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敷島 裕之 院長の独自取材記事

札幌駅前しきしま乳腺外科クリニック

(札幌市中央区/さっぽろ駅)

最終更新日:2021/10/12

敷島裕之院長 札幌駅前しきしま乳腺外科クリニック main

札幌市営地下鉄南北線・さっぽろ駅4番出口直結。2011年の開業以来、「しきしま乳腺外科クリニック」は乳がん専門のクリニックとして患者を支え続けている。「診断から手術、その後の治療、フォローアップまで一貫して関わっていけるクリニックをめざした」という敷島裕之院長の言葉どおり、乳がん検診から手術後の経過観察まで幅広く対応。手術はNTT東日本札幌病院で敷島院長が自ら執刀している。乳がん検診当日に精密検査まで行える診療体制、快適に過ごせる開放的な待合室の設置などきめ細かな配慮がなされているのは、患者の不安を和らげたいという敷島院長の思いから。言葉の端々に患者を思う気持ちがにじむ敷島院長に、開業までの道のり、乳がん治療の今などを幅広く聞いた。

(取材日2021年7月17日)

めざしたのは一貫して患者に寄り添えるクリニック

乳腺外科に特化したクリニックを開業されたのはなぜですか?

敷島裕之院長 札幌駅前しきしま乳腺外科クリニック1

乳がん治療には長い時間がかかり、手術後も何年か治療を受けていただくことになります。しかし総合病院の外来は時間帯や曜日が限られており、通院が難しい患者さんも少なくありません。また乳がんの患者さんが増加している一方で、総合病院の外来で対応できる人数にはどうしても限りがあります。それならばこうしたクリニックのほうが患者さんも通いやすく、十分に時間を取ってお一人お一人と向き合えるのではないかと考えました。また、ほかのがんの場合は外科が関わるのは基本的に手術だけですが、乳がんは診断から術後の治療まですべて外科で行います。一貫して患者さんと関わっていけることにもやりがいを感じ、開業に至りました。

乳がん患者の増加の背景として、どういったことが考えられるでしょうか。

食生活の欧米化や、お子さんがいない女性が増えていることです。お子さんが何人もいらっしゃる女性は、乳がんにかかるリスクが低いことがわかってきています。また、思春期から30代の若年成人(Adolescent and Young Adult)の「AYA世代がん」が近年問題になっていますが、当クリニックも例外ではありません。土地柄だと思いますが、乳がんの患者さんの全国統計よりも若い患者さんが多いです。乳がんは特に若い年代から発症することが多いがんで、20代の患者さんもいらっしゃいますし、35歳を過ぎると珍しい病気ではなくなります。結婚やお子さんを考えるタイミングで発症することも珍しくありませんが、乳がんは早期発見・早期治療をすれば完治が見込める病気です。心配な方は不安な気持ちを抱え続けるのではなく、早めに検査を受けていただきたいです。

こちらではどのような検査ができるのでしょうか。

敷島裕之院長 札幌駅前しきしま乳腺外科クリニック2

視・触診、マンモグラフィ、エコー検査、必要に応じて細胞診や組織診も行います。札幌市乳がん検診も実施していますので、該当する方はご相談ください。手術は当クリニックでは行えませんが、以前勤めていたNTT東日本札幌病院の設備をお借りして僕が執刀しています。また近年、遺伝性乳がん卵巣がん症候群といってある種の遺伝子異常によって乳がん・卵巣がんを発症する人がいることがわかり、2020年から保険適用で検査ができるようになりました。当院でも検査を行っておりますので、家系的に乳がんの方が多いなど、可能性が少しでもある方はまずはご相談ください。

誰かを思いやる気持ちが乳がんの発見を遅らせることも

長く外科に携わられる中で、乳がん治療はどのように変化してきましたか?

敷島裕之院長 札幌駅前しきしま乳腺外科クリニック3

一言で言うと、より患者さんに優しい治療へと移り変わっている印象です。昔はどんなにがんが小さくても大きく切除していて、乳がんでは乳房全摘術しか選択肢がありませんでした。しかし、20年ほど前から乳房温存手術が普及し始め、今では5~6割が乳房温存手術に切り替わっています。また、昔はどんながんでも画一的に治療をしていましたが、今は患者さん一人ひとりに適した治療が選択されるようになってきています。そのぶん予後もいいですし、身体的な負担も少なくなりました。検査も薬もどんどん新しいものが出てきているので、患者さんにより良い治療を提供できるよう常に勉強しています。

診療で心がけていることは何ですか?

