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症状が長引くのには理由がある
咳や喘息との適切な付き合い方

うめもとクリニック

(枚方市/長尾駅)

最終更新日:2022/12/14

うめもとクリニック 症状が長引くのには理由がある 咳や喘息との適切な付き合い方 うめもとクリニック 症状が長引くのには理由がある 咳や喘息との適切な付き合い方
  • 保険診療

特に体調不良はないのに咳が続く、夜中になるといつも咳が止まらないといった、咳にまつわる原因不明の症状や、喘息などの呼吸器疾患を抱えて苦しんでいる人は決して少なくはないだろう。長引く咳や喘息による不安などストレスを抱えたままでは、日常生活に大きな支障が出ている人も多いと想像できる。今回はそのような咳にフォーカス。地域のかかりつけ医として幅広い診療を手がけ、呼吸器疾患にも長い実績のある「うめもとクリニック」の梅本真三夫院長に、長引く咳の特徴や原因、対処の仕方について話を聞いた。

(取材日2020年4月2日/再取材日2022年8月18日)

「たかが咳」と軽く見ず、長引く場合は医師の診断を受け、原因を見つけていくことから始めよう

Q「長引く咳」とは、どれくらいの期間を指しますか?
A
うめもとクリニック 患者としっかりと向き合い、丁寧な対応を心がけて診療を行う

▲患者としっかりと向き合い、丁寧な対応を心がけて診療を行う

私たち医師は3~8週間の咳を遷延性咳嗽(がいそう)、8週間以上を慢性咳嗽と呼び、3週間以上を一つの目安としていますが、それはあくまで分類上の定義です。一般的な感覚なら1〜2週間も続けば長いと感じるのが普通でしょうし、長い短いはあくまで人それぞれですから、そこはケースバイケースですね。原因となる疾患の種類や質によって咳の種類も異なり、痰が絡んだ湿った咳、乾いた咳、発作的に出る咳などさまざまです。長く診療していると、待合室から聞こえてくる患者さんの咳でだいたいの見当がつく場合もありますが、咳の原因疾患を問診や検査などから総合的に診断していくことが治療の第一歩となります。

Q咳が止まらない場合、どのような病気の可能性がありますか?
A
うめもとクリニック 喉の奥を一瞬で撮影できる機器を用い、患者の負担を削減

▲喉の奥を一瞬で撮影できる機器を用い、患者の負担を削減

子どもの咳は、鼻水が喉に流れ込んで咳き込みが生じる後鼻漏(こうびろう)が非常に多いですね。この原因にはアレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などがあります。もう一つの代表が喘息で、ヒューヒュー、ゼーゼーという喘鳴(ぜいめい)のある気管支喘息と、乾いた咳が続く咳喘息があります。ほかにもアトピー咳嗽、風邪やインフルエンザの後の遷延性咳嗽、マイコプラズマ肺炎、クラミジア感染症、ウイルス感染によって発症する急性気管支炎、百日咳、逆流性食道炎、肺気腫など実にさまざま。昨今は新型コロナウイルス感染のケースも考えられます。もちろん肺がんや肺結核の可能性もありますので、見落とさないよう注意が必要です。

Qこちらのクリニックでは、どのような治療を行っていますか?
A
うめもとクリニック 症状に合わせて柔軟な対応ができるよう喘息の吸入薬も完備

▲症状に合わせて柔軟な対応ができるよう喘息の吸入薬も完備

咳の診断は問診が最も重要です。原因である犯人を絞り込んでいくような作業になりますが、その方法は100人いれば100通り。すべてオーダーメイドの治療となります。想定される原因が喘息系やアレルギー系なら吸入剤を試し、感染性なら抗生剤を使って1週間ほど様子を見ます。また、季節性の咳かどうか、身内に咳をしている人がいないか、お子さんの場合は異物を吸い込んでいないかなどの問診も必要です。万一、当院で診断治療が難しい場合は、近隣の中核病院や大学病院など、専門の医師を紹介しています。こうした連携で患者さんをサポートすることも、かかりつけ医の大切な役割ですね。

Q喘息は治療をすれば治るのでしょうか?
A
うめもとクリニック 診療時の患者に対するケアも丁寧に行う

▲診療時の患者に対するケアも丁寧に行う

喘息は「治す」のではなく「付き合っていく」のが基本です。完全にはなくならなくても、出ない状態をキープできれば、ストレスなく過ごすことも可能でしょう。子どもと大人では喘息の性質も異なり、小さな子どもは気管支が細く、ちょっとしたことですぐに喘鳴を起こします。大人の場合はアレルギー性鼻炎で敏感になって咳が出る人が多いのが特徴で、鼻から喉、喉から気管支と、一つのつながった気道で発症します。現代は吸入剤が進化し、重症の喘息はずいぶん減りました。本来、吸入療法はずっと続けていくべきなのですが、費用面のこともありますから、ご自身の生活の無理のない範囲でマイペースに受けていただくと良いでしょう。

Q日常生活で気をつけるべきことは何ですか?
A
うめもとクリニック 患者の生活にも寄り添いながら適切なアドバイスを行う

▲患者の生活にも寄り添いながら適切なアドバイスを行う

咳に一番悪いのは喫煙で、特に差が出るのは病気になった時です。喫煙者の気管支は粘膜表面にある線毛が傷んでおり、風邪や気管支炎になると痰がたまりやすくなります。また、全身麻酔が必要な時に術後の呼吸器合併症のリスクが上がります。咳を気にする前に、まず喫煙習慣を見直すことも必要でしょう。あと、市販薬は用法や容量をきちんと守り、何日か飲み続けても変わらないようでしたら必ず医師の診療を受けてください。何が効かなかったという、そのこと自体が参考になります。例えばほかの医療機関から移って来られる方も、前に飲んでいた薬を含めそれまで受けてこられた治療内容を詳しく教えてもらえれば、スムーズな診断につながります。

ドクターからのメッセージ

梅本 真三夫院長

咳は人間の防御反応の一つ。異物や痰など、体に悪いものを外に出そうとして出る症状です。決して悪者ではありませんから咳を止めることだけにとらわれず、その原因となる疾患に対処できれば結果として咳が収まるとお考えください。一方で肺がんや肺結核など大きな疾患が隠れている可能性もあります。つまり軽んじてもいけないわけで、そういう意味では奥が深い領域ですね。受診の際にはご自身の症状や経過などをなるべく丁寧に説明してください。特にお子さんの場合は、お母さんの観察力が大いに助けになります。喘息に関しては、吸入剤が合えば改善する可能性も大いに期待できます。これまで諦めていた方も、お悩みであれば一度ご相談ください。

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