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森 直樹 院長の独自取材記事

学園前歯科

(奈良市/学園前駅)

最終更新日:2023/02/16

森直樹院長 学園前歯科 main

学園前駅から徒歩3分。ビルの1階入り口に大きなグリーンの看板を掲げる「学園前歯科」は、エレベーターで4階へと上がったところにある。ここは森直樹院長が1987年に始めたクリニックだ。そのコンセプトは一生自分の歯で食事を楽しみ、健康を維持すること。開業から35年、地域の歯科医療を支えるべくスタッフ一同取り組んできた。「そのためにも常にアンテナを張り、目まぐるしく進歩する技術や知識に取り残されないよう、日々精進しています」と森先生。また歯を長持ちさせるには、治療だけでなくその後のメンテナンスも重要だと力説する。終始穏やかな口調で笑顔を絶やさない森先生に、歯科医師をめざした理由や診療でのこだわり、アフターケアの大切さなどについて語ってもらった。

(取材日2022年11月29日)

患者にとってベストな治療方針を考え改善をめざす

なぜこの地で開業されたのですか?

森直樹院長 学園前歯科1

ここはもともと父が所有していた土地です。駅も近く、リサーチをしたら地域のデンタルIQも高いようでしたのでこちらに決めました。新興住宅地ではないものの、団地や民家も点在しておりますし、今でこそ周囲に歯科医院が増えましたが、開業当時は少なかったんですよ。患者さんも大勢おみえになり、遅い時間まで診察していたことを覚えています。私が歯科医師になったのは、身内に医療従事者がいたというわけではなく、工作機械の仕事をしていた父から「何か手に職をつけたらいいよ」というアドバイスがあったからです。現在は3人の子どもたちもそれぞれ医療の道へ進み、長男と次女は医師に、歯科医師になった長女は当院に勤務してくれています。それはやはり心強いですね。

どんな患者さんが訪れますか? また診療で心がけていることを教えてください。

大人が多く40代、50代を中心に、上は90代の患者様にもお越しいただいています。主訴は虫歯のほか、近年では歯を長持ちさせたいという理由で来られる人もいて、皆さんメンテナンスに力を入れていらっしゃる印象です。診療ではまずお話を伺い、その方が求めていることを優先するようにしています。しかしすべての要望を受け入れるということではなく、こちらもプロとして譲れないところもありますので、そこはきちんとご説明させていただきます。いずれにせよ、めざす方向は同じです。患者さんにとって、何がベストなのかというところを一緒に考え、治療方針を決めています。またやみくもに自費治療はお勧めせず、できるだけ保険の範囲内で可能な治療をご提案するようにしています。

今も意欲的に勉強されているそうですね。

森直樹院長 学園前歯科2

ひと昔前とは違い、デジタル化社会の現代は、CAD/CAMシステムや歯科用CTといった医療機器も日進月歩で進んでいます。そこで私も取り残されないよう努力しています。幸いなことに、大学の後輩や恩師の先生からのご紹介で、以前から歯科医師になりたての若手たちが当院へ勉強に来られることがありました。皆さんその後独立して地元で開業されていますが、彼らと接していると本当にいい刺激になります。それは歯科医療の技術や知識が、私が卒業した頃とは随分変わってきているためです。そういう意味でも、私にとって若い歯科医師たちは、弟子というより一緒に学ぶ仲間であり同志という感じです。この年齢になってもなお、仕事の傍ら日々勉強が必要だと痛感できるのは、ありがたいことですね。

歯と歯茎の健康は全身に関わる重要なこと

治療だけでなくメンテナンスの重要性も訴えておられます。

森直樹院長 学園前歯科3

国民皆歯科健診といわれるように、日常生活においてきちんと口腔ケアを行っていくことは今や必須です。定期的な検診を続けていくことで、お口の中は常にいい状態が保てると望めます。実はしっかり歯を治療しアフターケアができていれば、万が一入院することになってもより少ない日数で済むといわれています。口腔内がボロボロだったり、ちゃんと噛むことができなかったりするより、例えば入れ歯やブリッジであったとしても入院食をよく噛んで食べたり飲んだりできること、そしてお口の中をきれいに保つことで誤嚥性肺炎も少なくなるといわれています。そうした取り組みは、医療費の削減にもつながりますから、私も大いに賛同しているところです。

