小児期から重要な予防歯科
生涯歯を守るために乳歯もチェック
おの歯科医院
(岡崎市/岡崎駅)
最終更新日:2021/10/12
- 保険診療
虫歯や歯周病になったら歯科医院に行き、歯を削ったり抜いたりしていた昔と違い、現在では歯を守るため、痛くない状態で歯科医院に通ってケアを受ける「予防」の考えが広まってきた。「おの歯科医院」では予防歯科専用の個室を設け、患者に気兼ねなくゆったりした気持ちで過ごしてもらえるように配慮。小野幹宏院長は「自分の歯はかけがえのないもの。失う前に、健康な歯の大切さに気づいてほしい」と呼びかける。予防を担当するのは歯科衛生士で、子どもから高齢者まで患者に合わせたやり方で無理なくケアを進めていく。日本人の多くが罹患しているという歯周病のことから予防、メンテナンスのことまで、小野院長に詳しく教えてもらった。
(取材日2021年7月13日)
目次
永久歯の虫歯や歯周病のリスクを避けるためにも乳歯の頃からの予防が重要
- Qそもそも歯周病とはどのような病気ですか?
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A
歯周病とは、歯に歯垢がたまり、その中の細菌によって歯茎に炎症が起こり、ひいては歯を支える骨が溶けていくという病気です。初期の頃は自覚症状がなく、「歯茎が赤い」「出血する」「歯がぐらぐらする」などの状況によって気づいた時にはかなり進行している場合はほとんどです。その状態で受診されても抜歯が必要になることもあり、もっと早く来てくれれば歯を守れたかもしれないのに……と悲しい気持ちになりますね。自分の患者さんにこのような体験はしてほしくないと思っており、当院では、初めて来院される方には歯周病の検査やエックス線検査を行い、その方の歯周病の度合いを説明しています。
- Qなぜ予防が重要なのでしょうか?
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A
予防とは、定期的に受診して現状を確認しケアを受けることで、口内環境を良い状態に整え、虫歯の早期発見や歯周病の進行を抑制することに役立ちます。歯は一度削ったり抜いたりしたら、もう元には戻りません。どんなに優れた治療をしても人工の詰め物、かぶせ物は残念ながら天然の歯にはかなわないのです。一生持つわけではなく、メンテナンスが重要ですし、経年変化で取り替えが必要になることも。ですから、大切なご自身の歯が悪くなる前に、虫歯や歯周病の原因を取り除くためのプロによるクリーニングがとても重要になるのです。予防はいわば、ほかには代えられない、ご自身の歯という「財産」を守ることです。
- Q予防に取り組むタイミングはありますか?
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A
歯垢がたまるだけでは虫歯や歯周病になりません。その中の細菌が毒素を出すから問題なのです。生まれたばかりの赤ちゃんの口の中は無菌ですが、では細菌はどこから来るかというと、親御さんの口から来るのです。おうちでは親子で同じスプーンを使ったりすることもありますね。ですからまず親御さんのお口をきれいにしてできるだけ菌を少なくすることが大切なのです。妊婦健診、産婦健診は必ず受け、赤ちゃんは歯が生え始める生後6ヵ月前後に歯科医院で診てもらうことがお勧めです。岡崎市にはパートナーの方を対象とした歯科検診もあります。ご家族そろって予防に取り組むことが赤ちゃんのために最も良い方法だと思います。
- Qこちらのクリニックの予防歯科の特徴は?
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A
まず虫歯の有無や歯茎など口内全体の状態をチェックし、歯石の除去や必要に応じてバイオフィルムの除去という専用の機器を用いたプロフェッショナル・クリーニングを行い、フッ素塗布をして仕上げをします。特徴としては、予防歯科専用の個室があること、また、子ども好きのスタッフがそろっており、お子さんに対しては特に優しく丁寧に、根気強く歯磨き指導を行うことです。お子さんが歯科医院に怖いイメージを持たないように、楽しく通ってくれるように取り組んでいます。乳歯は永久歯に比べて弱く虫歯にもなりやすいもの。丈夫な永久歯が生えてくるようにするためにも乳歯の頃から予防を始めることは大事なことです。
- Q歯科衛生士を含めスタッフの方について教えてください。
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A
予防歯科は現在、5人の歯科衛生士が担当しており、お子さんから高齢の方までお一人お一人に合わせたケアを行っています。日々、知識と技術の向上に励んでおり、そろってセミナーや勉強会に参加するなど仲も良く、勉強熱心ですね。私が患者さんとの会話を重視しているので、スタッフも患者さんとは和やかにコミュニケーションを取ってくれています。初診時のカウンセリングも任せており、来院理由や「これまで嫌な思いをされたことはありますか」ということなどをお尋ねしています。来院してすぐ治療に入るのではなく、スタッフがやわらかい物腰でお話を伺うことにより、患者さんにもリラックスしていただけるのではないかと思います。