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稲本 元 院長、稲本 伸子 副院長の独自取材記事

自由が丘南口クリニック

(世田谷区/自由が丘駅)

最終更新日:2024/03/27

稲本元院長、稲本伸子副院長 自由が丘南口クリニック main

自由が丘駅から徒歩2分ほど。九品仏川緑道沿いに建つビル内にある「自由が丘南口クリニック」は、2023年12月に移転開業。もともとは同じ世田谷区奥沢6丁目で、長らく診療していたが、新たなスタートを切った。内科の診療や透析治療など、幅広く対応する同院で診療にあたるのは、日本の透析治療に早くから携わってきた稲本元院長と北里大学北里研究所病院で皮膚科部長を務めた妻の稲本伸子副院長。どちらも大学病院での勤務が長く、さまざまな診療に携わってきたベテラン医師だ。豊富な経験を持ちながらも、とても気さくな2人に、移転した経緯や診療内容などについて詳しく聞いた。

(取材日2024年2月26日)

一般内科から透析治療まで経験豊富なドクターが対応

開業30年以上の歴史あるクリニックですが、力を入れている診療について改めて教えてください。

稲本元院長、稲本伸子副院長 自由が丘南口クリニック1

【元院長】私は日本で透析が始まってすぐ、まだ全国的に専門の医療施設が少ない頃から、慶應義塾大学病院で40年ほど腎臓の研究と透析治療を行ってきました。現在はクリニックで透析治療の専門家として在宅透析治療にも対応しています。私は透析治療の専門家として当院で診療を行っているほか、糖尿病や高血圧症の治療にも長く携わってきましたので、その経験も生かして、一般的な内科診療にも対応しています。
【伸子副院長】私は幅広く皮膚科全般を診ています。北里大学北里研究所病院に長く勤め、皮膚科部長を務めた後、こちらに来ました。また、若い時から透析治療にも関わっており、現在に至っています。後輩が北里研究所病院などにいるので、連携もスムーズに行えます。私は、時間をかけてじっくり診ることが好きなので、大規模病院だとなかなか難しいことですが、開業医はそれができるのがいいですね。

以前は同じ世田谷区奥沢で開業されていたそうですね?

【元院長】当院は1992年からずっと世田谷区奥沢6丁目のビルの3階で開業していました。ところが老朽化などもあってビルを建て替えることになったため、昨年12月にこちらのビル竣工に伴って移転しました。当院はビルの8階にありますが、このフロアに入っているのは当院だけなのでエレベーターを降りるとそのままクリニック内につながる造りとなっています。広さは以前の場所のほうが広かったのですが、ここは駅から近く、便利なところです。自由が丘は学生の頃から住んでいたので、なじみのある場所です。
【伸子副院長】ビルの8階なのでとても眺めが良いんですよ。天気が良い日は、房総半島やベイブリッジ、南アルプス、富士山など、1都5県の景色が見えます。でも、以前から通ってくださっている患者さんの中には、距離が遠くなってしまった方もいるので、そこはたいへん申し訳なく思っています。

院内のレイアウトなどで工夫されたことはありますか?

稲本元院長、稲本伸子副院長 自由が丘南口クリニック2

【元院長】インテリアなどにこだわりはなく、8階の窓から見える景色が何よりの自慢です。周囲のビルの中では一番高いと思うので、天気の良い日の景色は本当に素晴らしいです。大きな窓からは、二子玉川や武蔵小杉や溝の口のビルだけでなく、富士山、丹沢、秩父、南アルプスまで見えます。患者さんも、この美しい景色を楽しみにしていらっしゃいます。透析室の窓からも、富士山、丹沢、秩父の山が見えます。日本で一番高い富士山と、日本で2番目に高い北岳が見えるのが自慢なんですよ。移転してまだ日が浅いので、季節ごとにどんな景色が見えるのか私たちスタッフも楽しみにしています。
【伸子副院長】以前よりスペースは狭くなったので、透析のベッドや椅子など置き方に工夫して快適に過ごせるよう配慮しています。また院長の言うように当院からの眺望が良いことで、患者さんも気分が晴れやかに過ごしていただけるのではないでしょうか。

遠方、多忙な患者に大きなメリットのある在宅透析治療

現在、どのような患者さんが通院されていますか?

