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できるだけ早く皮膚科に相談を
赤あざのレーザー治療

こやの皮フ科

(我孫子市/我孫子駅)

最終更新日:2024/05/15

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  • 保険診療

青あざ、茶あざなど多種類が存在するあざの中でも、あまり知られていない赤あざ。生まれた時から、または生後間もなく出現するわかりやすい見た目であるにもかかわらず、医療機関で治療を受けずに放置してしまう側面があるあざだそうだ。昔から「自然に治る」といわれ続けてきた一方で、完治できないケースが多いのも事実。加えて、治療時期が遅ければそれだけ治療の難易度も飛躍的に上がるという。こうした実状を踏まえ、「こやの皮フ科」の古谷野妙子院長は赤あざの治療に注力。子どもたちが嫌な思いをしないよう必要な機器をそろえ、早期の治療介入の必要性を呼びかける。今回は皮膚の専門家である古谷野院長に、赤あざの特徴や受診の目安、具体的な治療の流れなどについて聞いた。

(取材日2024年4月16日)

放置すると赤みが消えない、皮膚のたるみが残るなどのリスクが。早期の介入でコンプレックスのない人生を

Q赤あざとはどのようなあざなのでしょうか?
A
こやの皮フ科 赤あざの治療で大切なのは情報をキャッチする力

▲赤あざの治療で大切なのは情報をキャッチする力

毛細血管の増殖により、血中の赤血球が透けて鮮やかな赤色に見えるのが赤あざです。基本的に乳児に認められるあざで、生まれつきものである単純性血管腫と、生後1週間から1ヵ月ほどで現れるいちご状血管腫に大別されます。後者は文字どおりいちごのような見た目が特徴で、立体的に盛り上がってくるケースもあります。こちらは小学校入学までに大半が治る病気とされていますが、たとえ色が消えても一度伸びた皮膚が余り、たるんでしまうのが難点です。さらに単純性血管腫は放置すると一生赤色が残り、いちご状血管腫と同様に一部が盛り上がってくる可能性もありますので、そうならないように両タイプとも早期のレーザー治療をお勧めします。

Q治療開始の目安を教えてください。
A
こやの皮フ科 施術における安全面の配慮も手厚い

▲施術における安全面の配慮も手厚い

若ければ若いほど表皮が薄くレーザーがよく届くので、1歳までに始めるのが望ましいです。ある程度大きくなったお子さんへの照射は多少の痛みが伴う上、目を保護するための目隠しが必要ということもあり、安全面から当院が考える治療の適齢期は生後2ヵ月から2歳まで。治療中に暴れても2歳までなら抑制できるという理由もあり、できるだけ早く治療してしまおうという方針です。また、いちご状血管腫は数回の照射で終わるのに対し、単純性血管腫は長期戦となりがちで、学童期までにあざを治療できないケースも少なくありません。そのため、治療の経過の違いや、治療が終わる目安の時期も事前に説明し、親御さんの不安の払拭に努めています。

Q赤あざのレーザー治療はどのように進められますか?
A
こやの皮フ科 治療時期が遅ければそれだけ治療の難易度も飛躍的に上がるという

▲治療時期が遅ければそれだけ治療の難易度も飛躍的に上がるという

照射前には麻酔が必須なため、貼るタイプか塗るタイプの麻酔を施して1時間以上お待ちいただきます。張り薬は患部がシールの範囲内に収まっており、かつ平らである場合に使用します。ご自宅で貼ってから来院されたほうがその後の施術がスムーズです。反対に塗り薬は、患部が広かったり凹凸が見られたりする場合に採用しています。塗布後はラップで表面を覆い、院内待機していただきます。レーザー治療は保険適用の処置であり、3ヵ月ごとに通院いただきながら色味の消失をめざします。期間はあざの大きさなどによって異なるため一概には言えませんが、18歳未満の治療費は、市の高校生等医療費助成制度による優遇を受けられるのがメリットです。

Q赤あざのレーザー治療は比較的最近の治療法と聞きました。
A
こやの皮フ科 患者のコンプレックスに寄り添った診療

▲患者のコンプレックスに寄り添った診療

赤あざのレーザー治療は21世紀に誕生した治療です。加えて機器が普及しているのは大学病院や基幹病院に限定され、クリニックレベルでの導入は非常に少数だと思います。そんな中で当院が機器を保有しているのは、お子さんのコンプレックスを解消したいから。何を言ったら相手が傷つくかがわからない時期の子どもは、外見のネガティブな部分も口に出してしまうんですよね。赤あざは自然に治ることが多いとはいえ、私もお子さんの細い腕に鶏の卵ほどの大きさのこぶができ、治療してもたるんだ皮膚が残ってしまうのを見ると心が痛みます。お子さんに不快な経験をさせないためにも、社会貢献の一環として治療に取り組んでいます。

Q術後のケアや傷痕のリスクについても伺います。
A
こやの皮フ科 皮膚の悩みは気になることがあったら早めに相談してほしいと語る

▲皮膚の悩みは気になることがあったら早めに相談してほしいと語る

術後の注意点は皮膚を強くこすらない程度で特別な処置などもなく、普段どおりお過ごしいただけます。入浴や患部の洗浄も翌日から可能です。ただ、ごくまれにレーザーの出力が強すぎた場合に水膨れや血豆といったやけどの症状が現れるケースがあります。通常は術後2~4週間後に再受診を促しておりますが、それまでの間にこうした変化が見られたら早めにご相談ください。やけどの治療に準じて軟こうを処方いたします。なお、治療によって水膨れができたとしても、浅いやけどのためレーザーの瘢痕が残ることはほとんどありません。より安心して治療に臨めるよう、リスクが伴うことと心配しなくてよいことをしっかり区別してお話ししています。

ドクターからのメッセージ

古谷野 妙子院長

私は長年医療に携わってきましたが、様子見をしていたら想像以上に悪化し、治療の適齢期を過ぎてしまったというケースは決して少なくないと感じています。肉体的な成長に問題がなくても、皮膚の異常は誰が見てもわかるものです。だからこそお子さんの赤あざは、集団生活が始まる前に何とかしたいというのが親心だと思います。赤あざの治療で大切なのは情報をキャッチする力。お子さん自身で何とかできる病気ではありませんので、ぜひ親御さんがアンテナを張り、気になることがあればクリニックに相談してみてください。そこで小児科や産婦人科だけでなく、当院のようなレーザー機器のある皮膚科があることも知っていただけたらうれしいです。

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