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循環器の専門家による高血圧症診療
めざすは地域の健康寿命延伸

きただい医院

(木田郡三木町/白山駅)

最終更新日:2024/01/26

きただい医院 循環器の専門家による高血圧症診療 めざすは地域の健康寿命延伸 きただい医院 循環器の専門家による高血圧症診療 めざすは地域の健康寿命延伸
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日本における有病率は2人に1人とも推測される高血圧症。症状がほぼ認められないにもかかわらず、放置すれば脳卒中や心臓病、腎不全などを併発し、死に至らしめるケースもあることから「沈黙の殺人者」「サイレント・キラー」と称される国民病の一つだ。地域のかかりつけ医として、地域住⺠の健康寿命延伸に奮闘する「きただい医院」の友兼毅院長は、今あらためてこの病と向き合う日々を過ごしている。高血圧症の治療は生活習慣の改善や薬物療法が中心になるが、最も大切なのは「治療を継続すること」。そのためのサポート役として、かかりつけ医が存在している。日本循環器学会循環器専門医ならではの視点から、より高度で適切な診療を心がける友兼院長に、高血圧症が引き起こす合併症や受診後の検査・治療、日頃から実践できる予防対策などを聞いた。

(取材日2023年12月13日)

重篤な合併症を防ぐためにも、摂取塩分量の調整と家庭血圧の測定を

Q血圧が高くなる仕組みを教えてください。
A
きただい医院 高血圧症のメカニズムを説明する友兼院長

▲高血圧症のメカニズムを説明する友兼院長

加齢や遺伝的要因のほか、過剰な塩分摂取や過度の飲酒、喫煙といった生活習慣によって血管が硬くなったり、細くなったりすると、心臓から送られてくる血液を血管が受け止めきれず、血圧が上昇します。心臓が収縮し、全身に血液を送り出す際の「収縮期血圧(最高血圧)」が140mmHg以上、全身から血液が戻り、心臓が拡張した際の「拡張期血圧(最低血圧)」が90mmHg以上を記録すれば「高血圧症」です。ただし、これは診察室の場合。ご家庭で血圧を測定する場合は、どちらも5mmHgずつ低い数値が基準となります。診察室よりも安定した状態で測定する家庭血圧は治療の指標とされ、家庭血圧が高ければ、薬剤を調整する形になります。

Q高血圧症の自覚症状はありますか?
A
きただい医院 症状が出る前に治療を開始したい

▲症状が出る前に治療を開始したい

高血圧症で、自覚症状が出ることはほぼありません。頭痛やめまい、動悸・息切れ、胸の痛み、足のむくみといった症状があれば、すでに合併症を引き起こしている可能性が高いため、症状が出る前に病気を発見し、治療を始めることが大切です。高血圧状態が続くことで動脈硬化が進行し、脳や心臓や腎臓などに障害が起こります。中でも命の危険性が高いのは、脳血管障害つまり脳卒中と、心臓病です。脳の血管が詰まれば脳梗塞、脳の血管が破れれば脳出血を発症し、認知症のリスクも高まるでしょう。また心臓に影響が及んだ場合は、心臓表面を覆う血管が詰まり心筋が壊死する心筋梗塞、血管が細くなり、心筋が酸素不足となる狭心症などを併発します。

Q腎臓の機能障害も大きな問題になるそうですね。
A
きただい医院 腎不全が進行すれば、透析療法が必要になる可能性も

▲腎不全が進行すれば、透析療法が必要になる可能性も

脳や心臓の合併症も恐ろしいものですが、特に問題とされるのが腎臓の機能障害です。腎不全と呼ばれる状態になると、血液中の余分な塩分や水分を尿として排出することができなくなり、やがては末期腎不全と診断されて、人工的に血液を濾過する透析療法や、腎臓の移植手術が求められます。日本では成人の8人に1人が慢性腎不全といわれており、毎年数万人の人が透析療法へと移行している状況です。その大きな要因として、糖尿病や高血圧症といった生活習慣病の存在があります。腎不全が高血圧症の重症化を促すという悪循環も報告されていますので、日頃から継続的に血圧をコントロールし、正常な腎機能を維持できるよう努めていただきたいです。

Q高血圧症の検査や治療は、どのように行うのでしょう?
A
きただい医院 血液・尿検査に加え、心電図検査や心エコー検査などを実施

▲血液・尿検査に加え、心電図検査や心エコー検査などを実施

当院では基本の聴診と診察室血圧の測定を経て、血液検査や尿検査を実施します。高血圧症と密接に関与する糖尿病や高脂血症、腎障害の有無、また摂取塩分量などを調べるためです。さらに看護師の栄養指導を受けた上で、概ね2週間ほど家庭血圧を測定していただき、診断の材料とします。血圧計が旧式の場合は、当院での動作確認も可能です。基準値よりも大幅に高い数値や合併症が認められれば、年齢や状態に応じた薬物療法を開始します。薬剤の決定前には、心電図検査や心エコー検査、胸部エックス線検査、ホルモン異常の可能性を考慮したホルモン検査も実施します。治療は何よりも継続が肝心ですので、処方の際は丁寧な説明も欠かしません。

Q日頃からできる予防策があれば教えてください。
A
きただい医院 食事の塩分量を意識し、家庭血圧を測定

▲食事の塩分量を意識し、家庭血圧を測定

1日の摂取塩分量は、6g未満を目安としましょう。6g未満にすることで、血圧は5〜10mmHg下がるといわれています。たとえ血圧が正常な数値であっても、摂取塩分量が多い日本人は6g未満の維持が理想です。香川名物のうどんは、1杯で約5gの塩分を摂取してしまいますので、だしをすべて飲まないこと。それから、お酒好きな人は飲酒量の制限を、タバコを吸う人は禁煙を、肥満傾向の人は減量を心がけてください。適度な有酸素運動も、降圧には有用です。そして、起床後1時間以内の排尿後・朝食前と、就寝前には1回ずつ、家庭血圧を測定しましょう。測定した血圧はできるだけ記録し、高血圧症の早期発見・早期治療に役立ててください。

ドクターからのメッセージ

友兼 毅院長

高血圧症には、原因が特定されない「本態性高血圧症」と、特定の原因によって二次的に発症する「二次性高血圧症」の2種類が存在します。二次性高血圧症は全体の1割にすぎないため、必要な検査が行われないケースも多いのですが、当院では患者さんのさまざまな負担を考慮しながら、必要に応じた検査を実施することで適切な診断と治療ができるよう努力しています。これからも日本循環器学会循環器専門医としての知見を生かし、地域の皆さんが健康に長生きできるよう、力を尽くしてまいりますので、健康診断で高血圧症と診断された方や、家庭血圧が高い方はお気軽にご来院ください。スタッフ一同、温かく丁寧に継続的な治療をサポートいたします。

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