稲本元院長、稲本伸子副院長 自由が丘南口クリニック3

【元院長】今は移転前のクリニックに通われていた患者さんが多く、遠方から通われる方もいます。遠方の患者さんの中には、在宅透析治療を希望する方もいらっしゃいます。
【伸子副院長】長く通われている患者さんも多いので、家族ぐるみで親しくなることも。また患者さん同士が仲良くなって、そこから人のつながりができることもありますね。

在宅透析治療とはどのようなものですか?

【元院長】在宅透析は専用の機械をご自宅に設置して行います。保険診療では、通院治療ですと週3回、1ヵ月13~14回までと制限があり、それ以上はできません。また1回に4時間透析を行うと、通院時間を入れたら1日があっという間に終わってしまうという声もよく聞きます。一方、在宅透析は医師の指導の下、回数や時間の制限なく毎日行うことも可能です。通院透析のような食事制限もいらなくなるのも大きなメリット。通院の負担もなく、生活スタイルに合わせて透析の時間を決められるので、精神的にも楽だと思います。会社員の方などは帰宅後に行えますし、出張の時は帰ってから長めに行うなど、医師の指導の下であれば柔軟に対応できます。ただ自分で針を刺さなければならないので、どなたでもできるわけではなく、意欲と技術がないと難しいです。通院時に指導しますが、ご自身で針を刺せるようになるまでには3ヵ月~半年くらいかかるかと思います。

診療において大切にされていることは何ですか?

稲本元院長、稲本伸子副院長 自由が丘南口クリニック4

【元院長】患者さんが少しでも長生きできるようにサポートすることですね。そのためにはどうすれば良いか、それに尽きます。元気で長生きしてもらうことを基本に、それに沿うようじっくり話をし、それぞれの患者さんに必要な治療を提供することを心がけています。
【伸子副院長】患者さんの思いをくみ取り、それに沿った治療をすることを大切にしています。湿疹や水虫などの一般的な疾患は、患者さんに合うお薬や治療法を探すことが大切ですが、ちょっとした症状の中に重大な病気が隠れている可能性もあるので見落としのないよう、しっかり診るよう心がけています。普通ではない病気を見落とさないためには、常に勉強を欠かさないことが重要ですが、私は新しいことが好きなので勉強は苦になりません。薬もどんどん進化していきますし、病院でしか使えない薬も多くなってきています。長く勤務していた病院に呼ばれて診療を手伝うと、勉強にもなりますね。

今後も学び続け、患者のより良い暮らしに貢献したい

お2人が医師をめざしたのはなぜですか?

稲本元院長、稲本伸子副院長 自由が丘南口クリニック5

【伸子副院長】2人とも実家が医師の家系だったというのが、まずありますね。私は、母が外科の医師、兄が皮膚科の医師なんです。
【元院長】私の父は研究好きで、マウスでコレステロールの研究をし、私もその手伝いをしていたこともありました。最初は画家になりたかったのですが、祖母に反対され医学部に。母校の慶應義塾大学で長く研究に携わってきました。最初は分子生物学に興味があったのですが、時代や周囲の事情もあり難しく、腎臓内科の先輩の誘いで透析専門の道へ。日本では早くから取り組むことになり、在宅透析治療も早くから取り組んできました。若い頃は、腎臓の中の物質についての研究に没頭し、週3回くらい徹夜していましたね。妻が一緒のこともありました。誰も知らないことを発見するやりがいと、アメリカに負けないようにという思いも。長く研究を続けてきて思うのは、常にアンテナを張り新しい情報を仕入れていくことの大切さです。

今後の展望をお聞かせください。

【元院長】これからも患者さんが元気で長生きできるよう、さまざまな方法で努力していくことですね。
【伸子副院長】皮膚科全般をこれまでどおり、しっかり診つつ、隠れた重大な病気を見落とすことのないよう診療にあたっていくことですね。患者さんとのコミュニケーションも大切に、お話をよく伺い、ケアの方法などもしっかりご説明するなど丁寧な診療を続けていきたいと思っています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

稲本元院長、稲本伸子副院長 自由が丘南口クリニック6

【元院長】透析に関する診療には長い経験もあり、自信があります。透析治療への疑問や不安、ご家庭で行う透析についてなど、気軽に相談してほしいですね。また糖尿病や高血圧など、健康診断で気になる結果が出た場合なども、ご相談ください。大学病院時代は、腎臓、内分泌代謝内科の分野を診る機会も多く、栄養の大切さも感じてきたので、アドバイスも行えます。特定健診も行っています。
【伸子副院長】皮膚のトラブルなど、ちょっとした悩みでもご相談いただければ。まだ移転してから日が浅く、診療時間に余裕もあるので、お気軽にご来院ください。

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