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山内 淳 院長の独自取材記事

にわ小児科

(泉佐野市/日根野駅)

最終更新日:2023/10/13

山内淳院長 にわ小児科 main

JR阪和線日根野駅東口から徒歩2分の「にわ小児科」。小児の一般診療から乳児健診、ワクチン接種、感染症、アトピー性皮膚炎、喘息、食物アレルギーまで幅広く対応している、地域に根差したクリニックだ。2023年9月からは、小児のアレルギー疾患を専門とする山内淳先生が院長となり、同院を継承。「前院長である丹羽久生先生のご意思を引き継ぎ、地域の皆さまに頼っていただけるようなクリニックをめざしていく」と意気込みを見せている。明るく話し上手な山内院長は、同院のベテランスタッフと連携しながらコミュニケーションを重視した診療を展開。「一番の先生は、患者さんなんですよ」と話す院長に、診療へかける想いを聞いた。

(取材日2023年9月30日)

子どもたちを笑顔にしたくて小児科の医師に

まずは、こちらのクリニックを継承されるまでの経緯を教えてください。

山内淳院長 にわ小児科1

兵庫医科大学を卒業後、生長会ベルランド総合病院や加古川市民病院(現・加古川中央市民病院)、県立尼崎病院(現・兵庫県立尼崎総合医療センター)などに勤務。約18年にわたって小児総合内科やNICUなどの小児医療に携わってきました。最も注力してきたのは小児のアレルギー診療で、日本小児科学会小児科専門医、日本アレルギー学会アレルギー専門医の資格も取得しています。地域のクリニックで診療したいと考え始めたのは、もっと患者さんの暮らしに寄り添った診療をしたいという想いが高まったからです。今はお子さんの5~10人に1人はアレルギーを持っているという時代ですから、アレルギーに関する正しい知識を広めつつ、患者さんと楽しくおしゃべりしながら診療できる環境に身を置きたいと考えました。そんな時に、地域に根差した小児アレルギー診療を行っておられた丹羽先生にお話をいただき、当院を継承するに至ったのです。

先生が小児科の医師になり、アレルギー診療を専門とされたきっかけは何だったのですか?

僕は小さい頃から人と話をするのが好きで、何か手に職をつけて人と接する仕事に就きたいと考えていたんです。そこでめざした職業が医師でした。最初はアニメの外科医に憧れて外科に進もうとも考えましたが、もともと子どもと話すのが好きだったこともあり、子どもたちを笑顔にできる小児科の医師になろうと決意しました。アレルギーを専門としたのも、診療において特に患者さんとのコミュニケーションが重要となる分野だったからです。アレルギー疾患は日頃の食事などの生活内容が診断や治療に大きく関わりますから、患者さんから教えていただく情報が大事なんです。多くの患者さんを先生として、専門性を高めることができました。

こちらのクリニックの特徴を教えてください。

山内淳院長 にわ小児科2

丹羽先生の時代から在籍している、小児医療やアレルギーへの知識が豊富なスタッフがそろっているところです。アレルギー疾患に精通した看護師もいて、偶然、僕が以前から使っていたテキストと同じものを持っていたので驚きました。この人たちとなら、同じ想いで一緒に診療していけるとうれしくなりましたね。診察室は2室あり、1つは発熱している患者さん用に使っています。今回新たに、アニメのキャラクターが出てきて楽しく検査を受けてもらえるような呼吸機能検査の機器も用意しました。その他にも、子どもたちが安全に、緊張せずに検査や処置を受けられるような工夫を施しています。また患者さんやご家族には、アレルギー治療に詳しいスタッフが作った資料などもお配りしています。

相談しやすい環境づくりに注力

先生が診療で心がけていらっしゃることは何でしょう?

