全国のドクター9,299人の想いを取材
クリニック・病院 158,579件の情報を掲載(2024年6月11日現在)

  1. TOP
  2. 熊本県
  3. 熊本市中央区
  4. 通町筋駅
  5. 医療法人アクティブエイジング研究所 小山内科クリニック
  6. 小山 研一 院長

小山 研一 院長の独自取材記事

小山内科クリニック

(熊本市中央区/通町筋駅)

最終更新日:2024/04/12

小山研一院長 小山内科クリニック main

熊本市の繁華街「通町筋」電停から徒歩4分、熊本ホテルキャッスル横のグランガーデン熊本ビルの2階に位置する「小山内科クリニック」。同ビル内にある介護付有料老人ホームの入居者を24時間体制で見守るだけでなく、外来の診療も行い地域の人々の健康を守るクリニックだ。院長を務めるのは、救命救急医療や糖尿病をはじめとする内科全般の診療経験を積んだベテランドクターの小山研一院長。「医療を通して地域の方々が安心して過ごせる環境をつくりたい」そう語る小山院長に、力を入れている生活習慣病治療や診療に対する思いを聞いた。

(取材日2024年2月2日)

地域の人々が楽しく人生を謳歌できるように

大学を卒業されてからのご経歴を教えてください。

小山研一院長 小山内科クリニック1

久留米大学医学部医学科を卒業後、久留米大学病院の高度救命救急センターにて第三次医療に携わっていました。交通事故などの緊急性を伴う重篤な患者さんの対応をする中で、とても大変な日々でしたが、医師として人命を助けるという使命を全うできる環境にとてもやりがいを感じていましたね。その後、同大学病院の糖尿病内科を中心に内科全般の診療を経験した後、医師としての視野を広げるために福岡県の総合病院、そしてまた久留米大学に戻り「肥満」の研究に没頭しました。これからはさらに糖尿病などの生活習慣病や肥満症の診療に力を入れていこうと心に決めた経験でしたね。研究後はご縁があり、長崎県の松岡病院にて糖尿病を中心に携わり、糖尿病に対する知識をさらに深めました。

開業の経緯を教えてください。

医師生活を通して、糖尿病や肥満症などの高齢者が抱えやすい疾患と向き合ってきました。その経験の中で「高齢の方が楽しく生きがいを持って暮らすことができる施設をつくりたい」と感じるようになったんです。この思いを形にするために地域の企業に話を持ちかけ、その企業が事業者として介護付有料老人ホームを開設。利用者の方が安心して生活できるよう当クリニックも同ビル内の2階に開業し、24時間体制で皆さんの健康を支えています。その他にも高齢者施設4施設、加えて入居者の方以外の外来も担当しているので、とても多忙な日々ではありますが、患者さんの笑顔を見ると「この仕事をやっていて本当に良かった」と感じますね。

来院される方はどのような方が多いですか?

小山研一院長 小山内科クリニック2

入居者の方はもちろんですが、外来の方も多く来院されますよ。午前は14時まで、午後は19時まで診察しているので、お昼休み中に来院される会社員の方や、お仕事帰りの方も来院されます。当クリニックは内科・循環器内科・糖尿病内科・内分泌内科の4つの科目を柱にしているので、本当にさまざまな症状を抱えた方が来院されますが、私自身の得意分野が糖尿病ということもあり、生活習慣病に悩まれている方が特に多いですね。

診療の際に気をつけていることはありますか?

小さな異変を見逃さず、患者さんが大事に至るリスクを回避することですね。そのため、小さな異変にも気づけるように聴診器は聞きたい音を聞きやすく調整可能なデジタルのものを使用しています。聴診の結果、何かおかしいと感じ総合病院に紹介したら大動脈瘤だったことがわかったり、なんとなく体調が悪いという患者さんに心電図検査を行ったところ心筋梗塞だったり、定期検診の際にごくわずかな異変から早期肺がんが見つかったり、というケースはあり得ますから、日々の診察や検査でも、小さな異変を見逃さないよう入念に行うことを心がけています。そのように早期の状態で手術などにつなげることができた時に、医師になって良かったなと感じます。