われわれが決して忘れてはいけないのが、乳がんの告知を受ける瞬間は患者さんにとって非常に特別なものだということです。患者さんによっては一生を左右してしまうくらい衝撃的なお知らせをすることになります。スタッフ全員がそのことを念頭に置き、患者さんの気持ちに配慮した対応を心がけています。それは医師である前に人として当たり前のことですし、患者さんに前向きに治療に臨んでほしいという思いもあります。患者さんには乳がんは早期発見をして適した治療をすれば根治も見込める病気であることをお伝えした上で、一緒に頑張っていきましょうとお話しさせていただくようにしています。治療に臨まれて長い年月がたち、「もう大丈夫だね」と検査結果を確認するときの喜びは医師としても代え難いものです。

中には進行してから受診される方も?

敷島裕之院長 札幌駅前しきしま乳腺外科クリニック4

そうですね。そこまでの状態になってから初めて来院される方もいらっしゃいます。そういう方から「親の介護で来られなかった」とか「子どもが受験生で心配をかけたくなかった」というお話を伺うと胸が痛みます。自分のことを後回しにして身内のことを思いやった結果、乳がんの発見が遅れてしまうというのはあまりにも悲しいことです。中にはすでに転移してしまっている方もいて、そこまで進行しているとなかなか難しい局面になる場合もあります。乳がんは徐々に進行する病気で、急激に悪くなることはありません。早期発見が治療の要ですから、何か気になることがあればできるだけ早くご相談いただきたいです。

早期発見のため、日頃のセルフチェックを欠かさずに

先生が医師を志したきっかけを教えてください。

敷島裕之院長 札幌駅前しきしま乳腺外科クリニック5

きっかけは中学生ぐらいの頃、新聞で連載されていた小説です。患者さんのがんを治そうと奮闘する医師の姿が描かれていて、自分もそういうふうになりたいと考えるようになりました。その当時から外科医をめざしていましたね。がんのように手術をしないと治らない病気もあるので、悪いところを自分の手で取り除くというのが外科の大原則になります。薬ではなく自分の手で人を助けるというところに、子どもながらにやりがいがあるに違いないと感じました。要は、単純にかっこいいなと思ったんです(笑)。ところが実際になってみると大変な仕事で、特に僕が若い頃は本当に寝る間もなく手術をしていました。大きな手術だと12時間ぐらいかかることもあり、患者さんは開腹しているわけですから疲れたから休憩というわけにはいきません。心臓血管外科と脳外科以外の手術を一通り経験し、10年近くたってようやく一人前になれたかなという感じでした。

休日のリフレッシュ方法は何ですか?

もともとは旅行やおいしいものを食べに行くことが好きで、車も好きなので家族で小樽にお寿司を食べに行ったりしていました。今は新型コロナウイルスの影響でそうもいかないのが残念ですが、北海道は食べ物がなんでもおいしいですよね。実は僕は徳島県出身で、北海道に来たのは大学からなんです。広大な北海道に憧れて学生の間だけのつもりでやってきたのですが、すっかり気に入って永住してしまいました(笑)。学生の頃は居酒屋くらいしか行けませんでしたが、地元では見たこともない大きなホッケのおいしさは忘れられません。徳島では、小ぶりの焼き魚に特産のすだちをかけて食べるのが定番なんです。やはり気候が違うと食べ物も違いますし、北海道は大らかな人が多いところもいいなと思います。

最後に、読者へのメッセージをお願いいたします。

敷島裕之院長 札幌駅前しきしま乳腺外科クリニック6

日本人女性がかかるがんの中で最も多い乳がんは、若い年代から発症することが特徴です。多くの場合自ら発見できますので、日頃から乳房を気にかけてセルフチェックをするなど、関心を持っていただくのが一番だと思います。男性で乳房にしこりを感じる場合は女性化乳房症の可能性が高いですが、乳がんを発症される方もいらっしゃるので油断は禁物です。もちろん乳がんであれば早期発見したほうがいいですし、乳がんではないとわかるのも大事なことです。気になることがあれば自己判断せず、早めに専門の医療機関にご相談ください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

Aコース(マンモグラフィー・エコー・触診、診察) 8000円
Bコース(マンモグラフィー・触診、診察) 6000円
Cコース(エコー・触診、診察) 5500円

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