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中野 啓三 院長の独自取材記事

うつべ中野整形外科

(四日市市/内部駅)

最終更新日:2022/11/04

中野啓三院長 うつべ中野整形外科 main

四日市あすなろう鉄道内部線内部駅から車で北西へ約5分、三重県四日市南部医療モールにあるのが「うつべ中野整形外科」だ。2003年、四日市出身の中野啓三院長が、医療機関が少なかったこのエリアで患者が便利になるようにと開業。地域住民が何でも相談できる“医療の窓口”となれるように努めている。中野院長は、日本整形外科学会の整形外科専門医でもあり、豊富な知見を生かし、腰痛や骨折、スポーツによるケガ、骨粗しょう症の検査・治療などさまざまな診療に対応している。穏やかな表情で受け答えする中野院長に同院の特徴、注力している治療など幅広く聞いた。

(取材日2022年8月31日)

何でも相談できる地域住民の医療の窓口をめざして

先生が整形外科の医師をめざしたきっかけを教えてください。

中野啓三院長 うつべ中野整形外科1

父親が整形外科の医師だったので、小さい頃から父を見ていた影響はあると思いますが、一番は自分自身の興味ですね。機能がはっきり目に見える整形外科が好きなのです。痛みや、歩きにくさなど、整形外科は、患者さんにとって患部がわかりやすい分野ですよね。逆に言えば、治療の効果が感じられなかったときも、わかりやすいので、常に気を引き締めて治療、説明にあたっています。

このエリアでご開業された理由をお聞かせください。

市立四日市病院・三重県立総合医療センターで勤務していた時に、症状の落ち着いた患者さんを紹介しようと思っても、この辺りには整形外科のクリニックがありませんでした。ですから、この辺りにクリニックがあれば、地域の患者さんにとって便利ではないかと考えて決めました。最初は当院だけで始めましたが、今では、この場所は医療モールになり、薬局と、内科、皮膚科、眼科のクリニックができました。他科のクリニックと連携し、患者さんの紹介もできますので、患者さんの利便性が上がったと思います。最近では、四日市市と三重交通の協力により、総合病院を起点終点としたコミュニティーバスの停留所も設置され通院がさらに便利になりました。

地域の方々とはどのように関わっていきたいと考えていらっしゃいますか?

中野啓三院長 うつべ中野整形外科2

私たちのような地域のクリニックは、医療システム全体で言えば、最も患者さんと接する機会の多い最前線です。その役割はやはり、気軽にいつでも何でも相談できる“医療の窓口”であることではないでしょうか。まずは患者さんの声をしっかり聞き、適切な検査をして丁寧に説明し、最適な治療をする。当然のことですが、基本に忠実に、見落としがないように注意を払っています。当院ではエックス線の画像診断と骨密度の測定、補助的に超音波検査を実施しています。患者さんの症状によって、MRIやCTなどの詳しい検査が必要な場合は、高度な検査が可能な総合病院で検査を受けていただくことが患者さんのためだと考えていますので、適宜紹介しています。いずれにせよ、最適な治療は、患者さんとの信頼関係が成り立つものだと考えていますので、誠実に取り組んでいます。

寝たきりを防ぐため、骨粗しょう症治療に注力する

このクリニックの特徴を教えてください。

中野啓三院長 うつべ中野整形外科3

特に初診の患者さんに関しては、隠れた疾患や症状を見逃さないよう慎重に診察を行い、結果を詳しく説明をするようにしているところでしょうか。とにかく異常を見逃すことだけはあってはならないと考えていますので、患者さんの話をしっかり聞いて小さなことにも注意を払っています。説明に関しても、少し遠回りになってしまっても、患者さんにわかってもらえるように丁寧に説明します。患者さんに「丁寧に診てもらえた」と言ってもらえたらうれしいですね。丁寧な診察と説明は当たり前のことで、とても大切なことだと考えています。ただ、初診の方が多い日は、患者さんをお待たせしてしまう場合もありますので、そこは申し訳ないと思っています。

診療する際には、どのようなことを気をつけていますか?

