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高橋 敬治 院長の独自取材記事

つるわクリニック

(さぬき市/讃岐津田駅)

最終更新日:2021/12/15

高橋敬治院長 つるわクリニック main

日本の渚百選にも選ばれている“津田の松原”海水浴場を有するさぬき市津田町。この海辺の静かな町に、高橋敬治先生が院長を務める「つるわクリニック」はある。徳島大学医学部を卒業後、香川県や徳島市などの基幹病院で勤務医としての経験を積み、2010年に開業した高橋院長。「医師と患者」としてではなく「人と人」としての関係を築くことを大切にしながら、一人ひとりに寄り添う丁寧な診療に努めている。「地域の人が和気あいあいと過ごせる寄合所のようなクリニックにしたい」と穏やかに語る高橋院長に、これまでの経歴や診療に対する思いを語ってもらった。

(取材日2021年11月8日)

診療科の垣根を超えて、地域の医療ニーズに応えていく

先生のこれまでのご経歴や医師をめざしたきっかけについて教えていただけますか?

高橋敬治院長 つるわクリニック1

私は徳島市の生まれで、小学校1年の頃に父の転勤で高松市へ引っ越しました。そこで高校卒業まで過ごし、高松高校卒業後は徳島大学医学部へ進学しました。思い返してみると、小学校1年生の頃には医師を志していたと思います。実は子どもの頃の私は喘息があったため、徳島大学病院の呼吸器科でお世話になっていました。3年生か4年生の頃には扁桃腺の手術をしたこともあって、病院に良い思い出ではないけれど、いろいろと縁があるんです。それもあって、徳島大学医学部に進もうという思いがありました。そして、徳島大学医学部を卒業後は、大学での1年間の研修を経て、香川県の国立善通寺病院(現・四国こどもとおとなの医療センター)や徳島大学医学部での講師、高知県や香川県の基幹病院で長年勤務医として勤め、2010年に当院を開業しました。

開業に際してこの場所を選んだのはなぜですか?

私は海が好きで、高校時代には津田の海でキャンプファイアなどをして遊んだ思い出のある場所だったことが、この地域で開業しようと思った理由の一つになっています。最初は津田町の鶴羽で開業したのですが、同じ場所でマンネリ化しないよう、ブレイクスルーをめざして、今年この場所に移転してきました。「つるわクリニック」というのは、鶴羽の名前をそのまま引き継いでいます。おかげさまで、患者さんにも周辺の住民の皆さんにも温かく迎えていただき、円満にやらせていただいています。新しいクリニックでは広い駐車場を確保することができたので、駐車しやすくご高齢の患者さんにも安心してご利用いただけるようになりました。1キロほど離れた場所に移転しただけなのですが、前のクリニックに歩いて来ていた患者さんたちには「遠くになって寂しい」、「通院がすぐにできなくなってしまった」という方も多くいて、その点については申し訳なく思っています。

患者層についてはいかがですか?

高橋敬治院長 つるわクリニック2

圧倒的に高齢の患者さんが多く、90歳以上の患者さんもとても多いですね。私は呼吸器が専門なのですが、地域のニーズとして診療科にこだわらずに幅広く診ています。もちろん、眼科や耳鼻科などの専門的な部分や入院が必要なほどの外傷などは難しいですが、可能な範囲はすべて対応しています。開業をしてもう10年以上で、大学にいたのと同じ年数ですから、勉強や症例に関しては消化器も呼吸器も整形外科的なことに関しても必要に応じて勉強を重ねていけば対応できるようになるんです。もちろん、香川大学医学部附属病院やさぬき市民病院との連携もできてネットワークも構築されているので、今のところ現状に問題を感じることはありません。

「人と人」として、患者との関係を築いていきたい

診療の際に先生が大切にしていることは何ですか?

