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伊藤 健一 院長の独自取材記事

伊藤医院

(松江市/揖屋駅)

最終更新日:2022/01/31

伊藤健一院長 伊藤医院 main

山陰道東出雲インターチェンジから車で約5分、市役所の支所向かいに位置する「伊藤医院」。ゆったりとした口調で話しやすい雰囲気の伊藤健一院長は、消化器内科を専門とし、学生時代はがんの研究に尽力してきたのだそう。がんを早期に発見し、早期の治療へとつなげていきたいという思いから、CTや細い内視鏡を用いた検査も積極的に行っている。「どんなことでもまずはご相談に乗らせていただきますよ」とにこやかに話す伊藤院長に、診療のこだわりや今後の展望について詳しく話を聞いた。

(取材日2021年12月20日)

地域のかかりつけ医として気軽に相談してもらいたい

医師をめざしたきっかけを教えてください。

伊藤健一院長 伊藤医院1

父が医師だったことが大きいですね。夜遅くまで家の中で父親の足音がしていて、地域の方のために遅い時間まで仕事をしているんだなと子どもながらに感じていました。父は産婦人科の医師だったため、小さなお子さんの診療から、ご高齢の方の往診や看取りもやっていました。いわゆる地域のかかりつけ医としての役割を担っていたのだと思います。その姿を見て、私も一通りの診察ができるようになりたいなと考えるようになっていました。消化器内科を専攻するようになったのも、例えば食べ物を食べるとき、口から食道、そして胃、小腸、大腸を通って便になっていくという一連の流れの中で起こるあらゆる症状に対応でき、地域の方たちのご相談に対して幅広くお役に立てると思ったからです。

どのような患者さんが多く来院されますか?

地域柄もあり、圧倒的にご高齢の方が多いですね。ですので、10年前に院内を改装した際にバリアフリーにしてスロープも設置し、ご高齢の方にも通っていただきやすいように工夫もしています。ご相談としては、健康診断で引っかかったという方から、胸が苦しい、おなかが痛いなどの内科的な困り事がある方はもちろん、心に不安があるという精神的な相談などさまざまです。一通りのことはご相談に乗れますので、医療への入り口として、まずは心配なことがあったら当院へご相談いただければと思います。より専門的な検査や治療が必要と判断した場合には、連携する病院へご紹介いたします。地域のかかりつけ医として、些細な内容だと思われていることでもお聞きできるように、体制を整えています。

診察の際に心がけていることを教えてください。

伊藤健一院長 伊藤医院2

短い診察時間の中でもできる限り丁寧にお話を聞いて、通院してくださっている方の小さな変化を見逃さないように意識して診察を行っています。早期に病気を見つけられずに、気づいたときには治療法の選択肢が少なくなっているような場合もありますので、なるべく早期に病気を見つけていけるようにしたいですね。また、ご高齢の方にもお話しする内容を理解していただけるよう、ゆっくりわかりやすく説明して差し上げるようにしています。また、障害があって長くお待ちいただくのが難しい方などは順番を先にしてお呼びしたり、場所を変えて診察を行ったりするなどの配慮を心がけています。看護師や受付のスタッフも患者さんに対して優しく接してくれているようですので、安心して来院していただきたいですね。

積極的に検査を受けてもらい、病気を早期発見したい

学生時代はがんの研究をしていたそうですね。

伊藤健一院長 伊藤医院3

大学院ではがんの抑制遺伝子の研究、そしてアメリカのマイアミ大学では腫瘍免疫学の研究など、がんに関することをずっと勉強し続けていまして、「がんを治したい」という一貫した思いがあります。現在、当院で診察をする際にこういった知識を直接使うわけではないのですが、病気を診るときの一つの見方としてこれらの勉強が役に立っていると感じます。がんは早期に発見ができれば早期に治療を開始できますし、予後の期待も高められますので、定期的に検診を受けるなど、患者さんにも検査に対して積極的になっていただきたいですね。

検査の重要性についてもう少し詳しく教えてください。

早期発見がとても重要になってくるのですが、なかなか皆さん、体調も悪くないのに検査を受けに行こうとは思わないですよね。特に男性の方は病院に足が向きづらい傾向にあります。悪い結果が出たらどうしようという気持ちがあるのかもしれないですね。でも一度検査を受けてしまえば、以降は躊躇なく受けていただけると思いますよ。初めの一歩が大事かなと思っています。また、クリニックでは少ないCTも導入しています。CT検査は大きい病気を見つけるために病院で受けるイメージが強いかもしれませんが、咳が出て来院された患者さんにCT検査をしたら乳がんが見つかった……ということも少なからずあります。自覚症状がなくても、健康なことを確認するためでも構いませんので、気軽にCT検査を受けていただける機会が増えるといいなと思っています。

患者さんに安心して検査を受けてもらうための工夫はありますか?

伊藤健一院長 伊藤医院4

検査を受ける方の負担をできる限り減らしたいと思っています。実は先日、久々に口からの内視鏡検査を受けたんですよ。改めて検査を受ける側の気持ちを感じることができ、できるだけ苦しくない検査をしたいと改めて思うことができました。経験しておいてよかったなと思っています。当院では、胃カメラは口からの検査に比べて患者さんの負担が少ない鼻から挿入するスコープを用意しています。それから内視鏡の管も口からの管に比べて細いため、楽に受けることができると思います。胃なら胃カメラ、大腸なら大腸の内視鏡の検査をするのが一般的ですが、内視鏡の検査が苦手な場合、大腸はCTでの検査も可能ですので、ぜひ一度ご相談くださいね。

高齢者医療にも関わりながら「終末期医療」にも尽力

高齢者医療にも注力されているそうですね。

伊藤健一院長 伊藤医院5

この地域には、老人ホームやサービスつき高齢者向け住宅、特別養護老人ホームなどが多くありますので、午後の診察の空き時間にそういった施設への訪問診療を行っています。そのため、認知症がある方の診療も行っていますし、一部では看取りにも対応しています。訪問診療は、ご本人だけでなく、ご家族ともコミュニケーションを密にすることが大切。そのため、ご家族との話し合いの時間をつくって情報共有をすることもしています。

今後さらに力を入れて取り組んでいきたいことはありますか?

「終末期医療」の質を高めていきたいということが、私の今の大きなテーマとなっています。人生の最期をどうやって過ごしていただくかということも含めて、自分の人生について考える「人生会議」。いわゆる“終活”ともつながる話です。ご本人とご家族の間のみで最期をどうやって過ごしたいかをまとめていくというのはなかなかハードルが高いもの。今まで何となく流されてきたものを「エンディングノート」という終活ノートを使いながら医者も一緒になってまとめていくなど、どうやって進めていくのが良いのか、これから医療関係者の仲間と一緒に考えていきたいと思っています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

伊藤健一院長 伊藤医院6

当院で患者さんが訴える不調には、できる限り対応させていただきたいと考えていますので、何か体調面で心配なことがある方はぜひお越しください。どこに相談すればいいかわからないといった場合も、お気軽にお越しくださいね。当院で対応できるものであればもちろん対応いたしますし、対応できないものであれば適切な病院をご紹介いたします。また、私自身子どもが3人おりますので、子育てに関するご相談なんかも大歓迎です。地域のかかりつけ医として、皆さんのお役に立ちたいと強く思っていますので、いつでもお気軽にご相談ください。

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