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アレルゲン物質を体内に取り込み
根治をめざす舌下免疫療法

みやざわ耳鼻咽喉科

(春日部市/春日部駅)

最終更新日:2023/12/14

みやざわ耳鼻咽喉科 アレルゲン物質を体内に取り込み 根治をめざす舌下免疫療法 みやざわ耳鼻咽喉科 アレルゲン物質を体内に取り込み 根治をめざす舌下免疫療法
  • 保険診療

近年注目が高まっている舌下免疫療法。スギ花粉とダニによるアレルギー性鼻炎症状に対して、従来の対症療法とは異なり、アレルギー症状の根治をめざしていく治療法だ。スギ花粉症に対する舌下免疫療法は2014年から、ダニアレルギーに対する舌下免疫療法は2015年から保険適用となった。「花粉症の薬などは市販薬も多く、自己判断で服用し続けている方も少なくありません。しかし、薬によっては長期の服用が鼻詰まりの悪化につながることも。期待できる効果と簡便さが広く知られるようになった舌下免疫療法を検討されてみてはいかがでしょうか」と話すのは、「みやざわ耳鼻咽喉科」の宮澤哲夫院長。舌下免疫療法に力を入れている日本耳鼻咽喉科学会耳鼻咽喉科専門医だ。今回、舌下免疫療法の進め方や治療期間、注意点など、詳しく教えてもらった。

(取材日2023年11月17日)

検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!

Q舌下免疫療法とは、どんな治療法でしょうか?
A

これまで花粉症やアレルギー性鼻炎に対して、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬、ステロイド点鼻薬などを使用する薬物療法をはじめ、レーザーで鼻の粘膜を焼いてアレルギー症状を起こしにくくするための治療が行われてきました。しかし、これらの治療はあくまでも対症療法にすぎず、一時的な効果しか期待できません。一方、舌下免疫療法はアレルギーの原因となるスギ花粉やダニのエキスが含まれた薬剤を毎日服用し、アレルギー症状の改善を図っていく治療法です。アレルゲン物質を体内に少量ずつ取り入れることが免疫システムの正常化につながるため、根治を見込める治療法として期待されています。

Qどのような人に舌下免疫療法を勧めていますか?
A

従来の内服薬による治療で効果が得られない方、薬の服用で眠気が心配な方などにお勧めしています。仕事や家庭の事情で日常的に車を運転する方、数年後に受験などの集中力が必要なイベントを控えている方にも向いているかなと。また、妊娠中に舌下免疫療法を開始することはできませんが、治療中に妊娠した場合はそのまま治療を継続しても構いません。なお、治療は5歳以上が対象ですが、当院の場合は安全性を考慮し、中学生以上から対応させていただいています。小学生以下の場合、獨協医科大学埼玉医療センターまたは自治医科大学附属さいたま医療センターに初期の導入を依頼し、安定して続けられることを確認した上で当院に引き継ぎます。

Q治療開始のタイミングや治療にかかる期間を教えてください。
A

ダニアレルギーの場合ダニは通年で存在するため、治療の開始時期に制限はありません。一方、スギ花粉症の場合、スギ花粉が飛散している時期は避ける必要があります。そのため、治療を開始するのは、スギ花粉の飛散が落ち着いた5月中旬から12月末ですね。そして、翌年からはスギ花粉が飛散している時期も続けていくことになります。また、舌下免疫療法の治療期間は個人差がありますが、3年から5年が目安です。医師の管理のもとで決められた量の薬剤を服用しますが、長いと感じるかどうかは人それぞれでしょう。つらい症状から解放されるためだと考え、毎日根気強く続けていくようにしてください。

検診・治療START!ステップで紹介します

1問診・診察
みやざわ耳鼻咽喉科 問診・診察

まずは問診にて、いつ頃から症状が続いているのか、その症状の程度はどれくらいかなどを詳しくヒアリング。症状がアレルギーに関連するものかどうかは、診察所見でおおよそ判断することができるそうだ。副作用などの注意点なども聞く。

2検査
みやざわ耳鼻咽喉科 検査

舌下免疫療法はダニアレルギーとスギ花粉症に対してのみ実用化されているため、アレルギー症状の原因を特定するために血液検査を実施。症状を引き起こしている原因が間違いなくダニ、スギ花粉によるものかどうかを調べる。

3カウンセリング
みやざわ耳鼻咽喉科 カウンセリング

検査結果をもとに医師と相談の上、舌下免疫療法を開始するかどうかを決定。重度の口腔アレルギー症候群を持つ人や、抗がん剤治療中の人、免疫抑制剤による治療を受けている人などは舌下免疫療法を受けることができないため、それらの諸条件などをクリアしているかも含めて確認していく。

4治療
みやざわ耳鼻咽喉科 治療

動画により服薬の方法や注意事項を勉強後、治療をスタート。1日1回舌の下に薬剤を置いて1分間保持し、口の中の粘膜から吸収させる。初回は院内で服用し、約30分経過観察。初週は初期治療用の薬を服用し、問題がなければ通常の薬に移行していく。服用直後の入浴や飲酒、激しい運動はNG。

5定期通院・経過観察
みやざわ耳鼻咽喉科 定期通院・経過観察

通院1回あたりの処方量は30日分まで。毎月1回の通院を行い、症状の変化などをチェックする。必要に応じて、対症療法の薬と併用することもできる。その後は2~5年にわたり服用を継続する。スギ花粉の舌下免疫療法の場合は、スギ花粉が飛んでる季節でも毎日服用を続ける。

ドクターからのメッセージ

宮澤 哲夫院長

アレルゲンを体内に取り入れる治療法は減感作療法と呼ばれていて、かつては医療機関に通院してダニやスギのアレルゲンを定期的に注射する必要がありました。しかし、舌下免疫療法は自宅で治療を継続することができますし、小学生から始められます。薬は味がなく、服用時のイメージは口の中でふんわり溶けるラムネ菓子に近いです。何年もつらい症状や薬を飲み続ける生活に悩んでいる方は、舌下免疫療法を治療の選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。受験や就職、妊娠、出産など今後のライフイベントを見据え、検討するのも良いでしょう。安全性に配慮して進めていくため、気になることがあればご相談ください。

宮澤 哲夫院長 みやざわ耳鼻咽喉科
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