コミュニケーションを大切に

先生の診療スタンスについて伺います。

小山研一院長 小山内科クリニック3

地域の方々が少しでも楽しく・健康に生活できるように、医療を通して安心をお届けしたいという気持ちで、日々の診療を行っています。患者さんご本人が主訴に関係ないと思っている症状にも大病が隠れている可能性があるので、コミュニケーションを通して察知し、より良い治療を行えるように心がけています。私自身、糖尿病などの生活習慣病の診療を特に得意としているので、お話の中で原因となる生活習慣を探るようにしていますね。例えば「お酒を飲みすぎていないか」「食事の栄養バランスは取れているか」「適度な運動はしているのか」。このような情報って、患者さんにとっては日々の日常の中に溶け込んでいて、何が問題なのか自分自身ではわからないことが多いんです。なので、お話をしっかり聞いた上で医師の観点からアドバイスをし、生活習慣の改善を促すようにしています。

糖尿病の診療ではどのようなことを行うのでしょうか。

先ほども少しご紹介したとおり、患者さんとコミュニケーションをしっかり取って、まずは何が原因なのかを見極めます。よく、生活習慣をよく見せようと飲酒量や運動量をごまかす方がいらっしゃいますが、私も長年生活習慣病の診療を行っているのでうそだとバレています(笑)。なので正直に答えてくださいね。そしてお話で得た情報をもとに、本当に小さな生活習慣の改善から始めます。例えばケーキを食べることが好きな方は、毎日1つ食べているところを2日で1つにしてもらうなど「完全になくすのではなく減らす」ことを生活に取り入れてもらうんです。そうして少しずつ生活習慣を改善し、必要に応じて薬も取り入れ、健康な体をめざしていきます。

先生がそもそも糖尿病を専門にされた理由は何だったのでしょう。

小山研一院長 小山内科クリニック4

大学時代に実習で担当した患者さんがきっかけでした。私が大学にいた頃は、まだ余命宣告というものをしなかったんですよ。その方も白血病を患っていて、余命があと数ヵ月だったのにもかかわらず、伝えることができませんでした。「先生、大丈夫なの? 先生のこと信じているからね」と聞く患者さんに対して「大丈夫だよ」と答えることしかできず、本当につらくてたまらなかったんです。そこで、こんなふうに病気で苦しむ患者さんを減らすために、まずは私たちにとって身近な病気である生活習慣病を予防しなければいけないと痛感し、糖尿病を専門にしました。

高齢者により豊かな人生を歩んでほしい

休日はどのようにして過ごしていますか?

小山研一院長 小山内科クリニック5

昔から多趣味で、学生時代は剣道や弓道、ブラスバンドやコーラス、英語でのディベーティングまでさまざまなことを経験してきました。以前はお酒を飲むことも大好きだったのですが、24時間体制を導入しているのでもうずっと飲んでいないんです。高齢者施設を複数受け持つことになってから、断酒して20年ほどになります。患者さんの命が第一ですし、すぐ駆けつけることができるように、これだけはずっと守り続けていますね。

医師を志したきっかけを教えてください。

父も医師ですし、医師家系だったので幼い頃から漠然と医師に対する憧れはありました。そんな中「医師になろう」と心に決めたのは、幼少期から小児喘息を患っていたことが大きく影響しています。学校にも思うように通学できないほど重度の喘息で、高校生の時にはさらに喘息が悪化してしまいました。そんな中、一度自宅で症状が悪化した時、近くのお医者さんがかけつけてくださいました。そのおかげで、私は今ここで医師生活を送ることができていると思っています。医師をめざそうと心に決めた大きなきっかけですし、今でも感謝の気持ちでいっぱいです。

最後に、これからの展望を教えてください。

小山研一院長 小山内科クリニック6

患者さんがこれからも楽しく健康に生きていくことができるように、これかも医療を通してそのお手伝いをしていきたいです。その一環として、将来的にご高齢の方のコミュニティーをつくりたいと思っています。子どもが独立したりと、さまざまな理由で孤独を感じる機会が多いので、横のつながりをつくり、より豊かな人生を歩んでいただきたいんです。また、今話題のeスポーツ競技の中には、認知症予防やリハビリテーションのために開発された高齢者向けのものもあるので、そのような新しい手法も、ある企業を通じて応援させていただいております。今はまだ少ないかもしれませんが、熊本から発信し、その輪を全国に広げ、高齢の方々にその幸せの連鎖がつながっていったらいいなと思っています。先進の技術も使いながら、皆さんがもっと人生を謳歌できるように、これからも活動していきたいですね。

Access