生活習慣から見直していく
むし歯予防で歯の寿命の延伸をめざす
昭和歯科・矯正歯科
(福岡市西区/九大学研都市駅)
最終更新日:2021/10/12
- 自由診療
歯の健康寿命を延ばすために、むし歯をしっかりと治療することはもちろん必要だが、それ以上にむし歯になりにくい口腔環境をつくり、むし歯を二度と繰り返さないことも非常に重要だ。歯磨きによる予防が一般的な中、口腔内のリスク評価に基づき、シュガーコントロールやフッ素洗口などを行い、生活習慣の改善を図る予防プログラムが注目されている。そこで今回は、マイクロスコープを使ったダイレクトボンディングなど精密治療のかたわら、患者のむし歯リスクに応じた予防プログラムを推奨している「昭和歯科医院」の木南意澄院長をインタビュー。むし歯治療において重視しているポイントをはじめ、予防プログラムで行う検査や内容などについて詳しく聞いた。
(取材日2020年12月21日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Qむし歯治療において大切にしていることをお聞かせください。
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A
「むし歯のなり方」に注意深く観察しています。年齢、むし歯のできる部位、前回歯医者に行った時期などに食生活や口腔清掃の仕方を総合して、その人がこの先、「どれくらいむし歯で困りそうか」を診断します。むし歯を治療しても、次のむし歯をできにくくすることはできません。大切なのは一生涯でどれだけむし歯で失う歯質を少なくするかです。若いときは「むし歯になったら治療すればいい」と考えがちですが、むし歯は何度も治療することができず、近い将来、抜歯に至ります。抜歯までの期間をできるだけ延長するためにマイクロスコープを用いた精密むし歯治療とむし歯予防プログラムの両方が大切です。
- Qむし歯予防プログラムはどんな人にお勧めですか?
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A
むし歯を経験したすべての人が対象ですが、特に30歳以下の若い方に有効と考えています。むし歯になりやすい人の多くは「むし歯は避けられない仕方がないもの」と思っています。しかし、それは違い、むし歯の予防は科学されています。また、歯磨きだけで予防できるものでもありません。できるだけ若く、健康な歯が多いうちに正しい知識を得て、生活習慣を確立してもらい、将来むし歯で困らない環境を獲得してほしいです。当院は場所柄、九大生が多く来院されます。大学在学中にむし歯予防のノウハウを学んで健康な生活を伴った社会人になることを先輩として切に願っています。
- Qそのために予防プログラムを実施しているそうですね。
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A
現代の歯科医学においてのむし歯予防では、歯磨きだけではなく、フッ素とシュガーコントロールが重視されています。甘いものや炭水化物を摂取すると、口腔内が酸性に傾いて歯が溶けやすくなってむし歯の原因の一つとなるのです。そのため、フッ素を継続的に取り入れて歯のエナメル質の酸に対する抵抗力の向上を促し、また断続的に食べたり飲んだりしないなどの生活習慣を身につけることによって、むし歯を予防するプログラムを推奨しています。まずは口腔内のむし歯リスクを評価し、そのリスクに応じた取り組みを無理のない範囲で実施。むし歯になりにくい口腔環境を整えていくことが、非常に大切な予防方法なのです。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1主訴と合わせて詳しくむし歯の状態をチェック
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むし歯や親知らずの抜歯など主訴と合わせて、むし歯のチェックを実施。すべての歯間に光を当てて詳しくむし歯を調べ、1箇所でもむし歯があった場合には予防プログラムを紹介して意思を確認。プログラムの受診を希望すれば生活習慣に関するアンケートを渡されるので、3日間の食生活などを記入する。
- 2リスク評価や食習慣をもとに予防プログラムを説明
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2回目の来院時には、むし歯のリスク検査を行う。来院の1時間前までに食事や歯磨きを終えた状態で、歯の表面の汚れや唾液を採取し口腔内の細菌量などを検査して数値化。4段階のリスク評価を踏まえてフッ素洗口、シュガーコントロールなどのプログラムを説明。アンケート結果をもとに食習慣の改善方法について解説がある。
- 3歯磨き指導とともにさらに詳しい検査を実施
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3回目の来院時にはプログラムの実施状況を確認した上で、歯科衛生士による歯磨き指導を実施。また歯周病の検査やエックス線検査を行うほか、歯型を採るなどさらに詳しい検査によって治療が必要な箇所を総合的にチェックする。
- 4むし歯だけではなく矯正など包括的な治療計画を作成
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各種検査結果をもとに、主訴などの治療方針について説明。むし歯だけではなく、噛み合わせに問題がある場合には、歯列矯正などを視野に入れた包括的な治療計画を作成する。初診時に痛みが強い場合など、緊急性が高い際には予防プログラム実施前に治療を行うこともある。
- 5精密な治療と予防プログラムで口腔環境を整える
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患者の同意のもと、主訴など実際の治療をスタート。むし歯治療に関しては、マイクロスコープを活用し、レジンを使ったダイレクトボンディングによる修復治療を行う。その後3ヵ月に1度は予防プログラムの実施状況を確認し、1年ごとにリスクの再評価を行いながらプログラムを見直して、口腔環境を整えていく。
自由診療費用の目安
自由診療とはむし歯リスク検査/2000円、矯正/69万円~(全顎)
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。