山内淳院長 にわ小児科3

お子さんや親御さんの訴えをよく聞いて、僕の考えもしっかりと伝えるようにしています。僕は患者さんが治るまでじっくり添い遂げたいと思ってこのクリニックを継承したので、とにかく親身になって相談に乗りたいと考えています。なぜこんな症状が出ているのか、なぜこの薬を出すのかという理由がわかれば、親御さんもお子さん本人もきっと安心して頂けるのではと考えています。 アレルギー診療はここ数年の間で劇的に変わってきていて、一般の方にはまだよく知られていないこともたくさんありますから、正しく理解してもらうことが一番ですね。課題は、「診療の質と量の両立」です。限られた時間内で、いかに質の高い医療と情報を、より多くの患者さんに提供できるかが肝心だと思っています。

患者さんとのコミュニケーションを大切にされているのですね。

そうですね。外来は、僕にとってはライブのようなものです。事前の想定どおりにはいかず、初めて会う人とその場でいい関係性を築いていかないといけません。長年診療をするうちに、それが少しずつ培われてきたかなと思います。患者さんやご家族にもいろんな性格の方がいらっしゃるので、相手のトーンに合わせて会話するように心がけていますね。僕は話しやすいタイプの医師なのか、お子さんや親御さんからとてもよく質問されるんですよ(笑)。それは良いことだと思うので、気軽に相談できる環境づくりは大切にしていきたいです。説明する時間はできるだけ長くして、その他の処置は効率良くやっていければと考えています。

そのためにはスタッフさんとの連携も大切ですか?

山内淳院長 にわ小児科4

もちろんです。医師は患者さんへの治療に対して責任を取る立場ではありますが、僕が患者さんを診る時間は限られていますから、看護師にも入ってもらって、いろんな視点から話をしてもらう必要があります。特に相談の多いアレルギーに関しては、チームで対応できるように、新たに「アレルギー指導室」を設けてアトピー性皮膚炎のスキンケアや食事指導などを行えるようにしました。治療に関しては僕が、看護やケアに関しては看護師が専門家ですから、どちらかが「指導、指示」するのではなく、お互いに意見を言い合う関係性をつくることが大切だと思っています。それが最終的には患者さんのためになっていくのではないでしょうか。

アレルギーに関する正しい知識の普及にも尽力

先生が専門とされているアレルギー治療について教えてください。

山内淳院長 にわ小児科5

一つ知っておいていただきたいのは、採血結果で食物アレルギーは診断できないということです。例えばお子さんが食べ物を食べてじんましんが出ると「アレルギーでは」と心配になって、すぐに血液検査で確かめようとする人は多いと思いますが、アレルギーではない食べ物にも反応して数値が上がることがあります。検査の数値だけ見ると「食べるのを控えましょう」「たくさん食べないようにしましょう」となってしまいますが、本当は食べても問題ない場合が少なくないのです。子どもが無意味に偏食になってしまうこともあるので、採血結果イコール食物アレルギーと決めつけるのは危険です。気になることがあれば、やはりアレルギー専門の医師に相談するのが一番ですね。

アレルギーに関しては、まだ誤解されている部分が多いのですね。

思いのほか、正しい情報や治療法が世間に伝わっていないように感じていますね。インターネットを見ると、まったく逆効果の治療法が勧められていたりもしますし、それを信じてしまってアレルギー難民と言われる状態になってしまっている人も少なくありません。ですから、これからはホームページなどを通じて正しい情報発信をしていければと考えています。親御さんには学術的に正しい知識を身につけていただいて、それをお子さんに還元していただきたい。そのきっかけとして当院に相談に来ていただければうれしいです。当院には保育士も在籍していて、院内に掲示するポスターなども制作してもらっていますから、お越しの際にはぜひご覧いただければと思います。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

山内淳院長 にわ小児科6

患者さんの症状やお困り事に応じてアレンジしながら治療を提供していけるように、良い関係性を構築していきたいと考えています。病院にかかりきりになることなく、ご自宅でも自立して楽しく暮らしていけるように、いろんな情報提供をしていきたいです。この度、インターネット予約を導入したので、空いている都合のいい時間にご予約を入れていただけるようになりました。もちろん、飛び込み受診もウェルカムです。思いついたときに受診できて、「気になったらまた明日も来ます」と言える気軽さが地域のクリニックの魅力だと思っていますから、困っていることがあれば何でもご相談ください。

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