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青木 正則 院長の独自取材記事

青木耳鼻咽喉科クリニック

(広島市佐伯区/五日市駅)

最終更新日:2021/10/12

青木正則院長 青木耳鼻咽喉科クリニック main

JR山陽本線の五日市駅から車で5分。「青木耳鼻咽喉科クリニック」は院長の青木正則先生が2003年に開業したクリニックだ。出迎えてくれた青木先生は、朗らかで温厚な印象。父が消化器外科の医師で五日市に開業し、地域の人に頼りにされる姿を見て育ち、自然と医師に憧れを持ったという。クリニックには青木先生の幼なじみも多く訪れ、ファミリー層が多いエリアで子どもの患者も多く、院内はアットホームで温かな雰囲気だ。舌下免疫療法やアルゴンプラズマ凝固装置を使った治療など、注力する治療の話から、趣味の家庭菜園のことまで、一つ一つ丁寧に答える姿勢に、先生の誠実で優しい人柄を感じる取材であった。

(取材日2020年8月3日)

開業医の父の姿に憧れ、地元に開業

先生はなぜ医師を志したのでしょうか?

青木正則院長 青木耳鼻咽喉科クリニック1

父が消化器外科の医師で、五日市で開業医をしていたんです。当時、父は休みなく働いていたのですが、毎日一生懸命診察や手術をして、患者さんに感謝されていました。その姿に憧れて私も医療の道を志すようになり、岡山県の川崎医科大学に進学しました。耳鼻咽喉科、アレルギー科を専門に選んだのは、高校生の頃に私自身がスギ花粉症になったことがきっかけです。当時は今のように花粉症は知られていませんでしたし、学生ということもあって治療にもあまり通わなかったので、自分が花粉症だとわかったのはもっと後からなのですが、風邪でもないのに鼻水が出るようになり、どうしたら改善するのか考えて興味を持つようになりました。

開業までのご経歴をお聞かせください。

青木正則院長 青木耳鼻咽喉科クリニック2

大学卒業後は広島大学病院に入局し、関連病院の国立呉病院(現・呉医療センター)、広島赤十字・原爆病院での勤務を経て、香川県の丸亀市にある麻田総合病院(現・まるがめ医療センター)で主任部長、東広島市西条にある本永病院で部長を務めた後、2003年に地元である五日市で開業しました。丸亀と西条の病院は大学病院ほど忙しくはなかったので、一人ひとりの患者さんをゆっくり診ることができ、その時に患者さんのお話を聞くことの大切さを改めて感じました。今も患者さんのお話をしっかり聞く診療スタイルは変わっていません。地元に開業したということもあって、開業当時は父の患者さんたちが風邪や体調不良になると来院してくれたものです。小中学校の同級生もたくさんいるので、よく相談に乗ったり、連携する医療機関の紹介をしたりしています。

五日市の地域性や患者層について教えてください。

小児の患者さんが全体の3割ほどを占めていて、主に鼻水、アレルギー性鼻炎、中耳炎、感染症で受診されています。高齢の患者さんも3割ほどになり、めまいや難聴といった相談が多く、残り4割は年代もさまざまです。耳鼻咽喉科領域のめまいは、めまい全体の4割ほどを占め、代表的なものにメニエール病、良性発作性頭位めまい症などがあります。めまいの患者さんは受診するだけでも大変です。当院はビルの3階にありますが、院内をバリアフリー化して車いすのままで入れますし、事前にご連絡をいただければ看護師が階下にお迎えに行っています。また他に多い相談だと、花粉症は毎年増えていますし、咳喘息を含めた咳の症状が長く続く方が増えているのが気になります。咳の原因はまだはっきりとわかりませんが、吸入薬や内服薬、ステロイド薬や気管支拡張剤、抗アレルギー薬などを患者さんに合わせて処方しています。

子どもの患者も安心できるような治療を提供

診療ではどのようなことを心がけていますか?

