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内田 治雄 院長の独自取材記事

うちだ歯科医院

(浦安市/浦安駅)

最終更新日:2023/07/11

内田治雄院長 うちだ歯科医院 main

舞浜駅より徒歩10分、浦安駅からもアクセスの良い「うちだ歯科医院」は、開院から23年目を迎える地域密着型の歯科医院。光を多く取り入れるガラス張りの外観と煙突のある家のロゴマークが目印だ。温かみを感じるロゴマークが象徴するように「開院当初から変わらぬモットーは、アットホームな歯科医院であることです」と話す内田治雄院長。ベテランスタッフとともに患者の気持ちをくみ取る治療を心がけ、浦安市歯科医師会を通して地域の社会福祉活動や奉仕活動にも貢献している。長年、地域の歯の健康を見守り、地域に根差してきた内田院長に、同院の治療方針やこだわり、そして、今後を見据えて注力しているオーラルフレイルの取り組みについて話を聞いた。

(取材日2023年6月8日)

老若男女、誰もが通いやすいアットホームな歯科医院

開院から今年で23年と伺っています。浦安で開業された理由と、こちらの歯科医院の特徴を教えてください。

内田治雄院長 うちだ歯科医院1

家内の実家が浦安にあることも、この地で開業した理由の一つです(笑)。開院当初からの変わらぬモットーは、アットホームな歯科医院です。老若男女、誰でも安心して来てもらえるということを基本理念に診療を続けてきました。僕は口腔外科の出身で、昭和大学第一口腔外科で診療していた頃は、入院している患者さんの手術がメインでした。そういう大きな病院では病気はしっかり診ますが、それ以外のことは手薄になってしまうこともあります。その経験から、自分が歯科医院を開業するにあたって、患者さん自身の悩みや生活背景にも配慮できるようになりたいと考えていました。例えば、患者さんの体調が優れないようだったら、予定していたその日の治療を別の日にするなど。人間ですからその日の気分や体調、メンタル面などいろいろあるじゃないですか。患者さんに合わせた診療は、開院当初から心がけています。

診療方針についても教えてください。

当院の診療方針の柱は、「できるだけ歯を残す治療」です。もともと口腔外科という専門的に抜歯する分野に所属していたので、無理に歯を残すことが逆に良くないケースについても熟知しています。ですから、すべてというわけではありませんが、患者さんが「残したい」と希望するなら、できる限りリクエストに応じるように心がけています。もちろん、どうしても駄目な場合はありますから、それは駄目だと伝えますが、可能性があるなら希望に沿ってあげたいですね。

こちらにはベテランのスタッフもおられるそうですね。

内田治雄院長 うちだ歯科医院2

受付スタッフの一人は開院の1年後から務めていますから、もう22年になりますね。最初は子育てなどもあってパートで勤務していただいていましたが、お子さんが中学生になった頃から正社員として働いていただいています。歯科衛生士さんも同じように長く勤務していただいていますね。お二人とも地域の方ですし、患者さんのことをよく把握してくれています。小学生の頃に通っていた患者さんが結婚して、この間子どもが生まれお父さんになったなんていう話をスタッフから聞いて驚くこともあります(笑)。当院がめざすアットホームな歯科医院の実現は、スタッフの助けがあってこそだと思いますね。

長く診ている患者の口腔ケアを訪問診療でサポート

どのような患者さんが多いのですか?

内田治雄院長 うちだ歯科医院3

開院当初は、この地域にもお子さんが多かったのですが、開院から20年以上の時間が経過し、高齢の患者さんが多くなっています。最近、高齢者に関してフレイルやサルコぺニア、いわゆる加齢による虚弱や筋肉量の減少が問題視されています。歯科で言えばオーラルフレイルですね。高齢の患者さんが多くなってきたことに伴い、オーラルフレイルに注力する新しい取り組みを始めています。

オーラルフレイルについて教えてください。

オーラルフレイルとは、口腔の機能が衰えた状態のことで、嚥下、いわゆる飲み込む力が衰えたり、むせる、痰が絡むなどの問題が出てきます。咀嚼といって噛む能力の低下もその一つです。特に口腔は「健康の1丁目1番地」と昔からいわれているように重要なところです。食べることは健康の基本ですし、人は口から食べるわけですから咀嚼や嚥下の問題への取り組みは注力していきたい分野ですね。フレイルの状態になってからの回復がなかなか難しいので、早めに手を打つことが大切です。

