全国のドクター9,253人の想いを取材
クリニック・病院 158,515件の情報を掲載(2024年6月03日現在)

  1. TOP
  2. 新潟県
  3. 新潟市中央区
  4. 白山駅
  5. 岡田歯科医院
  6. 岡田 匠 院長

岡田 匠 院長の独自取材記事

岡田歯科医院

(新潟市中央区/白山駅)

最終更新日:2021/11/19

岡田匠院長 岡田歯科医院 main

新潟市中心部の繁華街、古町の一番町にある「岡田歯科医院」。岡田匠院長の祖父の時代からこの地で営んできた歯科医院だ。岡田院長自身は小児歯科や障害者歯科の専門知識が豊富。長年地域密着で診療を続け、患者に寄り添う気持ちを何よりも大切にしているのだそう。「患者さんの最後の最後まで、歯のケアを通して関わっていきたい」と、高齢化する患者の訪問歯科診療にも力を入れている。地域の歯科医師会の活動など、歯科医師という立場から地域に多く貢献している岡田院長に診療にかける思いを聞いた。

(取材日2021年9月30日)

小児期からの歯の管理を通し、虫歯のない大人にしたい

歴史が長い歯科医院だと伺いました。

岡田匠院長 岡田歯科医院1

歯科医院自体は祖父の代から始まって私で3代目。詳細な年数はわかりませんが、100年近い歴史があると思います。家系史みたいな記録があってそれによると明治期の後半には金銀木製所細工場を営んでいたようで、入れ歯製作なども行っていたようです。当時は白根市の方でそういった仕事をしていたのですが、1903年に現在の一番町へ出てきたようです。いずれにせよ当院は新潟市内で古くから残っている歯科医院の一つだと聞いています。私自身も一番町に住んでいますし、古くからの付き合いの方も多く、町内会の仕事など地域の方とともに歩んできた歯科医院であることは間違いないですね。

先生はこちらで働かれる前に、どのような経験を積まれたのでしょうか。

東京歯科大学で学んでいたのですが、小児歯科の講義がとても面白くて将来は小児歯科の道に進みたいと考えていました。卒業後は同大学の小児歯科学講座に入局し、1年後に大学院に入って研究活動にも精を出していました。当時は研究と一般歯科でのアルバイト勤務をかけ持ちしており、その間に、日本小児歯科学会小児歯科専門医も取得しました。1993年、新潟に帰ってきて当院で勤務させていただくことになりました。こちらに戻って来てからは地域の方のお役に立てるよう、毎日の診療を通してさまざまな勉強をさせていただき、小児歯科の延長線上にある障害者歯科も学びましたね。また訪問歯科診療にも対応させていただいています。

先生の専門は小児歯科と障害者歯科ということになりますでしょうか。

岡田匠院長 岡田歯科医院2

もちろん通常の歯科診療も行っていますが、専門的に勉強した分野は小児歯科と障害者歯科になりますね。小児歯科の特徴は子どもの発達をしっかり診ながら診療していくことだと考えています。例えば歯の生えてくる位置が悪いと磨き残しが増えて虫歯の原因にもなり得ますので、歯並びに着目して予防管理を行うこともあります。そうやって、虫歯ができないように管理していくと、自宅での歯磨きなど自己管理もしっかりできるようになることが多く、20代、30代と歳を重ねても歯周病などのトラブルを抱えにくくなります。小児のうちからタイミング良く診てあげることは、その人の生涯にわたってのお口の健康を守ることにもなりますので、取り組みがいのある分野なんです。

訪問歯科診療で患者や家族を支えたい

患者さんとは長い付き合いになることが多いのでしょうか。

岡田匠院長 岡田歯科医院3

定期的にメンテナンスに通っていただきたいというのが私の信条なので、長い付き合いになることが多いです。患者さんの年齢やお口の状況にもよりますが基本的には3ヵ月に1回ほどの頻度でお口の中を診させていただくようにしています。最近はご年配の患者さんも増えてきました。新潟だと車でないと通院ができない方も多いので、近年は訪問歯科診療にも力を入れています。当院では全体の1割くらいが訪問診療になるので、割合は高いほうかもしれませんね。訪問診療は高齢の方が多いですが、中には障害がおありで通院が難しい若い方もいらっしゃいます。私が専門としている分野の患者さんですので、小児や若い方でも、在宅で診てほしいという要望があれば、ご相談いただきたいですね。

