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白井 裕子 院長の独自取材記事

稔台歯科

(松戸市/みのり台駅)

最終更新日:2024/05/15

白井裕子院長 稔台歯科 main

みのり台駅から徒歩5分、地域に根差して約60年間診療を続ける「稔台歯科」は、同院を頼って受診する患者たちと丁寧に関係を築いてきた。先代院長である母から医院を継承した白井裕子院長は、常に目の前の患者と向き合い、心の声にも耳を傾けながら診療にあたっている。「その人その人に必要な口の中の情報は、歯科医院でしか手に入らない」と語り、患者への啓発やオーダーメイドの治療・アドバイスに取り組む白井院長。勤務医時代にどのような経験を積み、同院の院長となってからいかに医院を発展させてきたのか、歯科治療に対する考え方などと併せて聞いた。

(取材日2024年3月26日)

患者の思いに寄り添いながら、ともに長い年月を歩む

この地域で長く診療していると伺いました。

白井裕子院長 稔台歯科1

当院は昭和30年代後半に母が開業して以来、ずっとこの地で診療を続けています。私は母の働く姿を見ながらいずれは継ぐ思いで研鑽し、30年ほど前に2代目院長となりました。長く診療していると、患者さんも私と一緒に年を取るので院内の平均年齢は上がっていきます。中には親子2代、3代で通ってくださる方もいて、本当に長い道のりを患者さんと歩んできたなと感慨深く感じます。医院を建て替えた時に2階から1階に診療室を移したのも、昔からお付き合いがある方々が階段での昇降が困難になってきたからです。また移転の際、歯を削るタービンという器具から出す水を滅菌作用のあるものに変えました。ホースの中で細菌が繁殖するといわれていて、こうしたシステムの導入は患者さんと医療従事者の双方にメリットをもたらすと考えています。

主な診療内容を教えてください。

大学卒業後の専門は歯周病治療でしたが、現在はこの町の歯科医院として幅広い診療に対応しています。中でも義歯は好きな分野で、お困りの患者さんも多いのでかなり勉強しました。義歯治療で重視しているのは噛み合わせ。総入れ歯の場合は機能面だけでなく、その方の顔貌も考慮し、鼻から顎、目から唇までの距離などのバランスも視野に入れて義歯を設計します。他にも噛み合わせに関連するものだと、奥歯が痛い、起床時に顎がだるいといった症状がある方が多くいらっしゃいます。それは噛みしめる力が強かったり、噛み合わせが適切でなかったりすることが原因の可能性があります。原因に応じた噛み合わせの調整を行うこともありますね。さらにニーズを受けてオフィスホワイトニングも実施しています。機械はいろいろと試した上で選びました。

診療で大切にしていることは何ですか?

白井裕子院長 稔台歯科2

世の中には自分の口の中に自信がない方が大勢いて、悩みや不安を歯科医師に伝えにくいこともあると思います。だからこそ話しやすい雰囲気づくりを大事にし、患者さんの口に出せない思いをくみ取って差し上げたいと考えています。当院の診療室は全室個室で、私と一対一でゆっくり会話できるのが特徴です。歯科治療は本来プライベートなものですので、院長職を継承した時から個室には強いこだわりがあるんです。お話しする際は患者さんが答えやすい質問から始めて、まずは主訴、そこからお体の調子やご家族のことなどに話題を広げていきます。初めは話せなくても、だんだん自由に遠慮なく気持ちを伝えられるようになる。そんなお付き合いをめざしています。

人生における時間割の中で、個人に必要な情報を発信

年齢に応じた治療も心がけているそうですが、なぜでしょうか?

白井裕子院長 稔台歯科3

人生には「時間割」があると思っているからです。例えば幼少期のうちは保護者が歯の健康に気を配り、歯科医院にも連れて行ってくれます。しかし成長するにつれて自立し、大学生になれば親元を離れて一人暮らしを始める人も少なくないでしょう。すると生活環境の変化から口の中の様子も大きく変わってしまうこともあります。食生活が変わると、今まで虫歯のリスクが低かった方でも虫歯になってしまう可能性は大いにあります。社会人になってから、結婚してからも、さまざまな環境の変化が歯科疾患に関わりますので、個人に合わせて対策を講じなければなりません。加えてお子さんが生まれた後は、自分のことを後回しにせざるを得ない時期も訪れます。中高年になれば今度は歯周病のリスクが上昇して、今まで虫歯にならなかった歯も虫歯になりやすくなります。こうした情報は案外知られていないので、歯科医院で初めてふれる方も多くいるのではないでしょうか。

