高橋 秀直 院長の独自取材記事
高橋歯科医院
(流山市/江戸川台駅)
最終更新日:2024/04/08
東武野田線江戸川台駅東口。商店街を過ぎると一戸建て住宅街が広がる。その横道にたたずむ「高橋歯科医院」。以前、軽井沢の教会にある「Dentistry is a Work of Love」という言葉の石碑を見た時に深い共感を覚えたという高橋秀直院長。その言葉を守るかのごとく、患者が痛みや不安などのストレスを感じることなく、快適に治療を受けられるよう、こまやかな心遣いを施しながら日々歯科医療を提供している。地域柄高齢者も多く訪れるが、いつまでも元気で美しい笑顔でいてほしいと義歯や補綴などに注力。「今はマイペースでやっています」とにこやかに話してくれる高橋先生の姿からは、患者に対する優しい愛が感じられた。
(取材日2016年7月7日/情報更新日2024年3月27日)
1時間に2人の完全予約制でストレスフリーの歯科医療
開業してから40年以上たっていると伺いました。
開業が1980年ですから今年で44年目になりますね。当初、この辺りは子どもたちがとても多く、さらに歯の状態が悪いお子さんが多かったんです。開業してすぐ患者さんがわっと訪れたことを覚えていますよ。そんな子どもたちの歯を一本一本丁寧に治療しましたが、そのうち治療に来なくなってしまうこともよくありましたね。それから44年もたつとこの辺りの状況も随分変わってきて、現在は、ご高齢の方が多くなりました。流山市の中でもおおたかの森エリアは開発が進んで若い人たちの流入も多いようですが、この周りには古くからお住まいの方々が多いですね。そんな高齢の方々はいつまでも健康な自分の歯を守りたいという高い意識をお持ちです。そしていつまでもすてきな笑顔でいたいと思っておられます。そんな方々の要望に応えられるよう、一人ひとりの患者さんを大切にしながらゆったりとマイペースで治療にあたっています。
こちらのクリニックの診療方針をお聞かせください。
医科の診療ですと、症状を聞いて診察し投薬するというのが一般的ですが、歯科は外科的処置をしなくてはなりません。そのためには時間をかけることが重要です。当医院では1時間に2人という完全予約制をとっており、一人に30分はかけるようにしています。丁寧に説明してから治療をするとなるとやはりそれくらいは必要ですし、患者さんに快適かつゆったりとした気分で治療を受けていただきたいですからね。何回も通うのも大変ですから、最低限の回数で最大限の効果が得られるような治療をめざしています。ただし、治療を効果的に進めるためには患者さん協力も必要です。症状や治療内容、通院回数、費用などについて丁寧に説明して、患者さんによく理解、納得していただけるようにしています。
普段心がけていることはどんなことですか。
やはり患者さんに痛い思いをさせないことです。例えば麻酔の方法。麻酔をする際、針を刺す時が痛いと思いがちですが、実は麻酔液を注入する時なのです。歯の麻酔は一般的に骨と骨膜の間に麻酔液を注入するのですが、その際、ギューッと力を込めて早く注入すると、骨膜がはがれてその時に痛みを感じます。当医院では患者さんにそんな思いをさせたくないですから、電動式麻酔注射器を使って粘膜に静かにゆっくりと注入して、痛みをあまり感じさせないようにしています。患者さんがストレスを受けると、私にも伝わってきますからね。そうすると私も落ち着いて治療に専念できなくなります。患者さんも私自身もカンファタブルに治療に向き合いたいのです。
歯科医療は愛ある仕事。患者に喜ばれることが最も重要
お話を伺っていると患者さんへの心遣いがこまやかですね。
もう一つ気をつけているのが治療中の音です。治療中の振動は顎の骨を通じて鼓膜に伝搬するのでかなり大きい音として脳が判断してしまいます。ですから治療機器はなるべく音や振動の少ないものを使っています。また、恐怖感の強い方には笑気吸入鎮静法を使うこともあります。笑気と呼ばれる窒素と酸素の混合気体を鼻からゆっくり吸って使用します。以前、軽井沢にある石の教会・内村鑑三記念堂で「Dentistry is a Work of Love」と書かれた石碑を見たのです。その時、すごく感動すると同時に共感しました。この言葉は内村鑑三が軽井沢に滞在中、歯痛に見舞われて軽井沢の歯科医院で治療を受けた時の言葉だそうです。まさに歯科医療は愛の仕事であり、患者さんに喜ばれるような歯科医療を提供していかなくてはと、心新たにしたことを覚えています。
