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森本 晶子 院長の独自取材記事

とういん眼科クリニック

(員弁郡東員町/東員駅)

最終更新日:2023/09/19

森本晶子院長 とういん眼科クリニック main

三岐鉄道北勢線・東員駅から北東へ徒歩10分ほど。田園と住宅が入り混じるのどかな六把野新田藪の内にあるのが、「とういん眼科クリニック」だ。2004年に同院を開業した森本晶子院長は、藤田保健衛生大学医学部を卒業後、このエリアで勤務医として務めていたが、東員町に眼科のクリニックが不足していることを知り、現在の場所に開業。視力の低下や目やに、目の痛み、白内障や緑内障の治療や診断など、さまざまな症例に対応している。東員町内の小中学校の眼科検診も担当する森本院長に、医師をめざしたきっかけや診療の際に大切にしていることなど幅広く聞いた。

(取材日2023年8月22日)

乳児から高齢者まで通う町の眼科のクリニック

医師をめざされたきっかけをお聞かせください。

森本晶子院長 とういん眼科クリニック1

親や周囲から「医学部へ進んでほしい」と言われたのもありますが、医師の道を意識したのは眼科の医師だった祖母の影響が大きいです。祖母は眼科の医師を92歳まで続けました。そんな祖母を見て、眼科の医師は長く続けられるのだと思い、眼科の医師をめざすことに。結果的に私も眼科の医師となり、眼科の疾患を診るのは私に合っていると感じています。

三重県出身ではないと伺いましたが、なぜこのエリアで開業されたのでしょうか?

藤田保健衛生大学病院に勤務していた時に、このエリアの病院へ行くように指示を受けたことが東員町へ来たきっかけでした。そして、現在当院の隣にある調剤薬局の薬剤師さんから、「東員町には眼科のクリニックが不足しているから、ここで開業しないか?」と勧められたのです。隣に調剤薬局と耳鼻咽喉科のクリニック、その向こうに内科のクリニックがあり、医療機関が集まっていたので、ここでの開業を決めました。私自身は三重県にも東員町にも、縁もゆかりもなかったのですが、思わぬ流れで開業することになりました。開業してから今日まで、生まれて数ヵ月の赤ちゃんから車いすの高齢者まで本当にさまざまな方が来てくれています。目やにが出る赤ちゃん、コンタクトレンズの処方を希望する学生さん、視力に問題がある高齢者など、実に幅広い主訴の方がいらっしゃいます。

地域とはどのように関わっていますか?

森本晶子院長 とういん眼科クリニック2

当院での診療のほか、地域の小中学校の眼科検診をしています。1年生だけですが、小学校6校と中学校2校を担当しています。あと、当院の診療という点では、地域の特性に合わせた診療時間にすることで、地域の方々が通いやすいようにしています。この辺りは、工場地帯で働いている若い方も多いです。大手自動車メーカーの下請け会社が集中していて、そこで働く方は皆さん土日休みなので、土曜は午前中と午後も診療しています。日曜も11時から17時まで、そして平日も仕事が終わった後に来られるように19時まで診療しています。もともと地域に住んでいた高齢の方たちも、働いている若い世代の方も来やすいように考慮しています。

病気をわかりやすく説明し、患者の不安解消につなげる

このクリニックではどのような治療や検査ができますか?

森本晶子院長 とういん眼科クリニック3

特別な検査や治療はありませんが、患者さんの主訴に合わせてさまざまな検査をしています。緑内障の疑いがあれば、視力検査や眼圧、視野、散瞳剤を使った眼底検査から使っている眼鏡のチェック。目の痛みやかゆみがあれば、目の表面の状態や逆まつ毛がないか確認し、希望する方には注射針を使用しないアレルギー検査も行っています。ただし、手術は対応していませんので、緊急性がある出血や網膜剥離、その他の外傷の場合は、速やかに連携している病院へ紹介することになります。眼科を受診するかの判断に迷う方もいるかもしれませんが、視界に違和感がある、見えにくくなった、目が痛い、かゆい、目やにが多いなどの症状があれば受診してください。緊急性が高くないものであれば、市販のお薬で対処する方法もありますが、翌日も症状が続くのであれば、受診してほしいですね。