高齢の方の訪問診療もされているそうですね。

内田治雄院長 うちだ歯科医院4

当院には開院当初から20年以上通院されている患者さんもいらっしゃいますが、誰しも年齢を重ねるとともに少しずつ介護状態に近づいていくものです。実際に、通院できなくなった方から「月に1回でもいいので、口腔ケアや検診をしてくれないか」という要望もありました。僕自身もそうですが、地域の皆さんも同院と一緒に年を重ね、90歳近い患者さんもいらっしゃいます。訪問だけを専門にしている歯科医院も増えていますが、当院のように長い時間軸で診てきたからこそ、口腔の状態や生活背景などわかっていることも多いですので、患者さんも安心していただける面はあると思います。訪問した時はクリーニングやポリッシングを行い、「ごっくんしづらいなどはありませんか?」など、嚥下や咀嚼についての問診を定期的に行い、患者さんの健康をサポートするようにしています。

オーラルフレイル予防で健康寿命の延伸をサポート

先生が歯科医師を志したきっかけを教えてください。

内田治雄院長 うちだ歯科医院5

まだ僕が幼稚園生だった頃、今年で89歳になる母はよく歯科医院に治療に行っていました。幼稚園生だったので、僕も母と一緒に行って待合室でその様子を見ていました。そして、「いつかは僕がお母さんの歯を治す歯医者さんになりたい」と思ったことが、一つのきっかけではありましたね。実際に歯学部の医局員になってからは、10時間以上休憩なしで手術のアシスタントをすることもありましたが、不思議と厳しさに音をあげることはなく「歯科の仕事が好きなのだ」と自覚できたのもこの頃です。本格的に歯科医師として活動を始めてからは、一般外来の患者さんの治療以外にも入院して治療しておられる患者さんをベッドサイドで治療することもありました。そういった経験を当院で患者さんに還元できるよう努めています。

先生は浦安市歯科医師会を通じて社会福祉活動にも積極的に参加されているそうですね。

患者さんの介護状態、いわゆる要介護1とか要介護2とかを決める審査を行っています。そこでは、歯科医師が患者さんの飲み込む力や自分で口腔ケアができるかなどの判断をします。ほかにも、医師や看護師、ケアマネジャーや理学療法士、作業療法士なども一緒にトータルで判断していきます。いわゆる地域包括ケアと呼ばれるものですが、そこで僕は6年ぐらい活動しています。その経験の中で思うのは、介護が必要な状態にならないように健康寿命を長く維持してもらいたいということです。衰えは自分ではなかなか気がつかないものですから、診療ではその予兆を見逃さないよう心がけています。

今後の展望についてお聞かせください。

内田治雄院長 うちだ歯科医院6

オーラルフレイルへの取り組みは、僕の歯科医師としての集大成と考えています。新型コロナウイルス感染症の流行というご時世もあり、診療の前は患者さんに消毒液の入った水でうがいをしてもらうのですが、うがいできない方は嚥下にも問題があることが多いので、一つの目安になります。今後は、咀嚼能率検査や舌圧検査などのオーラルフレイルを確認するための検査を活用していきたいと思います。高齢の方が自らオーラルフレイルに気づいて来院されるということはまずないので、ご家族や周囲の方が気づいて、受診を促してあげてほしいですね。例えば「最近、お父さんよくむせるな」など、日常生活の中でオーラルフレイルの可能性を考える視点を持ってもらえたらと思います。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

日本は欧米に比べて、介護期間が長い国です。介護期間は、寝込んでから10年といわれていますから、その期間を少しでも短くしていきたいですよね。人生において「ピンピンコロリ」はベストだと思いますが、日本では10人中9人が介護の必要な状態になるといわれているのが現実です。当院では、オーラルフレイルの予防につなげるために、口福(こうふく)体操と呼ばれる口腔機能を鍛えるための体操の冊子を渡したり、指導もしています。僕ら歯科医師だけでなく、すべての医療人が努力し、患者さん自身も口腔体操や日々の散歩などを生活に取り入れて、健康寿命を伸ばしていただきたい。そのためのお手伝いをさせていただくので、何か心配なことがあればいつでも気軽にご相談ください。

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

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