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新谷 朋子 院長の独自取材記事

とも耳鼻科クリニック

(札幌市中央区/西18丁目駅)

最終更新日:2022/01/20

新谷朋子院長 とも耳鼻科クリニック main

札幌市中心部を東西に走る南一条通り沿い、札幌市営地下鉄東西線の西18丁目駅から徒歩3分ほどの医療ビルに新谷朋子先生が院長を務める「とも耳鼻科クリニック」がある。2、3階を使って、ASSRという脳波聴力検査の機器や言語聴覚士による本格的なリハビリテーション室などを備えている。「勤務医時代からの患者さまもいらっしゃるんですよ。お互い年を取りましたねと話します(笑)」と語る新谷院長。飾らない人柄で長い治療にもしっかり寄り添っていることがわかる。小児の治療にも明るく、漢方やアレルギー、睡眠に関わる知識も豊富だ。診療への想いや耳鼻咽喉科と生活の関係などについて話を聞いた。

(取材日2021年7月8日)

言語聴覚士や大学病院との連携も取り入れ幅広い治療を

長らくお勤めだった大学病院の目の前に開業されたのですね。

新谷朋子院長 とも耳鼻科クリニック1

そうなんです。札幌医科大学を卒業して附属病院に入局し、近隣施設に出向しながら20年以上大学病院で医師や講師をしていました。大学病院は設備や情報に恵まれている部分がありますが、患者さまにとっては土曜にやってほしいとか学校や仕事が終わってから診てほしいなど時間の面で少し不便なことがあると感じたんですね。それで、通いやすい時間に診療やリハビリテーションができるクリニックを開業しました。大学病院には今も非常勤講師として行っていますし、当院では実施できない手術や症例については医療連携をして患者さまに合った手段を取っています。大学病院の頃から20年、30年と診させていただいている患者さまもいらっしゃって、ありがたいことだなと感じています。

どのような症状の方が来られていますか。

耳鼻咽喉科一般の耳鳴りや難聴、外耳炎、めまい、鼻炎、副鼻腔炎、喉の痛み、声がれ、いびきなどさまざまです。難聴や睡眠時無呼吸症候群を専門にしてきたので、その検査と治療に来られる方も多いですし、補聴器の訓練や調整に通われている患者さまもいらっしゃいます。また、当院では精密聴力検査も行っており、産科による新生児聴覚スクリーニング検査で難聴の疑いがあったら当院で精密聴力検査の対応もしています。早期発見できれば補聴器の支援も人口内耳の手術もベストな形で考えられるので、新生児のうちに長期的な治療計画を立てられるのは大きいと思っています。

言語聴覚士の方もいらっしゃると聞きました。

新谷朋子院長 とも耳鼻科クリニック2

はい。おそらくクリニックの規模ではかなり珍しいと思うのですが、5人の言語聴覚士が活躍しています。例えば就学前のお子さんは機械を使った聴力検査で正しい結果を得にくい場合があるので、言語聴覚士がおもちゃを使って表情や反応を見たり、静かな部屋で自然入眠して脳波をテストしたり、反射を見たり、さまざまな結果を組み合わせて診断します。大人の音声障害や嚥下訓練、補聴器のフィッティングなども一緒にやってもらっていますね。特に補聴器は慣れるまで時間がかかりますから、医師だけでなく言語聴覚士もしっかり寄り添う必要があります。発語や聴覚に異常があると生活全体に大きな影響がありますから、専門家による精密な介助が必要です。

補聴器への適応には特別プログラムで二人三脚の支援

補聴器についてお聞かせいただけますか。

新谷朋子院長 とも耳鼻科クリニック3

乳児の難聴については先ほどお話ししましたが、高齢の方は認知症の要因にもなり得るといわれていますので、聞こえにくさを感じたら早めに補聴器の装着をお勧めしたいですね。難聴の兆しに気づかれるのはたいていご家族ですが、ご本人が認めたくないとか、試着してみて嫌だとおっしゃる方が多いので、気持ちのフォローも含めて勧める必要があります。使い始めは雑音が一気に聴こえるため不快に思われる方も多いんですよ。そこで、当院では3ヵ月補聴器を貸し出して調整を重ねながら慣れていただき、導入を検討していただくプログラムを用意しています。聞こえが良くなると話しかけられることも多くなって会話も増えることや、外出への不安減少にもつながると思います。