生活のアドバイスにしても、ケガの後の説明にしても、ケースバイケースなことが非常に多く、紙を1枚渡して終われるような定番の説明で済むことは少ないです。患者さんによってお話しすることが異なりますので、お仕事とか生活環境はもちろん、患者さんが家族と暮らしているのか、お一人暮らしなのかなどの生活背景までお聞きします。例えば、ギプスを巻かなくてはいけない場合、一人暮らしで家のことを全部ご自身でしなくてはならない方は、家事ができるように考えなくてはいけません。絶対不可避な治療は変えられませんが、バリエーションがあって選べるところは、患者さんによって変える必要があります。私も小学生の時にギプスを経験したのですが、かゆくてつらかったことだけは覚えています。ですから、その患者さんにとって、なるべくなら、つらくなく、少しでも快適な方法を選ぶようにしています。

注力している治療はありますか?

中野啓三院長 うつべ中野整形外科4

当院では幅広い病気に対応していますが、骨粗しょう症治療には特に注力しています。骨粗しょう症は高齢者がかかることが多い疾患ですが、閉経後の50代の女性にも多いのです。出産を機に骨密度が下がってしまうこともありますので、それなりに幅広い年齢層の方を悩ませている疾患です。背骨や大腿骨で骨密度を測定できる機械がありますので、骨粗しょう症の早期発見がめざせます。代表的な寝たきりの原因として大腿骨の骨折があり、その根本には骨粗しょう症が潜んでいることが多いので、注意が必要です。骨折がなく、骨密度が低いとわかった場合は、骨折、ひいては寝たきりを防ぐための予防が中心になります。骨粗しょう症は骨折がないと痛みがない場合がほとんどですが、骨折する前にきちんと通院して治療してほしいですね。それから、リハビリテーションについては、理学療法士による運動器リハビリを軸に、より治療効果を高めるための体制を敷いています。

スタッフ全員で情報共有し、わずかな異常にも注意を

先生が医師として影響を受けた方はいらっしゃいますか?

中野啓三院長 うつべ中野整形外科5

研修医の時にお世話になった病院の部長が、医師としての技量が高く、尚かつ非常に人格者で、影響を受けました。その先生は、穏やかでドクターとしてとても偉大でした。その病院は、交通事故に遭った方の緊急手術なども多かったのですが、どんなときでも慌てません。イレギュラーが起きても、冷静に、すぐに対応策を提案、指示してくださいました。その先生が常に冷静なので、周りのスタッフも不安にならずに手術することができました。きっと、さまざまなパターンを想定して、先々の一手まで考えながら手術していらしたのでしょうね。その先生の姿を見て、研究医ではなく、患者と接する臨床の医師の道へ進もうと思いました。

スタッフについて教えてください。

現在スタッフは13人いて、事務3人、診療放射線技師1人、理学療法士2人、看護助手2人、看護師5人ですね。常に患者さんを一番に考えることだけは大切にしてもらっています。スタッフは明るくて、患者さんとうまくコミュニケーションを取ってくれています。スタッフが患者さんとの何げない会話の中から、患者さんの症状や生活スタイルの変化に気づいてくれたこともあります。スタッフ間で情報共有をして、患者さんの小さな変化も見落とさないようにしています。

最後に読者の方へメッセージをお願いいたします。

中野啓三院長 うつべ中野整形外科6

骨粗しょう症は、寝たきりの原因にもなりますので、気をつけていただきたいですね。特に、閉経後の女性は注意が必要なので、閉経から5年を目安に、気になることがなくても、一度骨密度の検査を受けていただくと良いかと思います。腰痛を訴えて来院された方が骨粗しょう症だったということもあります。たかが腰痛と思わずに、きちんと医療機関で診断を受けることは大切です。腰痛に限らず、痛みやしびれは、我慢できるような症状の後に、思わぬ疾患が隠れている場合があります。痛みを訴える患者さんの中には、「もっと早く来院されていたら、もっと症状の軽減がめざせたのに」と思う方も多いので、悪化する前に、信頼できるドクターの診断を受けるようにしてほしいですね。

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