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樋口 成臣 院長の独自取材記事

とうかい整形外科かわげ

(津市/千里駅)

最終更新日:2023/09/28

樋口成臣院長 とうかい整形外科かわげ main

近鉄名古屋線の千里駅より徒歩約10分、海風を感じるエリアに「とうかい整形外科かわげ」がある。古くは漁師町だったが、近年は団地が作られ、若いファミリー層も暮らす住宅地だ。樋口成臣院長は地元出身。マリンスポーツを楽しむ、「海の男」でもある。だからこそ、スポーツ障害に苦しむ学生を積極的に支えたいと考え、「スポーツ障害は予防できるもの。そのコツを伝えられれば」と語る。同院にはオープンMRIが導入されており、症状の詳細な把握と分析が可能だ。「症状の原因となるものをしっかり探り当てて、最適な治療をしたい」と語る樋口院長に、地域医療にかける思いを聞いた。

(取材日2022年8月11日)

患者により元気になってもらうため整形外科で地域貢献

医師をめざしたのはなぜですか?

樋口成臣院長 とうかい整形外科かわげ1

大学生活をゆったりと存分に楽しみたかったので、6年間通える医学部を選びました。実家は現在のクリニックの辺りなんですが、そこから通える三重大学を選びました。割と目先の学生生活を楽しみに、のんきに医師への道を歩み出してしまったという感じです(笑)。医師としての将来を考え専門を選ぶ時にも、患者さんが元気な診療科がいいなと思ったんです。治療をすることでさらに元気になって生活できる、そんなことが実現できそうな分野を考えたら、眼科か整形外科が選択肢に残りました。手を動かすことも好きなので、手術で患者さんの人生の質をより良くしたいと思ったんですよ。

三重県内で勤務医として経験を積んでいらっしゃいますね。

三重大学医学部附属病院や菰野厚生病院などに勤務し、一時は南島病院(現・南島メディカルセンター)でも診療を行っていました。道が一本しかないような場所で、交通の便も悪く、病院は周囲に一つだけ。いわゆるへき地医療です。実際に身を置いてみると、地域の方が本当に温かくて、良い思い出ばかりですね。半年で交代という短い期間でしたが、強く印象に残っています。その後、小山田記念温泉病院などを経て、三重大学医学部附属病院に戻りました。病院での診療は充実していましたが、本当に忙しく、この働き方をこの先も続けていけるのか自問自答していましたね。その頃から、地元での開業を構想するようになりました。そして2000年1月に開業しました。

クリニックがあるこちらはどんな地域ですか?

樋口成臣院長 とうかい整形外科かわげ2

このエリアは昔からの漁師町です。長く住んでいる高齢の方が多いのですが、漁師一本でやっている人はずいぶん少なくなっていますね。団地ができたので若いファミリー層も増えてきたように感じます。高齢の方は腰や膝の痛みを抱えている方が多く、若い学生さんはスポーツ障害が多いです。中学校や高校からの駆け込みの場合もありますね。私自身もウィンドサーフィンやジェットスキーなどのマリンスポーツが好きで長いこと楽しんでいますから、患者さんがスポーツを楽しく長く続けられるようにサポートをすることは大きなやりがいです。

スポーツ障害や高齢者の治療に尽力

スポーツ障害の治療に力を入れているとお聞きしました。

樋口成臣院長 とうかい整形外科かわげ3

野球やサッカー、バレーボールなどをしていて、骨折や疲労骨折をしてしまう患者さんが多いようです。体の一部を使いすぎることで負担がかかり、痛めてしまうのです。まずは痛みを取って、それから患部を治療していきます。普通の骨折であれば1〜2ヵ月、疲労骨折は最長で数ヵ月は治療の必要があります。自分自身もテニスをしていて肘を痛めたことがあるのですが、客観的に省みると、フォームが良くなかったことに気づきました。必要以上に肘に負担がかかり痛めてしまうのは、技術的な問題が大きかったからとも考えられるのです。医療者としてはもちろんですが、スポーツをする立場からも、障害の予防や治療に関して考えることが重要だと思っています。

どうすればスポーツ障害を予防できるでしょうか?

