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平川 惠一 院長の独自取材記事

平川クリニック

(丸亀市/宇多津駅)

最終更新日:2022/10/18

平川惠一院長 平川クリニック main

多くの買い物客でにぎわう産直市場から徒歩1分、“讃岐富士”と称される飯野山を眼前に仰ぐ、のどかな風景の中にある「平川クリニック」は、苦痛に配慮した内視鏡検査や痔などの肛門疾患治療を得意とするクリニックだ。院長を務めるのは、平川惠一先生。勤務医時代に胃腸科・肛門科を標榜するクリニックで数多くの症例にあたり、その豊富な経験を生かして2006年に開業。胃腸のトラブルだけでなく、生活習慣病などの内科的疾患や外科的治療まで幅広く対応し、開業以来、地域医療に注力してきた。大らかな人柄で、白衣の下にはスポーツウェアというアクティブなスタイルの平川先生に、同院が得意とする内視鏡検査などについて詳しく話を聞いた。

(取材日2022年9月7日)

豊富な診療経験で培った技術と、臨機応変な診療体制

開業にあたり、この地を選ばれたのはなぜでしょうか。

平川惠一院長 平川クリニック1

私は高知県のいの町というところで生まれ育ちました。仁淀ブルーと呼ばれ、現在日本一の清流として名高い仁淀川が流れる、たいへんのどかなところです。医学の道を志したのは、高校3年生になってから。北海道のことは当時よく知りませんでしたが、小学校のとき、担任の先生が「北海道大学には川が流れていて、昼休みに学生が魚釣りをしているんだ」と言っていたことを思い出して、北海道大学を受験することに決めました(笑)。北海道大学のある札幌に行ってみると、大都会なので驚きました。私はマンション暮らしがどうも苦手で、ビルに囲まれたところよりも自然が豊かなところのほうが性に合っているんですね。ですから開業するなら地元に近い、山や川などが見える場所にしたいと思っていたところで、縁あってこの地を紹介していただき、開業することができました。地区の方々には開業当初から親切にしていただき、感謝しています。

胃腸科・肛門科専門のクリニックに長く勤務されていたそうですね。

はい。大学卒業後は岡山大学医学部の第一外科に入局し、高知県など各地の外科で研修を重ね、医学博士号を取得しました。私はもともと消化器外科が専門ですから、胃腸科・肛門科のあるクリニックに10年ほど勤務して、多くの内視鏡検査とさまざまな肛門疾患の手術にあたりました。当院では、その経験を生かし苦痛に配慮した内視鏡検査や痔などの肛門疾患の治療を専門的に行うだけでなく、そのほかにも高血圧や糖尿病といった生活習慣病などの内科的疾患や、イボ、うおのめ、切り傷や巻き爪の処置といった外科的分野まで対応しています。また当院で対応できない場合には、近隣の大きな病院をご紹介できますのでご安心ください。

緊急時の連絡先として、先生の携帯電話の番号が貼りだされていることに驚きました。

平川惠一院長 平川クリニック2

当院の患者さんに困ったことがあれば、できる限り対応しなければいけないと思っています。手術後に出血した場合などはもちろんですが、例えば便が詰まってしまって出ないときなどでも、私がクリニックを出る前でしたら診療時間外でも「来てください」と言って対応していますし、私がすでに帰宅していてクリニックに来られない場合には、電話で指示をお伝えする形で対応しています。内視鏡検査についても原則として予約が必要ですが、緊急を要する場合は事情が許す限り柔軟に対応するようにしています。

苦痛に配慮した内視鏡検査やさまざまな肛門疾患に対応

胃や大腸の内視鏡検査について教えてください。

平川惠一院長 平川クリニック3

内視鏡検査は安全で正確な診断をめざすべきであることはもちろん、患者さんにとって「苦痛の少ない楽な検査」であることが大切だと考えています。当院では鎮静剤を使用し、ほとんどの方は寝ている間に検査が終わるようにしていますので、過去に内視鏡検査で痛い思いをされた方でも、楽に受けられるのではないでしょうか。胃腸の動きを止める鎮痙剤は使用しませんので、副作用として目の調節障害が起こったり、口が乾いたりする心配もありません。大腸内視鏡検査に関しては、前処置として下剤を飲んで腸の中を空っぽにする必要がありますが、当院では数種類ある下剤の中から、私自身が実際に飲んでみて一番飲みやすいと思ったものを採用しています。下剤の中には、腸の中がすごくきれいになる反面、飲みにくいものもあるのですが、当院では患者さんが飲みやすいものを、というスタンスで選んでいます。