手術を受けるかどうかの相談も受けているそうですね。

手術が必要な疾患でも緊急性の高いものや低いものがあるので、白内障やまぶたが落ちてきてしまう眼瞼下垂など、時期を見て手術するものの相談を受けています。特に白内障は高齢者になれば、ほとんどの方がかかるので、ずっと目薬を使いながらいつ手術を受けるか悩んでいる方から相談されることがあります。見えにくさが深刻であれば、手術をするタイミングなので、お話を伺って今受ける必要があるかをアドバイスします。このエリアは交通手段が車の方が多いので、免許更新の都合で、白内障の手術をしたいという方もいらっしゃいますね。見えないと生活に困ることも多いでしょうから、1人でできないことが増えたら手術を考えてほしいと思います。

診療のときに大切にしていることを教えてください。

森本晶子院長 とういん眼科クリニック4

診察する時は患者さんがわかりやすいように、専門用語をできるだけ使わないようにしています。まったく専門用語を使わないのは難しいですが、視野検査を見える範囲の検査と伝えるなど、なるべく患者さんが知っている言葉でお話しします。あと、説明が長くなるとわかりにくいので、要点を簡潔に話すことも心がけていることです。病気の説明はわかりやすく簡潔にして、患者さんには安心して帰ってもらえるようにしています。高齢者の患者さんの場合、耳が遠い方や認知症の方もいるので、そういった方には付き添いの方に代わりに聞いてもらうようにもしています。

地域の人々をサポートするための介護施設も運営

クリニックのスタッフさんについて教えてください。

森本晶子院長 とういん眼科クリニック5

現在、スタッフは10人在籍しています。手術はしていないので看護師は1人だけで、正社員が6人います。土日も診療していてシフト制なので、すべての検査を全員ができるようにしています。スタッフは皆ここが地元の人たちばかりで、仲が良いと思います。スタッフへの指示は基本的に私から直接出しますが、月に1回はしっかりミーティングをしています。あとは朝礼というほど大げさなものではありませんが、毎朝スタッフを集めて共有事項を伝えるようにしています。

先生は、東員町で介護施設も経営されているそうですが、どのような経緯で始められたのでしょうか?

当院の近くで、住宅型有料老人ホームとデイサービス、ヘルパーステーションを経営しています。この仕事をしていると介護が必要な方とお会いすることが多く、一緒にいるご家族が大変そうにしている姿も目にします。もし、自分の両親が介護が必要になったときに、私もこんなふうに介護できるのかと考えたら、正直不安になりました。この地域は、介護は家族でするのが当たり前という考えが根強く残っていて、頑張っている方も多いですが、限界が来る場合もあると思います。そんなときに頼れる場所をつくりたいというのと、誰かの役に立てたら良いなという気持ちになったのが、介護施設を始めた経緯です。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

森本晶子院長 とういん眼科クリニック6

眼科のかかりつけ医として、開業以来、東員町の方たちの目の健康をサポートしてきましたが、今のところ後継者候補がいないので、地域の方のためにもすぐにというわけではありませんが、誰か見つけておかなければと感じています。皆さんへのメッセージとしては、薬は医師の指示どおりに用法用量を守って使ってくださいということでしょうか。痛い、かゆいなどのわかりやすい自覚症状がない場合、自己判断で目薬をやめてしまう方、1日4回ささなければいけない目薬を2回しかさしてなかったという方もいらっしゃると思います。しかし、薬は適切に使用することが何よりも大事です。皆さんもまずは医師のアドバイスを聞いて、決められた用法容量を守ってくださいね。

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