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井上 浩一郎 院長の独自取材記事

いのうえ小児歯科

(宮崎市/佐土原駅)

最終更新日:2022/03/28

井上浩一郎院長 いのうえ小児歯科 main

宮崎市の郊外、佐土原町の新興住宅地の大きな道沿いに「いのうえ小児歯科」はある。さくら色の建物は目につきやすく、広い駐車場もあるため車での来院がスムーズだ。小児歯科を掲げていることもあり、地域だけでなく遠方からの患者も多い。一般歯科も診察しており、保護者や歯の治療に恐怖心がある人、障害のある患者も来院している。小児歯科ならではの難しさは日々感じているという井上浩一郎院長。患者一人ひとりに寄り添う診察ができるよう心がけていると話してくれた。また井上院長はスポーツ歯科医学に精通し、スポーツを楽しむ子どもたちのサポートも行っている。静かな口調でインタビューに答えてくれた井上院長だが、その言葉からは歯科医師としての強い使命感を持っていることが伝わる。

(取材日2022年3月2日)

慣れ親しんだ地元だからこそ、この土地を選んで開業

なぜこの場所に開業しようと思われたのですか?

井上浩一郎院長 いのうえ小児歯科1

一言で言えば、地元だったからです。ここの地域は私の通った幼稚園と小学校があって、開業するなら自分の生まれ育った場所にしようと考えていました。慣れ親しんだ土地なら、多少は気持ちの面で楽になるかと思って。今では、このエリアに開業して良かったと思います。道路沿いで、駐車場を広くとれたことで車での来院もしやすいと思います。

やはり地域の患者さんが多いのでしょうか?

もちろん近くにお住まいの患者さんも来院されますが、遠方にお住まいの患者さんも多いです。小児歯科をメインに掲げているところが宮崎市内に少ないからかもしれません。年齢層も広いです。当院は一般歯科も受けつけていますから、小児の患者さんをきっかけにそのご家族が来院されたり、歯の治療に苦手意識のある成人の患者さんも来院されます。当院でできる範囲での対応ですが、入れ歯の診療をしている患者さんもいらっしゃいますよ。それから当院は障害者の方の診療も行っているので、障害のある患者さんも来院されます。障害者歯科は私が歯科医師免許を取得してから注目されてきた分野で、当初は小児歯科が障害のある方を診療していました。その流れもあって、私も障害のある方を診察できる歯科医院をめざそうと思ったんです。

昔と今で、患者さんの主訴は変わったと感じますか?

井上浩一郎院長 いのうえ小児歯科2

歯科疾患の予防目的の患者さんも増えて、私は治療と予防に二極化しているように感じています。大きな虫歯のある患者さんは、都会に比べたらまだまだ多い印象です。当院だと、虫歯や歯の痛みで来院される方は全体の6~7割でしょうか。その一方で、予防のために歯科医院を受診される方も増えています。昔との大きな違いはそこですね。悪くなったら歯科医院へ、ではなく、定期的に受診して予防に努める方も増えたように思います。この子は大人になっても虫歯とは無縁だろうな、と思える患者さんも少なくないです。

オールマイティーに学ぶため、小児歯科を選んだ

小児歯科専門の歯科医師をめざした理由をお聞かせください。

井上浩一郎院長 いのうえ小児歯科3

昔からプラモデル作りや絵を描くことなど、細かい作業が好きでした。手先が器用だったんでしょうね。大人と比べて子どもの口は小さいですから、手先が器用であるというのは大きく生かせていると思います。小児歯科を学ぼうと思った理由は、歯科のことを偏りなく知りたかったからです。成人歯科では虫歯、歯周病や詰め物など、それぞれ専門の知識と技術を学びますが、小児歯科はすべての内容を学ぶんです。オールマイティーに知識と技術を学びたかったので、小児歯科を選びました。自分が選んだ道なので後悔はありませんが、実際に患者さんと接して、小児歯科は大変だと改めて感じましたね。大人の患者さんは治療に協力してくれますが、子どもはそうはいかないことが多くて。嫌なことは嫌だと、泣いたり暴れたりすることではっきり主張します。今でも戸惑うことが多いのですが、ゆっくり落ち着くまで待って治療にあたることにしています。

診察するときに心がけていることはありますか?

