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杉田 正興 院長の独自取材記事

すぎたこどもクリニック

(朝霞市/朝霞駅)

最終更新日:2023/11/24

杉田正興院長 すぎたこどもクリニック main

東武東上線の朝霞駅から徒歩2分、医療施設専門ビル内3階にある「すぎたこどもクリニック」。かわいらしいキャラクターたちが院内あちらこちらに飾られた楽しい雰囲気の小児科クリニックだ。院長の杉田正興先生は、穏やかで丁寧な語り口が印象的な小児科のエキスパート。勤務医時代は集中治療室などで重篤な症状の子どもたちを診てきたが、現在は地域のホームドクターとして幅広く対応している。開院して11年たった今でも、「常に先端の医療技術や知見を身につけ、患者さんにフィードバックしていきたい」と、休日返上で研究会や勉強会などに通う杉田院長。優しくも熱い想いを持つ杉田院長に、同院の特徴を語ってもらった。

(取材日2019年8月28日)

患者とその家族の気持ちや環境にまで配慮した医療を

開院11年とのことですが、この地に開院された理由と、開院前後で感じた違いなどを教えてください。

杉田正興院長 すぎたこどもクリニック1

出身の日本大学医学部が東武東上線沿線にありますし、開院前まで医長を務めていた豊島病院の患者さんもこのエリアに多かったものですから、ここへ決めました。開院前は、未熟児や新生児の集中治療室「NICU」で重篤のお子さんの命を救う仕事でしたが、開院後は、患者さんや親御さんお一人お一人と向き合って診療していくという地域密着型の仕事になりました。今は患者さんの生活により近い場所で、患者さんとご家族がどのように健康的に過ごせるかを考えながら診療しています。

どのくらいの年齢のお子さんの、どのような症状が多いですか?

小児全般ですが、新生児や乳幼児の患者さんが特に多いです。症例としては風邪や気道感染症、胃腸炎などの急性疾患と、喘息やアトピー性皮膚炎、食物アレルギーなどのアレルギー疾患、乳児湿疹といったところが多いと感じます。アトピー性皮膚炎は、最近は早期にスキンケアを施すことの重要性が指摘されていますから、積極的に早い段階からのスキンケアをお勧めしています。ほとんどがそういった一般的に見られる疾患ですが、時々重篤な症状の患者さんも来院されます。その際は連携する病院などをご紹介しています。

確かにアレルギーのお子さんが増えていると聞きますね。

杉田正興院長 すぎたこどもクリニック2

そうですね。アトピー性皮膚炎も多いですし、卵や牛乳などの食物アレルギーの患者さんも多く来院されます。対処法が昔とはだいぶ変わってきていて、以前は、例えば食物アレルギーなら、アレルギーの原因となる食べ物を食べさせないというアプローチが一般的でしたが、今は違います。まったく食べさせないのではなく、食べられる範囲を見極めながら食事指導を行うという流れになりつつあるのです。最近は多くの小児科医師がそのような方針で対応しています。ただ、本当に重症の子に対する「食物アレルギー負荷試験」はリスクを伴うので、病院へお願いしています。

患者のためになるものは積極的に導入

予防接種もされているのですか?

杉田正興院長 すぎたこどもクリニック3

地域のホームドクターですから、もちろん多くの予防接種に対応しています。肺炎球菌やヒブワクチン、4種混合、水ぼうそう、ロタウィルスやおたふく風邪など、定期接種も任意接種も数多く実施しています。実はここ10年ほどで医療制度の充実とともに劇的に予防接種の本数も増加しているんです。任意のものも含めて1歳前に受けなければならないものがインフルエンザ以外でも数多くあります。スケジュールを立てなければいけないお母さんたちは大変だと思います。本数が多いので同時接種をお勧めしています。また定期接種だけでなく、任意接種でも難聴などの合併症のあるおたふく風邪などの予防接種もぜひ受けてほしいですね。

幅広く対応されていて患者さんも多いと思いますが、待ち時間対策はされていますか?

予約システムを導入しています。スマートフォンやパソコンなどから当院のホームページ上で予約していただき、順番が近づけばメールでお知らせするものです。順番が来るまで自宅などで待機していただけるので、喜んでいただいています。予約なしでも大丈夫ですが、予約を優先しておりますので、多少お待ちいただく場合があります。もちろん緊急性の高い患者さんについては、受付に申し出ていただければ、緊急性の度合いに応じて臨機応変に対応しています。

検査機器もいろいろありますね。

杉田正興院長 すぎたこどもクリニック4

エックス線を備えています。肺炎や異物誤飲などの診断で力を発揮しています。使用頻度は高くありませんが、導入した意義はあると考えてます。あとは呼吸機能を検査するスパイロメーターやポータブル呼気NO濃度測定器。気管支喘息の状態を正確に把握するために有用な検査機器です。ほかには、斜視や弱視は早い段階で治療をしたほうがいいのですが、正確な診断は難しい。そこで、スクリーニング検査を行うための機器を導入しています。

患者と家族が笑顔で食卓を囲む姿をイメージして

診療の際に気をつけられていることはありますか?

杉田正興院長 すぎたこどもクリニック5

意識して気をつけているというより、ずっと小児専門でやってきていますので、「優しく語りかける」ことは習慣になっていますね。あとは、相手が子どもさんですから、正確に症状が伝えられないということはよくあります。しかし症状が読み取れるサインのようなものがありますので、それを見逃さないようにしています。患者さんの病気にだけに着目するのではなく、ご家族のライフスタイルや環境、育児への不安といった情緒的な面も含めて、治療を考えていく必要があるなと考えています。とはいえ、親御さんお一人お一人のことまでしっかり把握していくというのは非常に難しいのが現状ですが、それを理想としています。

お忙しそうですが、オフの日はどのように過ごされているのですか?

年に2度家族旅行するくらいですね。あとは休みがあれば勉強会や研究会を入れてしまいますし、小児医療は難しい分野ですので、大学の図書館で論文を収集したりもしています。1人で診療していると、どうしても周りの流れに疎くなってしまうので、常にアップデートするため積極的に出かけるようにしているんです。医療は日進月歩で、ほんの数年でそれまでの常識が非常識となったりその逆もあったりします。そんな流れに取り残されず、世界的なスタンダード、新たな知見などをいつも患者さんに還元できる医療を続けていきたいと思っています。それと、「朝霞地区小児在宅医療システム」構築のための活動も行ってます。大学病院などを退院後の重症患者さんが、病院と地域の一次や二次医療機関とがしっかり連携して、適切なケアを受けることができるようにするためのシステムです。

最後に、読者へのメッセージをお願いいたします。

杉田正興院長 すぎたこどもクリニック6

小児科は忙しいところが多いので、受診を遠慮してしまう人って結構いると思います。「こんな症状で行ったら悪いかな」などは一切考えず、一次医療ですので、気楽に行くべきだと思います。遠慮して不安なまま過ごすのは良くないので、気楽に来ていただき、診察を受けてそれで問題なければ安心できる。そういった利用でいいと思います。もちろん当院にも気楽に来ていただければと思います。先ほど申し上げたように、患者さんだけでなく親御さんのさまざまな状況などにも寄り添えればなと思っています。小さなクリニックですから大きなことは言えませんが、患者さんとご家族が笑顔で食卓を囲む、その手助けができればいいなと考えています。

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