気持ちに寄り添った診療を大切にされているのですね。

治療には気持ちの確認や関係の構築は大切です。ダニのアレルギー療法をはじめ、繰り返してしまう鼻炎や外耳炎などのトラブル、人工内耳や補聴器のメンテナンスなど長期間にわたるお付き合いも多いですから、ストレスなく通っていただきたいですね。そのために知りたいのは、患者さまが何に困っていらっしゃるか、何を求めていらっしゃるか。例えば耳鳴りでしたら耳鳴りを治すことはもちろん、それによって眠れないとか、イライラするとか、心配だから徹底的に検査をしてほしいなどもあるはずです。患者さまが言いそびれたり私のほうで聞き出せなかったりすることもありますので、お声を拾い漏らさないように看護師にもしっかりコミュニケーションを取ってもらうようお願いしています。当院では、受診時に一人の看護師がお薬の話をするところまで担当制で見る流れになっています。

睡眠時無呼吸症候群の治療はどのようにされているのでしょうか。

新谷朋子院長 とも耳鼻科クリニック4

睡眠と耳鼻咽喉科の問題は関わりが深いので、患者さまにご協力いただいてしっかり治療していく必要があります。具体的にはCPAP(シーパップ)という機器を使用して、睡眠時に鼻から気道に空気を送ることで無呼吸を防止していくための療法を行います。大人ですと男性が多いとされていて、比較的体重の軽い女性には少ないですが、更年期等加齢によって男女関係なく急に起こる場合もあります。お子さんにも見られますが、そちらの原因はアデノイド肥大や扁桃肥大によるものが考えられますね。原因とともに、それによって生じている他のトラブルもしっかり探って、根本解決していきたいと思っています。

睡眠・栄養・正しい呼吸法など生活改善の指導も

漢方や栄養指導なども取り入れられているとか。

新谷朋子院長 とも耳鼻科クリニック5

なかなか症状が改善しない方やご希望される方には、漢方なども取り入れています。特にめまいや不眠、元気が出ないなどの不定愁訴がある方にご提案することが多いですね。一方で、普段の生活習慣や栄養も大事なので、食事にはお肉・お魚・大豆製品・野菜を入れましょうとか、遮光カーテンはやめて自然の光で脳を目覚めさせましょうとお話ししたり、口呼吸をやめること、睡眠をしっかり取ることもお伝えしています。ちょっとうるさい先生だと思われているかもしれないですね(笑)。睡眠時無呼吸症候群の治療に使用しているシーパップでレポートを見ていると、皆さん寝る時間が遅いことに驚きます。睡眠と栄養は耳鼻咽喉科の医師としてもぜひ大切にしていただきたいと思います。

子どもの診療にも注力されているそうですね。

実は私、子どもが好きで小児科の医師をめざした時期もあったんです。師事した先生が小児難聴に力を入れていて、耳鼻咽喉科なら子どもも診られるし手術で改善させる手助けができると思いこの道に進みました。小児科は一定の年齢になれば診られなくなりますが、ここには赤ちゃんの時から大きくなった今も来てくれている患者さんがいらっしゃるんですよ。ずっと同じ方を診られるのはうれしいですね。小児は鼻や喉の不調が出やすいですから、気軽に来ていただきたいと思います。

休日の過ごし方やご趣味を教えてください。

新谷朋子院長 とも耳鼻科クリニック6

今ですとステイホームでオンラインヨガやオンラインフィットネスでしょうか。子どもたちが2人とも東京にいるので、以前は会いに行ったり散策したりしていましたが、それもなかなかできなくなりましたね。患者さまに健康のお話をしているのに最近は歩く距離も少なくなって、良くないですね(笑)。

最後に、耳鼻咽喉科医としてお伝えしたいことなどありましたらお願いします。

耳・鼻・喉に不調を感じたら、ぜひ早めに耳鼻咽喉科へ行ってください。その方に合った治療法を見つけるには時間を要することがありますし、治療期間が長いものほど早く始めたほうが良いと思います。それから、通信販売で買ったとかお孫さんにプレゼントされたという補聴器が使いにくかったというお話をよく聞きますが、補聴器はフィッティングと訓練がとても大切です。そもそも聴こえにくい原因が耳垢だったということもありますので、諦めずにまずはご相談くださいね。訓練や薬、そして必要であれば手術などを取り入れながら、抱えている不調を解決して快適な生活を送っていただきたいと思っています。

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