高橋敬治院長 つるわクリニック3

患者さんの目線に立って診療をするということです。上から頭ごなしに話すようなことは絶対にしたくないんですね。一番良いと思う治療方針を押しつけてしまうのではなく、こちらから提案をさせていただいて、患者さんが納得をしたら治療に進みます。病気であっても一人の人間であることに変わりはありませんから、病気だけに目を向けるのではなく、「病気に悩んでいる人を見る」ということを常に心がけています。「医師と患者」という関係ではなく、「人と人」として患者さんと向き合っていると、すべての患者さんとの出会いが、とても良い出会いであると感じます。

このクリニックを建てる際にこだわったポイントはありますか?

津田の海の景観を損なわないように、「海と山と木の香りがするクリニック」をめざしました。最初に開業した「鶴羽」の地名から「つるわクリニック」と名づけましたが、「鶴は千年」と言うように長寿で縁起が良い感じが気に入っています。法人名は「医療法人社団 百寿会」ですから、とにかくおめでたい感じがしますよね(笑)。また、設備面ではCTは以前から導入していて、大きな病院に行かなくても当院で画像診断ができます。CTがあれば、大抵は診られますので、田舎であっても専門的な診断ができていると思います。また、事務長のアイデアでお子さんが遊んで待つことができるキッズスペースも設けましたし、新型コロナウイルス感染症の流行後に追加で計画したものとして、隔離診察室も設けました。発熱や感染症の患者さんと、一般の患者さんとの動線を分けているので安心して通っていただくことができると思います。

新型コロナウイルスの流行によって、患者層などの変化はありましたか?

高橋敬治院長 つるわクリニック4

コロナ禍でがんの検診受診率が下がってしまい、がんの発見が遅れてしまうケースが増えているといわれていますが、その一方で、感染が広まったことで、患者さんは手洗い・うがい・マスクの着用を徹底するようになりましたし、インフルエンザの予防接種も受けて、体調を崩さないようにとても気をつけるようになったと思います。その結果、昨年当院ではインフルエンザの患者さんが一人も出なかったんです。そういう意味では、人間というのは自己管理をすることである程度の病気は防いでいけるのだということをあらためて感じました。そういうことを患者さんに知っていただけたのは良かったと思います。患者さんの中には新型コロナウイルスの感染拡大がきっかけでタバコをやめた方もいて、そういう健康に対する意識が大きく変化したのではないでしょうか。

元気な時にも立ち寄れる地域のコミュニティーの中心に

忙しい毎日だと思いますが、休みの日にはどのようにリフレッシュしていますか?

高橋敬治院長 つるわクリニック5

休みの日は、子どもとゆっくり過ごすことが多いですね。若い頃はずっとバスケットボールをしていたので体を動かすことも好きで、平日の昼休みで時間がある時には、クリニックから津田の海岸まで30分ほどジョギングをすることもあります。土日もなるべく30分は運動をするように心がけています。患者さんに「1日に30分くらいは歩きましょうね」とお伝えしていますから、私自身も頑張らないといけませんよね。この辺りは景色も良くて、散歩やジョギングをするにはとても良い地域だと思います。

今後の展望についてお聞かせください。

病気の患者さんに適切な医療を提供するということは当然のことですが、理想を言えば本当は病院というのははやらないほうが良いわけですよね。困った時には相談に来ていただくことはもちろんですが、私は元気な時にも暇つぶしに遊びにきていただいて構わないと思っているんです。昔で言うお年寄りたちの寄合所のような、皆さんが和気あいあいと過ごすことができるクリニックにしていきたいと思います。当院は外にベランダがあるんですが、私が朝クリニックに来ると近所のお年寄りたちがそこで楽しそうにおしゃべりしているんです。そういう光景を見るとうれしくなりますね。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

高橋敬治院長 つるわクリニック6

患者さんには、自己管理をして病気にならないことがもちろん一番ですが、もしなってしまった場合には「医師として」というよりも「人として」良いお医者さんに巡り合っていただき、それに加えて医療技術のある先生に関わり合いができるようなクリニック選びをしていただきたいと思います。そして、その選択肢の中に当院を加えていただけていたら、うれしいですね。

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