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加藤 利博 院長の独自取材記事

かとう眼科クリニック

(瑞浪市/瑞浪駅)

最終更新日:2024/03/01

加藤利博院長 かとう眼科クリニック main

自然豊かな瑞浪市にある「かとう眼科クリニック」。加藤利博院長は父の加藤勝利先生とともに、この地で長く患者の目の不調と向き合ってきた。「患者さんのバックボーンにも考えを巡らせて、診察をしています」と、加藤院長は柔和な笑顔で語る。患者の負担を軽減するため、先進の機械を導入。モニターを使って丁寧に説明をし、患者はもちろんこと、家族の理解も大切にしている。術後の回復室に置かれた10年に一度花が咲くという幸福の木は、患者の幸せを願う温かな加藤院長の人柄を象徴しているようだ。クリニックの休診日には勉強会などに出向き、今なお研鑽を惜しまない加藤院長に、これまでの経験や患者への思い、診察で心がけていることなど、多くの話を聞いた。

(取材日2020年3月30日)

目の手術や診察に伴う、患者の不安にも寄り添う

どのような患者さんが多く来院されますか?

加藤利博院長 かとう眼科クリニック1

開院当初はご高齢の方が多かったですが、最近は若い方も増えて、0歳から100歳を超える方まで来られます。100歳を超える、その方はここまで歩いて来られていて、とてもお元気です。多くは瑞浪市や土岐市など、この近辺にお住まいの方ですが、豊田市から来られる方もいます。豊田の街のほうに出るよりも山を通ってここに来るほうが早いとのことで、来てくださっています。患者さんは、結膜炎にかかられた方や、目にゴミやまつげが入ったという方、白内障の手術を受けに来られる方など幅広いですね。午前中は父と私の2人で、午後は私が診察をしています。土曜の午後も診察していますが、喜んで来られる患者さんも多いですね。

手術もされているのですね。具体的にどういった手術をされているのでしょうか?

ものもらいから、逆さまつげともいう内反症、緑内障や糖尿病網膜症のレーザー治療、白内障や緑内障の一般的な手術まで、当院でできる範囲は行っています。硝子体手術などの難度の高い手術は大学病院にお願いすることが多いです。患者さんは、例えば白内障で視力が低下して運転免許の更新ができない方や、ゴルフのパターでコースが読みにくいといった方もいますし、アユ釣りで仕掛けが見えなくなったという方もいます。今は白内障手術を簡単に考えている方が多く、早い段階から手術を希望される方には、まだしないほうがいいともお伝えしています。手術をすると誰もが良くなると捉えている方も多いのですが、人によって、また右左でも術後の反応や経過が違うことがありますので、丁寧に繰り返し説明をしています。

診察で心がけていることはありますか?

加藤利博院長 かとう眼科クリニック2

まずは安心していただけるよう、笑顔で丁寧に説明することを心がけています。小さいお子さんには、検査に使うライトの小さな光を手に当てて、「捕まえてみて」と言って、遊びを入れながら診察していますね。そうすると心を開いて、診察させてくれるんです。お母さんも「毎回病院で泣く子が、笑顔で診療できている」とびっくりされますね。ご高齢の方はご家族が付き添いで来られることも多いので、一緒に診察室に入ってもらい、ご家族にも説明をして納得していただくことも大切にしています。説明はすべてモニターでお見せしながら行っており、患者さんの不安を和らげて、笑顔で帰っていただけるような配慮をしていきたいですね。

背景にある家族や生活にも考えを巡らせ、治療する

卒業から開業に至るまでに積まれたご経験を教えてください。

加藤利博院長 かとう眼科クリニック3

まず愛知医科大学の眼科に入局をして、一年間研修をしました。手術の介助や術後の診察など、基礎の基礎を徹底的に教わりました。朝6時に行って、帰りはいつも夜の10時という日々でしたね。その後は静岡の市立島田市民病院に4年間勤務しました。手術も多く、厳しく指導いただける病院だと聞いていたので、自分から志願をしたんです。ここでは一般的な診察から手術まで、すべてに携わりました。朝はいつも7時に病院に行って、昼から手術をして、終わるのが夜中の2時、3時という生活でした。今では考えられませんが、若いうちは無理が利くので、なんでもできるようになりたいという思いでしたね。手術も同級生の10倍は執刀しているかと思いますよ。密度の濃い経験を積んだと思います。

多くの経験をされた中で、印象に残っていることはありますか?