確かに、個人として必要な情報は日常生活から得るのが難しいと感じます。

歯磨きの際の補助道具などはメディアを通して広く知られ、歯をきれいにする必要性の認知が進んでいると思いますが、個人の生活に合った歯の情報はほとんど知られていないのではないでしょうか。また、ある程度経験を積むと、その人が虫歯と歯周病のどちらにかかりやすそうかといったことが予想できることもあります。だからこそ歯科医院側がもっと発信し、その人がお口の健康を守る上で何に気をつければ良いかアドバイスを差し上げることが重要だと考えています。人それぞれ個人に即した情報を知っているのと知らないのとでは、その後の10年、20年が本当に大きく変わると思いますよ。

そうした話をするためにも、患者さんとのコミュニケーションを重視しているのですね。

白井裕子院長 稔台歯科4

そうですね。メンテナンスで通ってくださる患者さんには歯を大事にしたいと強く思われる方、健康に気を使う方が多いので、基本的には定期検診を通してお話しして啓発に努めています。とはいえ最初からくどくどと話をされるのを迷惑に感じる方もいらっしゃるので、そうしたアプローチもやはり相手を見ながらですね。どうしてもその人にとって重要で、最初からきちんと伝えなければならないことがあれば、ポイントを絞った説明を心がけています。自分の感性とこれまでの経験をもとに、相手に合わせた接し方やアドバイスの内容には自信を持って対応しています。

継続的な通院・予防に必要なのはコミュニケーション

現在の診療の礎となる勤務医時代のお話も伺います。

白井裕子院長 稔台歯科5

日本歯科大学を卒業後は、歯周病を専門に扱うクリニックに長く勤務しました。その後は大阪にある自由診療専門の歯科医院にもお世話になり、貴重な経験をさせてもらいました。自由診療と聞くと高額なイメージが先行するかもしれませんが、その歯科医院は患者さんに寄り添いニーズに応え、口の中を通してその人に関わりたい、その人を丸ごと引き受けたいというスタンスのもとで質にこだわった治療を提供していました。だからこそ私もその歯科医院で成長したいと門をたたきましたし、当時あまり重要視されていなかったカウンセリングにもしっかりと携わることができました。人と人との関わりについて深く学んだ経験は大きく、当院でも患者さんに感謝していただけていると感じる場面は多いですね。

今後の展望をお聞かせください。

近年は患者さんの年齢がますます上がり、通院するのが大変になっている方もいらっしゃいます。この地域には訪問診療専門の歯科医院もありますが、ありがたいことにいつまでも私に診てほしいと思ってくださる方も多いので、可能な限りそのお気持ちに応えて差し上げたいと考えています。これまで訪問診療の必要性を感じつつ、人員的な問題などからなかなか一歩が踏み出せませんでした。でも最近、患者さんはご要望があっても遠慮して口に出さないことに気づいたんです。こちら側が新しく始めたこと、取り組もうとしていることなどをお話しすると、皆さんすごく喜ばれるんですよ。ならば訪問診療についてもきちんと伝えて、やりきりたいという思いで今後の診療方針を練っています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

白井裕子院長 稔台歯科6

長く生きてきた人間としてお伝えできるのは、10年後はまだまだ先と思っていても、実際はあっという間に過ぎてしまうということです。口の中も同様で、これまでの10年は何も問題がなかったからと思っていると次の10年でつまずいてしまうでしょう。歯科において結局のところ重要なのは、予防による健康な口腔環境の継続。特に内科的には糖尿病に代表されるような歯周病は、治療の終着点の判断基準があいまいだからこそメンテナンスが必須です。そして患者さんに頑張って通い続けてもらうために、当院はコミュニケーションを通した関係の構築に注力しています。引っ越しなどでお付き合いが途絶えてしまう場合には、生涯通えるような歯科医院を探すのが大切な旨をしっかりお伝えして送り出します。すべての根本はコミュニケーションにあるという考えのもと日々診療していますので、お困り事があれば気軽にご相談ください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

義歯治療/総入れ歯:20万円~、部分入れ歯:10万円~、オフィスホワイトニング/2万2000円~

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