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MRIを活用した認知症の検査と診療は
脳疾患の早期発見にも有用

しもかわクリニック

(越谷市/大袋駅)

最終更新日:2023/10/25

しもかわクリニック MRIを活用した認知症の検査と診療は 脳疾患の早期発見にも有用 しもかわクリニック MRIを活用した認知症の検査と診療は 脳疾患の早期発見にも有用
  • 保険診療

高齢社会の中で認知症患者は増える一方だ。アルツハイマー病の新薬がニュースになり注目度も高いだろう。認知症には「治ることも期待できる認知症」と「現状では治すことが難しい認知症」の2種類に分かれるそうだ。不安があるならば一刻も早く医療機関の診断を仰いでほしいと「しもかわクリニック」の下川雅丈院長は警鐘を鳴らす。なぜならば「治ることも期待できる認知症」でありながら見過ごされ、適切な治療を受けられず「治すことが難しい認知症」に至るケースが後を絶たないからだ。認知症の相談窓口となっている診療科はいくつかあるが、中でも脳神経内科ならば生活習慣病などの相談もできるという。大学院ではアルツハイマー病について研究し、現在ではMRI検査にも力を入れている下川院長に、認知症の検査と診療について詳しく聞いた。

(取材日2023年9月26日)

MRI検査や血液検査で認知症の種類を早期に診断していかに早く治療をスタートするかが鍵

Q貴院では認知症の治療にも力を入れていますね。
A
しもかわクリニック 手術が必要な場合は速やかに高度医療機関を紹介している同院

▲手術が必要な場合は速やかに高度医療機関を紹介している同院

認知症において大事なのは「治ることも期待できる認知症」と「治すことが難しい認知症」があるという点です。例えば、アルツハイマー病は「治すことが難しい認知症」です。患者さんがどちらに相当するのか判断するのは医療機関であり、治療対象となるのは「治ることも期待できる認知症」になります。「治ることも期待できる認知症」とは、例えば、ビタミンやホルモンの不足が原因となっているケースで、足りない成分を投与することで改善が期待できます。脳血管障害、脳腫瘍などの脳の病気が認知症を引き起こすこともあり、この場合は手術などが必要になるため、当クリニックでは提携している高度医療機関を紹介しています。

Q認知症とはどのような病気なのでしょうか。
A
しもかわクリニック 物忘れのほか、幻視や幻覚が表れる症状もあるという

▲物忘れのほか、幻視や幻覚が表れる症状もあるという

一言で表現するのは難しいのですが、認知症とは、もともと正常だった認知機能が、何かしらの原因でどんどん低下していき、ついには日常生活や社会生活に支障を来たす病気です。よく知られている症状が物忘れですが、物忘れが起きない認知症もあります。例えば、前頭側頭型認知症は日常生活での行動異常が特徴です。その他、幻視や幻覚が表れることもありますが、認知症ではなく精神疾患が原因というケースもあるので、認知症由来なのかどうか総合的に判断していかなくてはいけません。

Qかかりつけの医師がいるメリットを教えてください。
A
しもかわクリニック 認知症の家族を抱える家庭からの相談にも対応

▲認知症の家族を抱える家庭からの相談にも対応

「治ることも期待できる認知症」に関しては、かかりつけ医ならば認知症だけではなく生活習慣病なども含めてトータルケアができるというのが大きなメリットと言えるでしょう。一方、「治すことが難しい認知症」はどう治療するかではなく、いかにうまく付き合っていくかが課題になります。したがって、必ずしも医療機関に通院しなければならないというわけではありません。しかし、認知症の家族を抱えてお困りのご家族もいらっしゃいますし、当クリニックでもご相談に対応しています。それぞれのご家庭のライフスタイルを伺って、生活上のアドバイスをしていくことになりますが、これもかかりつけ医ならばよりきめ細かな対応ができるでしょう。

Q物忘れに関する外来についてもお聞かせください。
A
しもかわクリニック 脳神経内科として内科的な病気も同時に受診可能

▲脳神経内科として内科的な病気も同時に受診可能

実際のところは物忘れを訴える患者さんを専門に診ているわけではありません。最近、物忘れに関する外来を設置している病院も増えていると思いますが、実は「治ることも期待できる認知症」をピックアップするための場所なんです。「治すのが難しい認知症」の相談窓口ではないという点に注意してください。また、認知症の心配があり病院にかかりたいという時は、必ずしも物忘れに関する外来を探す必要はありません。脳神経内科、精神科、心療内科など、いずれかにかかれば良いでしょう。当クリニックは脳神経内科ですので、生活習慣病など内科的な病気も同時に診られるという利点があります。

Q認知症の治療でMRI検査を利用するメリットは何ですか。
A
しもかわクリニック MRI検査で脳の萎縮などの形態の変化を確認

▲MRI検査で脳の萎縮などの形態の変化を確認

「治ることも期待できる認知症」なのかどうか診断するためには血液検査、問診などを行いますが、MRIで脳の萎縮など形態の変化を検査すれば診断の参考になります。当クリニックでも力を入れているMRI検査ですが、認知症以外の病気も早期発見できるのも大きなメリットと言えるでしょう。急性期脳梗塞や腫瘍などのCT検査では抽出困難な頭部の小さな病変も見つけられるため、早期に治療を開始することも十分可能です。重篤な脳疾患を予防して、患者さんの生活の質を保つことが期待できるのではないでしょうか。

ドクターからのメッセージ

下川 雅丈院長

認知症は高齢者の疾患というイメージかもしれませんが、40代でなる人もいます。どういうタイプの人が認知症になりやすいとも一概には言えません。家族の言動がおかしいかもしれないと思ったら、とりあえず、物忘れに関する外来などへの受診を勧めてください。当クリニックでは「自分は認知症かもしれない」と、ご自身で疑って来院する人も少なくありません。MRI検査によって脳疾患が見つかるケースもあります。認知症への不安をきっかけに、その他の疾患も管理していくようにしてみてはいかがでしょうか。

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