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愛宕 義浩 院長の独自取材記事

あたご耳鼻咽喉科

(札幌市中央区/西線16条駅)

最終更新日:2021/10/12

愛宕義浩院長 あたご耳鼻咽喉科 main

札幌市中央区の「あたご耳鼻咽喉科」は2013年に開業して以来、身近なかかりつけ医院として親しまれているクリニックだ。日本耳鼻咽喉科学会耳鼻咽喉科専門医の資格を持つ愛宕義浩院長は、北海道大学病院などで重篤な疾患の手術を多く手がけてきたスペシャリスト。耳・鼻・喉のさまざまな症状をはじめ、アレルギー、首のしこり、めまい、予防接種まで幅広く対応している。検査時の負担に配慮した細いファイバースコープを活用するなど、重篤な疾患の早期発見にも力を入れる。常に「もし自分や自分の家族なら」と考えて診療にあたっているという愛宕院長。飾らない誠実な人柄は、インタビューでの穏やかで優しい受け答えにも表れていた。

(取材日2020年10月30日)

身近なかかりつけのクリニックとして誠実に診療

どのような患者さんが多く来院されますか?

愛宕義浩院長 あたご耳鼻咽喉科1

もともと耳鼻科自体が小さいお子さんと年配の方が多い診療科なのですが、新型コロナウイルス感染症流行の影響で、よりその傾向が強まっているように思います。一方で、働き盛りの方は我慢しすぎるケースが多く、診察して即、病院にベッドを確保してもらい、「すぐに行って」と紹介することもよくあるのです。この辺りは転勤族の方もいて、子どもの教育に熱心なご家族が多いイメージがある一方、最近は老人保健施設が増え、年配の方も増えてきたように思います。患者さんはご近所の方が多いですが、車の便が良いこともあって「帰り道にあるから」と遠方にお住まいの方もたくさん来院されます。今は季節の変わり目でストーブを使い始める時期なので、ハウスダストなどのアレルギーかなと思われる方が多いですかね。寒くなるとインフルエンザや風邪といった感染症も増えてきます。

診療で心がけていらっしゃることは何ですか?

例えばお子さんなら「自分の子どもだったらどうするか」など、常に「自分だったら」「自分の家族だったら」と考えて診療するようにしています。薬が必要かどうか微妙な時も「自分なら飲むかな」と思う時は、薬を出します。ただ、治療方針に悩む場合は、患者さんに正直に「どっちも正しいと思うけど、どうしたいですか?」と伝え、極力ご本人に選択してもらうように努めています。

小さい子どもの診察で気をつけていらっしゃることはありますか?

愛宕義浩院長 あたご耳鼻咽喉科2

お子さんの場合は、付き添いの母親、もしくは父親とコミュニケーションをとることがメインになりますから、親御さんに納得していただくことが一番大切だと考えています。赤ちゃんや小さいお子さんは泣くだけで自分では症状を伝えられませんが、今は保育園に預けている方が多く、「保育園の先生がこう言っていたから」と来院される方も多いです。ですから、例えば「鼻水はどんな色ですか」「最後に鼻を吸ってあげたのはいつですか」というような形で質問しながら、おうちでもどのような点に気をつけて見てあげれば良いのかをお伝えするようにしています。

重篤な症状の手術に従事した経験を生かす

高齢の患者さんの診察ではいかがでしょうか?

愛宕義浩院長 あたご耳鼻咽喉科3

年配の方はどちらかと言うと、不安感でいらっしゃる方が多いんですよ。「こういった症状があるが大丈夫なのか」「耳鳴りがして不安で眠れない」などと訴える方が多いので、極力お話を丁寧に伺って、「こういう原因で起きることで、ある程度は仕方ないんですよ」としっかり説明するようにはしています。不安で来院されている方に「何ともないです」「大丈夫です」とだけ言っても、納得されずにまた別のクリニックに行くドクターショッピングを繰り返してしまうことが多いからです。とはいえ、混雑具合やお子さんが泣いたりしている中できちんとお話を聞いてあげられない場合もありますので、ジレンマを感じることも多いです。

全体として、アレルギーの方は増えているのですか?