ホームページに、痔に関する詳しい説明がありますね。

痔というと、特に若い世代の患者さんは恥ずかしくて受診を先送りにしてしまいがちですよね。まず痔とはどんなものなのかをよく知っていただき、「決して恥ずかしい病気ではない」という認識を持っていただこうと思い、ホームページに掲載しました。その甲斐あってか、当院には若い患者さんもいらっしゃいます。一番怖いのは、出血があって痔だと思っていたら、実はがんだったというケースです。放置すると手遅れになる可能性がありますので、何か症状があれば早めに受診していただきたいです。治療については、「すぐ手術になるのでは」と不安に思う方がいらっしゃいますが、生活習慣の改善により完治をめざせる場合も多くありますし、当院では内痔核の新しい治療法として、ALTA療法という痛みを感じにくい注射による治療も行っています。症状がひどいのか、大したことはないのか、痔以外の病気がないのかどうか、まずは受診していただくことが大切です。

胃がんを引き起こすといわれるピロリ菌は、若い世代にも見つかることがあるのでしょうか。

平川惠一院長 平川クリニック4

その昔、井戸水によるピロリ菌感染で慢性胃炎になり、最終的に胃がんになって多くの方が亡くなった時代がありました。ピロリ菌の除菌が進んでそうした時代は終わりましたが、今もまだ感染している若い人がいることは事実です。水道水以外の飲み水には、特に気をつけていただきたいです。また、過去にピロリ菌の検査を受けて陰性だった、除菌を終えたという方でも、ピロリ菌に汚染された水などを摂取すれば再び感染する可能性はありますので、陰性だったとしても引き続き気をつけていただきたいと思います。それから慢性胃炎だった、萎縮性胃炎があったという方は、たとえピロリ菌がいなくなっても胃がんのリスクがありますので、経過を見るために胃の内視鏡検査をぜひ毎年受けていただきたいです。

アットホームな雰囲気で地域医療に貢献

これまでに印象に残っている患者さんはいらっしゃいますか。

平川惠一院長 平川クリニック5

以前、まんのう町の病院で当直勤務をしているときに、おなかが痛いという高齢の女性がいらっしゃいました。その方は徳島県から金比羅さんのお参りにいらしていたそうで、検査をしたところ直腸がんが見つかったんですね。それで「徳島に戻ったらどこか大きな病院に行って手術をしてもらってください」とお伝えしたところ、しばらくしてから「私に手術をしてもらいたい」と徳島からわざわざ来られたんです。そんな経緯があって、私が手術を行ったのですが、術後最後の通院の日に「先生、ありがとうね」と、その方が手編みのセーターとベストをくださったことが心に残っています。それはもう、医者冥利に尽きましたね。

先生は文武両道で、スポーツも得意だとお聞きしました。

高校3年生の夏に出場したインターハイが終わるまでは、バドミントンばかりやっていました。その割には、そんなには強くなりませんでしたけど(笑)。受験勉強をスタートしたのもそれからです。当然間に合わない部分もありましたが、私は一度決めたらとことんやるタイプなので、諦めずに医療の道を貫きました。大学卒業後に外科に進んだのは、机の前に座ってじっとしているより、体を動かしている方が自分に合っていると思ったからです。最近は若い頃に熱中していたゴルフを再開して、上をめざして頑張っているところです。スポーツのほかにも料理や家庭菜園、日曜大工が趣味で、雑貨から家具までいろいろ作っていますよ。院内にはパンフレット用の棚など、結構たくさん作ったものがありますし、診察室の私の机も自作で大変気に入っています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

平川惠一院長 平川クリニック6

大腸がん検診や胃のバリウム検査などで「要精密検査」という結果が出たら、内視鏡検査を必ず受けるようにしていただきたいと思います。当院では苦痛に配慮した内視鏡検査や、さまざまな肛門疾患に対して治療を行っていますので、大きな病気を見逃さないためにも、自己判断をせずにまずは診察を受けていただきたいです。また、当院は外科や内科の診療も幅広く行っていますので、今後も診療を通して、地域の方々の健康に貢献できるよう取り組んでいきたいと思っています。

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