当たり前のことを当たり前に行うことです。私自身、歯科治療にあまりいい記憶がないんですよ。子どもの頃に歯科治療を受けた病院がとにかく我慢をさせるところで、痛くても我慢、つらくても我慢。そんな記憶が私にあるので、私が診察する患者さんにはそんな思いをしてほしくないんです。歯科医師である私が言うのも変な話ですが、そもそも歯科医院っていうのは積極的に行きたい場所ではないと思うんですよね。だからこそ、患者さんの気持ちに寄り添う診察をしていきたいと思っています。これは子どもの患者さんだけでなく、障害のある方や大人の方に対しても同様です。患者さんが我慢したり嫌な気持ちにならないような接し方を意識しています。年齢で考えるのではなく、患者さんの個性で考えることも大切にしていますね。

印象深い患者さんのエピソードを教えてください。

井上浩一郎院長 いのうえ小児歯科4

低ホスファターゼ症という先天性疾患があります。小児歯科の教科書には載っている指定難病ですが、実際その病気の患者さんと接したことのある歯科医師は少ないと思います。この病気は骨が弱くなる病気です。そのため、まだ乳歯が抜けるはずのない時期に歯が抜けることがあり、この病気の大きな特徴にも挙げられます。私が初めてその患者さんの診察をしたとき、転んで歯が抜けたのだと思っていました。しかし実は低ホスファターゼ症が原因で、私が診察した随分後に診断が下りたんです。今思えば、もっと話を聞き出すべきでした。歯が抜けた状況を詳しく聞けば、低ホスファターゼ症だともっと早く気づけた可能性もあります。このことをきっかけに、私は低ホスファターゼ症に関する情報を全国へ広める活動に協力しています。珍しい病気なので情報が少ないんです。今は研究発表や、歯科医師の立場から小児科医や関係者に情報提供をしています。

スポーツを楽しむ子どもも支えたい

先生はスポーツ歯科医学にも精通していらっしゃるとか。

井上浩一郎院長 いのうえ小児歯科5

はい。学ぼうと思ったきっかけはいろいろあるのですが、家族がスポーツ関係の仕事をしていて、私もその手伝いを時々していました。それで力になれればいいなと思って猛勉強をしたんです。今はスポーツイベントに歯科医師として参加したり、スポーツクラブのお手伝いをしています。また、子どもたちが体育や部活動などのスポーツ時に歯をなくさないようにするため、マウスガードの普及活動も行っています。

小児歯科に関わってこられて改めて思うことはありますか?

小児歯科に関わってきて良かったのは、やはりいろいろな知識が得られるというところですね。小児歯科にはオールマイティーな知識と技術が必要なので、一般歯科にも生かせていると思います。ただ、診断はできても私では難しい治療技術もあるので、そこは他の病院と密に連携を取るようにしています。それから、これはまだなかなか実現できていないのですが、お子さんの未来を考えた治療をしていきたいです。現状の治療だけでなく、成長に合わせた噛み合わせ治療や矯正といった、次のステップを考えた治療ですね。将来、永久歯になったときに、良い口腔環境をつくってあげたいと思っています。この考え方は小児歯科ならではですね。今後はこの部分をもっと強化していきたいです。

読者へのメッセージをお願いします。

井上浩一郎院長 いのうえ小児歯科6

当院は小児歯科ですが、小児の患者さんが大人になっても通えるように、一般歯科も診察できるようにしました。同じところだと通いやすいと思いますし、安心感もあると思うんです。何か困ったことがあったり、疑問があったりしたら遠慮なくぶつけてください。私も完璧ではないので、患者さんと一緒に考えて、一緒に勉強していきたいと思っています。私がやれることには全力を注がせていただきますし、私ができないことはできる歯科医師につなげます。そのためにも歯科医師間のネットワークを密にする取り組みにも力を入れています。

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