こちらのクリニックで力を入れている診療内容について教えてください。
一般歯科から審美歯科、インプラント、歯周病治療、ホワイトニング、メンテナンスなどを行っていますが、私自身特に力を入れているのが、根管治療と補綴治療です。いつまでも自分の歯で食事をしたいというご高齢の方も多いですから、より多くご自身の歯が残るように根管治療を行っています。また単に噛めるというだけでなく、見た目が美しいことも重要ですので美しい口元で笑えるような補綴治療を心がけています。インプラントは、日本大学松戸歯学部付属病院の先生に来ていただいて治療をしています。感染リスクの少ないドイツ製のインプラントシステムを採用しており、患者さんの年齢や骨の形状、骨質などインプラントに適応しているかどうか検査を行い、専門の先生の診断のもと治療しています。手術後にトラブルが起きるのは事前の検査がしっかり行われていないことが原因とも考えられますので、事前に詳細な検査を経て判断しています。
ところで高橋院長はなぜ歯科医師になろうと思われたのでしょうか。
もうずいぶん古いことなのであまりよく覚えていないですが……。高校時代に友人たちと「将来どうする?」といった話をしているうちに「歯科医師は面白そうだな」と思って……という感じだったと思います。今は、歯科医師は自分の性格にとても合っていると思っています。私は何でも自分でやらなくては気が済まない性分。ここではスケーリング(歯石除去)も私が行っています。歯科衛生士がスケーリングを行うことも最近は多いようですが、やはり歯科医師が行ったほうが歯肉や軟組織の状態までしっかりチェックでき、ちょっとした炎症なども見逃しにくいと思います。早期発見につながりますし、何と言っても自分でやらないと気が済まないのでね(笑)。
ずっときれいな口元ですてきな笑顔でいられるように
これまでで何か印象的なエピソードはございますか。
入れ歯をしたあるご高齢の女性が「この入れ歯、いい先生に作ってもらって、とても気に入っているの」と話されたことがありました。ですが、明らかにご自身の口に合っていなくて、顔のバランスもゆがんでいたのですね。おそらく噛み合わせが悪く使いにくかったのでしょう。それで、その方に合わせて義歯をお作りしたのですが、治療に通われるうちにだんだん明るい表情になっていきました。型を採っている時もキラキラと目を輝かせている。そして最終的に義歯が完成した時に、とてもすてきな笑顔で喜んでくださり、当初来院した時と印象も随分と変わりました。そんなすてきな笑顔を見られたら、私もとてもうれしいですね。
ところでプライベートの時間はどのようにお過ごしですか。
実は妻が声楽家で、オペラの公演で主演女優を務めたこともあり、オペラの指導などにもあたっています。その影響で私もオペラや交響楽を観に行くこともありますね。旅行も好きで年に1回は海外に出かけています。妻と一緒にチェコのプラハに行って、本場のオペラを鑑賞することも多いですね。若い頃は乗馬が好きでよく馬に乗っていましたが、最近は忙しくてなかなか楽しめないのが残念です。
では最後に今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。
一般的に歯科医師の定年は70歳といわれています。今67歳ですからあと3年ですが、できれば75歳くらいまで続けたいですね。開業以来長く通院してくださっている患者さんも多いですから、引き続きそんな患者さんたちの口腔環境を診ていきたいと思います。歯の健康には定期的なメンテナンスも必要ですから、5~6ヵ月に1回程度は来院していただいて、口腔内のチェックを受けていただきたいですね。早期に治療をすれば時間も労力、そして費用も少なくて済みます。いつまでも自分の歯でしっかり噛めて、すてきな笑顔でいられるためにも、ぜひお気軽にご来院ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/30万円~、セラミックを用いたかぶせ物/4万円~、セラミックを用いた詰め物/1万5000円~、ホワイトニング/1万5000円~