当時の上司がとてもパワフルな方で、手術のやり方もすべて教わりましたし、人としてもどうあるべきかということを学びました。それは、患者さんに対してどこまで一生懸命になれるかということ。患者さんのバックボーン、つまりご家族のことまでしっかり考えながら、治療をしていくということです。上司の姿を見ながら、技術だけでなく、医師として大切な姿勢もどんどん吸収しました。その上司とは仕事が終わった後も一緒に食事に行ったりして、常にずっと一緒にいましたね。忙しかったですがそれ以上にやりがいを感じていましたので、体の疲れも忘れていました。

患者さんのバックボーン、ご家族も大切にされているのですね。

加藤利博院長 かとう眼科クリニック4

そうです。例えば、糖尿病で網膜症が進行した状態で来られる方は、血糖値の数値が良くなく、食生活などが乱れている可能性が高いんですね。しっかり治療していきましょうといくらこちらがお話ししても、通院が億劫で治療を中断してしまう方もいます。そうなると、2年後3年後には失明ということも起こってしまいます。生活が深く関わる病気ですので、ご家族の支えや応援は大切なんです。できる限りご家族も一緒に来ていただいて、説明をして理解をしていただいた上で治療を進めていくと、いい方向に向いていくことが多いと感じます。ご家族も治療に関わって患者さんの生活の部分をサポートしていただくことは重要だと思います。

患者にとってメリットの大きい機器は積極的に導入する

機械が充実していますね。こだわりはありますか?

加藤利博院長 かとう眼科クリニック5

できるだけ患者さんの負担を減らせるように機器を充実させました。例えば、目の奥を調べる眼底検査に用いるカメラでは、従来の眼底カメラでは撮影できない病気の診断や治療方針に非常に有利です。当院で扱うレーザー光凝固装置に関しては、通常30分かかる治療が30秒から5分以内で行えますので、患者さんの痛みや負担が少なくて済みます。また、一般的には糖尿病、高血圧症などの全身疾患の再診時には毎回散瞳検査を行うのですが、この検査の後、4~5時間見えづらくなることもあるのですが、ここは田舎です。自動車、電車、バスを乗り継いで高齢の患者さんが受診されるので、極力受診回数を減らし、しかも確実な加療ができるように心がけて、少しでも患者さんの不安を取り除く治療をしていきたいと思います。

スタッフさんに心がけてもらっていることはありますか?

看護師さんはほとんどの方がベテランで、長く一緒に働いている方も多いんですね。みんなしっかりしていて、私が言いたいことをほぼすべて組み取って自分から動いてくれるので、とても信頼しています。ですから、私から話していることは少ないのですが、患者さんへの配慮は心がけるよう伝えていますね。例えば患者さんがずいぶん長い時間待っている場合は、もしかしたらこちらの手落ちで順番が間違っていないか、ちゃんと調べるようにということですね。あとは、目が見えない患者さんは、駐車場に行く途中で転んでしまうこともありますので、外まで一緒に付き添うようにとも話しています。こういった患者さんへの心配りは大切にしていますね。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

加藤利博院長 かとう眼科クリニック6

老眼はだいたい45歳くらいから始まりますが、その年代の方は見えづらさだけでなく肩凝りなどで悩んでいる方も多くいらっしゃいます。特にずっと視力が良かった方は、不調を強く自覚するために、より不安を感じやすいです。一方で、70歳、80歳になるまで眼科にかからない方も多くいます。しかし、視力の数値が長年良くても、緑内障などの症状が進行していることもあります。なので、自動車免許の更新時に診てもらうとか、機会があるたびに受診するのもいいですね。今後注意したほうがいいかどうか判断もつきますから、40代に入ったら、1年に1回でも眼科を受診しておくといいでしょう。私自身も無理が利かない年齢になってきましたので、日頃の健康管理をして、元気にやっていきたいです。自分自身が元気で穏やかだと、患者さんにもそれが返っていきますのでね。来てくださっている患者さんのためにも、健康で長くやっていきたいですね。

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