青木正則院長 青木耳鼻咽喉科クリニック3

お子さんが多いので、できるだけ怖がらせないように、器具は直前まで見せないようにしています。小さいお子さんだと、耳を見せてもらうだけでもひと苦労。金属の器具はお子さんの不安をあおりますから、お子さん自身が安心して治療を受けられるようにしたいのです。慣れてくると面白がってくれたり、きょうだいの付き添いで来たお子さんが「自分も診てほしい」と言ってくれたりするのですけどね。スタッフの皆にも「患者さんに対してできるだけ笑顔でいるように」と伝えています。院内にはスタッフが作ってくれた折り紙や、お子さんが好きなキャラクターのポスターを飾って、安心できる雰囲気づくりにも努めています。

どのような治療や検査を受けられますか?

青木正則院長 青木耳鼻咽喉科クリニック4

耳の検査だと、難聴の専門的な検査を行っています。2歳くらいの小さなお子さんだと、言語発達の遅れから難聴の疑いのある場合にこの検査をすることもあります。他には、実際には聞こえているけれども精神的な問題で耳が聞こえなくなる心因性難聴もこの検査で判明することがあります。また鼻の治療では、3年半ほど前からアレルギー性鼻炎や花粉症の治療に、舌下免疫療法を取り入れています。アレルゲンを少量から投与することで少しずつ体を慣らしていく治療で、治療期間は3年かかりますが、喜んでくださる患者さんも多いですよ。他にアルゴンプラズマという装置を使って鼻の中の粘膜を焼く、下鼻甲介粘膜焼灼術もアレルギー性鼻炎の治療に役立ちます。

印象深い患者さんとのエピソードをお聞かせください。

勤務医時代ですと、嚥下障害のため食事ができるようにする目的で咽頭を切開した患者さんのことが印象に残っています。手術自体は無事終わったのですが、その後胃がんが見つかって、残念ながらその方は数ヵ月後に息を引き取られました。それでも亡くなるまでの間、食事の楽しみをもう一度感じていただけたのであれば、良かったなと思います。開業してからだと、先ほどのアルゴンプラズマを使った難しい手術が記憶に残っていますね。鼻の奥からの微量出血に悩んでいた患者さんがいらっしゃって、当初は出血の原因がわからなくて大きな病院で検査をしてもらってようやく出血している場所を特定できました。細い管を通す作業になるため技術力が求められる難しい施術でしたから、印象深い症例でした。

超高齢社会に向けて、地域医療に貢献していく

スタッフさんとのコミュニケーションはどのように図っていますか?

青木正則院長 青木耳鼻咽喉科クリニック5

スタッフは看護師4人、受付4人の8人。それから医師が私一人です。スタッフに対しては、患者さんにできるだけ笑顔で対応するようにということ以外は、特別なことは言っていませんね。最近は業務が忙しくてあまりできていないのですが、時々、院内で食事会を開いて話し合いをしています。その他に医院のイベントとしては、夏の食事会と冬の忘年会があり、親睦を深めています。スタッフの年代はバラバラですが、全体的に和気あいあいとした雰囲気だと思います。

休日はどのように過ごされていますか?

青木正則院長 青木耳鼻咽喉科クリニック6

いろいろと趣味があって、船釣りによく出かけていますし、テニスも好きですね。ただ最近は新型コロナウイルスの影響もあるので、釣りやテニスはあまりしていません。その代わり、近くの畑で家庭菜園をしています。たくさんの種類の野菜を育てていて、ニンニク、じゃがいも、アスパラガスにトウモロコシ、落花生など……。結構本格的なんですよ。外で体を動かしたり、自分で野菜を育てたりしていることが、私の健康法になっています。

今後の方針と、読者へのメッセージをお願いします。

アレルギー性鼻炎および花粉症は国民の3割以上が罹患しているともいわれます。最近は舌下免疫療法でゆっくりと体質を改善していく目的の治療もありますから、気軽にご相談ください。開業から15年以上がたちますが、おかげさまでここまで順調に歩むことができました。今後もこの状態をキープすると同時に、これから迎える超高齢社会に対して、当院も柔軟な対応が必要だろうと考えています。現在は往診に対応していますが、訪問診療も視野に入れて考えたいです。また嚥下の状態を確認して、施設と連携しながらリハビリを進めていくなど、地域医療に貢献をしていきます。

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