善をめざし、関節の可動域(動かせる範囲)の拡大や筋力強化などを行うことを指します。もちろん最初は無理に動かそうとすると痛みが出ることも少なくありません。筋力アップを目的とした運動療法以外にも、温熱や電気刺激、マッサージなどの物理療法も並行して行い、痛みの緩和を図りながら進めていきます。また機能的な改善とは、立ち上がり、歩行、階段の上り下り、食事、着替えなどの日常生活動作の改善と再獲得だけでなく、社会生活やスポーツ競技の復帰をめざすことも含まれます。
- Qこちらのクリニックのリハビリには、どんな特徴がありますか?
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A
一つには、腰痛や肩凝り、神経痛、脊椎疾患、高次脳機能障害、手や腕の機能障害、靱帯損傷、骨折、それに伴う筋力低下など、さまざまな症状や疾患に対応していることが挙げられます。一般的に整形外科というとご高齢の方が多い印象ですが、当院ではスポーツ障害のリハビリにも注力していますので、小さなお子さんや学生の患者さんが多いのも特徴といえます。スタッフの中には、野球やラグビーなどさまざまなスポーツを経験してきた者もいます。自分自身の経験から子どもたちの相談に乗ることも少なくありませんので、フィジカル面だけでなくメンタル面での支えにもなって、子どもたちの健やかな成長のサポートができているのではないでしょうか。
- Q理学療法士や作業療法士が常駐しているメリットは何ですか?
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A
どうしても診察だけでは時間が限られますから、理学療法士や作業療法士のようなリハビリの専門家からしっかりマンツーマンで指導を受けられるというのは、患者さんにとって大きなメリットといえるでしょう。みんなで情報共有を行い、リハビリ計画を話し合ったり、見直したり、ミーティングをすることも頻繁です。そして、それぞれの専門職には得意とするリハビリ分野がありますが、互いの領域を越えて勉強し、日頃から切磋琢磨し合っています。高い専門性を持ちながら、幅広い要望に細かく対応できること、包括的な回復をめざせることも当院の強みです。また、当院には理学療法士2人、作業療法士2人に加えて、柔道整復師も1人常駐しています。
- Q診療においてリハビリは、どういう位置づけなのでしょうか?
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A
整形外科クリニックでは、大きな総合病院のようにメスを使うような手術はほとんど行いません。では、どうやって体にアプローチするのかというと、主な方法としてはリハビリとなります。筋力や柔軟性の向上を図り、動きの改善をめざす運動器リハビリは、今や整形外科診療の中心といってもよいかもしれません。患者さんにも「運動をして機能回復、さらには機能向上までめざしたい」という人も増えてきています。「リハビリはつらいもの」「運動は苦手」という人もいるかもしれませんが、クリニックの雰囲気は和気あいあいとして、リハビリを楽しみにして来てくださる方も多いようです。苦手意識を持たずに、まずは始めてみてほしいですね。
- Q先生が考える、リハビリで重要なこととは?
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A
リハビリで重要なことは、今悩んでいる症状が再び出ない体をつくっていくことです。どの患者さんにも、リハビリが必要な方にはご自宅でのトレーニング方法をレクチャ―しています。指導したトレーニングをご自宅でやってもらって、自分で自分の体のケアをできるようになれば、もうクリニックに来る必要はありません。そういった「元・患者さん」を増やしていくことが、私たちの最終的な目標です。患者さん自身が、自分の体の痛いところを一番よくわかっています。クリニックはご自身の体と向き合いながらリハビリ方法を勉強する場でもあると考え、主体的にトレーニングに打ち込んでもらえたらうれしいですね。