そうですね、多くはなっていると思います。低年齢化も進んでいるといわれており、昔は花粉症は中学生以降に発症することが多いとされていましたが、今は小学生から花粉症の症状が出ているお子さんもいます。一説として、現代社会が清潔になりすぎているのがアレルギーの元になっているのではないかともいわれています。常に除菌を心がけているコロナ禍での生活は、もしかしたら将来的にアレルギーの人を増やしてしまうかもしれませんね。僕もアトピー性皮膚炎体質ですから、そんなことにはなってほしくないですが。

先生は開業前、手術を中心に研鑽を積まれていたとお聞きしました。

愛宕義浩院長 あたご耳鼻咽喉科4

大学病院など道内の病院で、主に進行した悪性腫瘍、難治化した中耳炎、ほとんど鼻で呼吸できない重度の副鼻腔炎など耳、鼻、喉、頭頸部疾患の手術治療を中心に行っていました。その経験は今に生きていますが、開業してからは、クリニックでできるレベルの鼓膜切開や鼻茸の除去術など可能な範囲でしか手術はしていません。術後のケアが手厚い大きな病院で手術したほうがいいと思うものは、すぐに紹介状を書いて送るようにしています。

なぜ開業をしようと考えられたのでしょう?

大きな病院で定年まで勤めることも考えていたのですが、やはり大きな病院ですと、すべて病院の看板で診療しているかたちになってしまいがちです。それよりも、自分で最後まで責任を持って患者さんに向き合っていくかたちのほうがやりがいはあるのではないかと考え、悩んだ末に決めました。手術を多く手がける中で、より早期に診断し、積極的に治療することの重要性を実感していましたから、手術に至る前の段階で診断や治療に従事することも意義があると思っています。

我慢せず、気になる症状があれば遠慮なく来院を

先生が医師をめざすことになったきっかけを教えてください。

愛宕義浩院長 あたご耳鼻咽喉科5

農業や動物相手の仕事も考えたのですが、人間相手の仕事が一番やりがいはあるのではないかと考え、医師をめざしました。人のために役立ちたいという気持ちもあったと思います。人とのコミュニケーションを重視するのは、基本さみしがり屋だからかもしれません。耳鼻科を選んだのは、診断から手術まで一貫して対応できる診療科の一つだからです。例えば、同じ疾患であっても、手術の適用があれば外科の患者、手術の適用がなければ消化器科の患者というふうに分かれてしまうのが、どうしても納得できなくて。診断から手術までできる科の中で、最も五感に関わるともいえる耳鼻科に魅力を感じて選びました。

先生が健康のために実践していらっしゃることはありますか?

何もしないとどんどん体力が落ちていきますから、開業後に学生時代にやっていた合気道を再開しました。ジムに行ったり、一人で走ったりというのはできないタイプで、やはり人と向き合って、投げた、投げられたという実感のあるほうが好きなんですね。とはいえ、合気道は相手が攻撃してきた時にどうさばいて投げるか、どう崩して抑えるかという「受けの武道」ですので、自分から攻撃していくというものではありません。そういう部分でも自分に向いているのかもしれませんね。

クリニックの今後の展望を教えてください。

愛宕義浩院長 あたご耳鼻咽喉科6

地域に親しまれる、かかりつけの耳鼻科クリニックとして、これからもしっかり患者さんを診ていきたいと思っています。実は耳鼻科専門の医師にすぐにかかれるクリニックは、海外にはほとんどないんですね。例えば、アレルギー性鼻炎なら薬を買うか、内科の医師などのホームドクターが症状から診て薬を処方することが多く、専門の医師が実際に鼻の奥まで診て、鼻茸があるかどうかなどを診ているのはおそらく日本くらいではないかと思います。やはり、ゼネラリストが診る範囲と、耳・鼻・喉のスペシャリストが診る範囲では、場所や精度が違ってくると思いますので、今後もそういった部分で専門性を生かして診療していきたいですね。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

耳・鼻・喉で何か気になること、心配なことがあれば、遠慮なく来ていただければと思います。「こんな症状で行っていいのか」とちゅうちょされる方もいらっしゃいますが、本当に放っておいて大丈夫なのか、きちんと治療したほうがいいのか、僕ら専門家が診て判断しますから、遠慮なくおいでください。当院はもともと待合室が非常に広く、患者さん同士の距離を十分に取っていただくようにもしています。また、ウェブ上で受付を行うなど、極力院内の滞在時間を短くするように気をつけています。院内感染予防に努めていますので、決して我慢しすぎることのないよう、気になる症状があれば早めにご来院ください。

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