先生が得意とされていることを教えてください。

大学卒業後、細菌学教室でミュータンス菌の研究に取り組んでいました。恩師の退官に伴い、大阪歯科大学に転籍しそこで学位を取得しました。現在は口腔ケアを通じ、そうした知識を患者さんへ還元できていると思っています。菌は皆さん自覚がないといいますか、あまり身近ではありませんよね。ですので患者さんが希望をされれば、ご自身の口内にいる菌をモニターで実際にご覧いただいています。それが動機づけになれば説得力もありますし、口腔ケアに一層励んでいただけるのではないでしょうか。当院が掲げる思いは、健康のためにも一生ご自分の歯で食事をしていただけるようサポートすること。ですから治療はもちろん、歯と歯茎に関する予防にも注力しています。

その他、唾液検査なども実施されています。

森直樹院長 学園前歯科4

唾液検査では見た目だけではわからない、お口の健康状態を知ることができますので、その結果を活用してセルフケアのご提案をしております。日常生活でご自身にマッチしたお手入れをしていただければ、より効果が期待できます。また当院では口腔がん検診も行っております。その流れは、問診の内容と口腔内の画像を東京歯科大学の口腔外科に送り、専門の先生方に診断をいただくというものです。県内でもまだ実施している機関が少ないので、今後もっと広がればいいですね。さらに申しますと、そうした検査が健康を見直すきっかけになれば幸いです。お口というのは、食べたものを胃や腸へ届ける大切な入り口です。口内を発端に腸内感染もあるといわれていますので、やはりここでも私が学んできたことが生かされているなと感じています。

口腔ケアは早めの対策と定期検診が要に

先生は奈良市歯科医師会の会長をされていらっしゃいますね。

森直樹院長 学園前歯科5

おかげで薬剤師や栄養士、介護認定士、ケアマネジャーなど、他職種の人と接する機会が増えました。皆さん医療に関わる方たちなので、私自身毎日の診療だけでは得られない貴重な体験をさせていただいています。実際に感心することも多々あります。また最近、ある糖尿病内科の先生の講演を聞く機会がありました。医師でありながら歯科のことも勉強されているのですが、先生によると糖尿病は発症するまでさまざまなプロセスがあるものの、往々にして歯が悪い人が罹患しやすいそうです。大切なのは咀嚼です。食べ物をよく噛まないと、唾液が混ざらず活性酵素を取り込めないため、糖尿病を誘発してしまう原因になると。だから早食いは駄目なのですね、噛まずに飲み込んでいるのと同じですから。そんなお話を通じ、お口は健康の源であると私も改めて確信しました。

ところで、健康のためにされていることはありますか?

学生時代からスポーツが好きで、中学校と高校では陸上部で長距離を走っていました。大学生になってからはスキー部です。九州は雪が少なく、普段の練習は基礎トレーニングばかりでしたが、冬休みや春休みには新潟などへ遠征に出かけていました。その後大学を出て20代後半からは、もっぱらゴルフです。最近はあまり出かけていませんが、今も楽しく続けていますよ。あとは健康のために、普段からなるべく歩くことを心がけています。本当は、朝晩ウォーキングで出勤というのが理想なのですが、どうしても診療後は疲れてしまい車が楽なんですよね。子どもたちからもいわれていますので、これからは時間をつくって健康診断を受けるなど、もう少し自分の健康にも気を使いたいと思っています。

最後にメッセージをお願いします。

森直樹院長 学園前歯科6

歯は治療して終わりではなく、その後のアフターケアやメンテナンスも同じくらい大切だと考えています。どこの歯科医院でも結構ですのでかかりつけ医を持ち、期間も半年をめどに定期的に通うことを心がけてください。私たち歯科医師も手品師ではないので、悪くなってからお越しいただいても手に負えない場合があります。症状や程度にもよりますが、治療も1回や2回で簡単に終わるものではありません。どこかに不具合を感じたら、すぐにお越しください。受診が早ければ早いほど、重症化せずに済みますよ。またお口の健康は、歯だけでなく歯を支える歯茎や顎の骨も丈夫でなければいけません。当院はその点も重視しておりますので、気になることがありましたらお気軽にご相談ください。

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