ストレッチや筋力トレーニングなどをしっかり行うことで、体を痛めないようにスポーツをする基盤作りができます。学生本人ができるようになるには、やはり指導者が重要だと感じます。競技のスキルを上げることはできても、体の負担や影響、成長までも考えて十分なアドバイスができる指導者は、まだ少ないのではないでしょうか。自分ももう少し診療に余裕ができれば、ぜひ地域の学生の部活動に関わって、啓発活動をしていきたいと思っていますが、土曜の午前も診療をしているので今は患者さんの診療が優先ですね。一人でも多くの指導者にスポーツ障害とその予防について、知識をお伝えしたいです。

高齢の患者さんにはどのような治療をされていますか?

樋口成臣院長 とうかい整形外科かわげ4

膝や腰が痛い患者さんには、内服薬や注射で症状の緩和をめざします。痛みが取れれば生活の質も向上しますよね。でもこれだけでは根本的な治療にならないので、症状に応じてリハビリテーションを行います。当院では広いリハビリ室があり、電機治療器や物理療法器をそろえており、さらに3人の理学療法士が患者さんのリハビリをサポートしています。筋力の低下は症状の悪化につながりますから、ぜひ少しずつでもリハビリに取り組んでほしいですね。クリニックに頻繁に通えない方には、自宅でのトレーニング方法もアドバイスしています。テレビを見ながらで構わないので取り組んでいただきたいですね。何歳からでも遅すぎることはありません。ぜひ地道な筋力アップで、痛みの少ない生活をしてほしいと思います。

オープンMRIやリハビリに注力

オープンMRIを導入しているクリニックは少ないのではないでしょうか。

樋口成臣院長 とうかい整形外科かわげ5

開業当時からMRIは導入したいと思っていました。CTがあれば骨を観察できますが、脊椎や関節、靭帯、椎間板など、骨以外の状態を見るにはMRI検査を行うことになるからです。もちろん必要に応じて病院へ紹介することもできますが、自分のクリニックで診断をつけて治療を開始したいと考えました。原因がわからないのに治療を進めることはできませんからね。そういう観点で考えると、これまでにも長期間治療を続けているけれど、なかなか改善しないという方に、セカンドオピニオンなどで来てもらうのも良いかもしれません。通っていたクリニックが閉院してしまったり、引っ越しなどで当院にいらしたりという方もいますが、その機会に改めてMRIで検査することで、新たな原因が判明するかもしれません。原因が違えば、治療のアプローチも当然変わります。オープンMRIが、適切な治療に導いてくれる一つの要素と言っても過言ではないと思います。

先生の診療方針をお聞かせください。

整形外科というと手術を思い浮かべる方も多いでしょう。私も勤務医時代は、さまざまな症状に対して手術を強く勧めていました。それだけ手術で期待できることは大きいですし、手術後にしっかりとリハビリをすることで、症状の改善につながっていくと考えていました。ですが、今は患者さんの生活や気持ちなどを最大限に尊重して、治療の方向性を決めたいと思っています。手術やリハビリには時間が必要ですし、経済的な問題も関わってきます。全体を考慮して、患者さんにとって一番良い治療法を、その時々に応じてご提案したいです。

最後に読者にメッセージをお願いします。

樋口成臣院長 とうかい整形外科かわげ6

さまざまな疾患や症状に悩まされている方にお伝えしたいのは、リハビリの大切さです。当院のリハビリ室は床暖房を入れて、温かく、つい立ち寄りたくなるようなほっとできる場所に整えています。理学療法士も常勤していますから、簡単なことからリハビリを始めてほしいですね。急性の疾患、外傷などもありますが、整形外科は慢性疾患で通い続ける患者さんも少なくないでしょう。当院にいらっしゃる患者さんには、通いやすく、より良い生活が取り戻せるような治療を提供し続けたいです。長く頼りにしてほしいですね。

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