療養している方を抱える家族の方もきっと心強いですよね。

家で患者を支える家族の方は大変だと思いますが、私がやれることを精一杯やってあげられたら患者さんもご家族も気持ちが救われるのではないかと考えています。人は誰でも亡くなる時が来ますが、患者さんやご家族の気持ちをくみ取って医療介入していくことが、地域医療のポイントなのではないでしょうか。例えば、家の中で伝い歩きくらいはできていた高齢男性の場合、初めは月1回くらいの訪問で診療させていただき、動けなくなってからは月に2回、そして週1回と訪問回数を増やしていくことも可能です。話されることがほとんどなく口の中が乾いてしまっている場合は、口腔ケアをすることで、声を出すことができるようになるかもしれません。こういったご自分の意思が伝えられなくなっていく患者さんとのお付き合いには、ご家族の意向をきちんと伺うことも大切。最後にご家族から感謝の言葉をいただくことができたら、こちらもやって良かったなと思えますよね。

先生が診療する上で心がけていらっしゃることは何でしょうか。

岡田匠院長 岡田歯科医院4

患者さんのご要望をしっかり聞いて、それぞれの方に合わせた対応をすることです。歯科医師としてこうした治療をした方がいいよという提案はさせていただきますが、患者さんはそれぞれ生活背景が違いますので、その方の考え方は聞かなくてはわかりません。もちろん医学的に考えてデメリットがあることをそのままにしてはおけませんので、治療を行わないことのメリットとデメリットはきちんと説明させてもらうことが前提ですが。例えば親知らずの抜歯をしたい方が11時半に予約を取りたいと言われたら、その後にお昼ご飯が食べられなくなってしまいますので違う時間にしてはどうかとご提案をさせていただいた上で、患者さんのお仕事などのスケジュールを聞いて調整させていただくなど、いつでも患者さんファーストで患者さんの利益になる方法を考えたいと思っています。

多業種の連携で地域に根差したネットワークづくりを

地域の歯科医療に対する思いはありますか?

岡田匠院長 岡田歯科医院5

新潟の歯科医院の数は、実は全国の中で見ても多いんですよ。それでも歯科医院に定期的に通っていただけない患者さんがまだまだ多いのが現状で、その方たちにどうアプローチをするかをずっと考えてきました。各先生方が個人で動くには限界がありますので、地域の歯科医師会が一丸となって動く必要があると思っています。今はコロナ禍で活動をストップしてしまっていますが、地域の歯科医師と住民が集まる場を設けて食事をしながら自由に話をし合う機会をつくったり、市内の子ども食堂さんに、歯科医師会を通して歯ブラシの提供をさせていただきながら、子どもたちにお口の健康を守る大切さを伝えていく活動もしていました。

まさに地域に根差した活動をされているんですね。

当院で訪問歯科診療をここまで進めることになったのも、医師や薬剤師、ケアマネジャーなど、多業種が集まって勉強会をする場があったことが大きいと思います。知り合った方から「こういう在宅療養している患者さんがいるんだけど口腔ケアをしてくれないか」と頼まれることも多く、訪問歯科診療につながったケースも多くあります。私もいい歳になりましたし、これからは地域の人材をつなぐネットワークを構築して、新潟に住む人たちが安心して医療を受けられる仕組みをつくるのも私の役目なのかなと思っています。

お忙しくされていらっしゃると思いますが、休日には何をされているのでしょうか。

岡田匠院長 岡田歯科医院6

私はキャンプが大好きなので、しっかり休みをとってキャンプに行っていますよ。以前は息子が付き合ってくれていましたがもう大きくなってしまったので、今はもっぱらソロキャンプです。新潟にはアウトドア会社が運営する施設や中浦ヒメサユリ森林公園のキャンプ場などいい場所が多いのでふらっとテントを持って行っています。時々は一人の時間を楽しむのも大切かな、と思いますね。といっても、料理を作ったりたき火の具合を見たりとかキャンプは意外と忙しいんですけどね。自然の多い新潟だから楽しむことができる趣味だと思うので、地域の自然に感謝しながら過ごしています。

Access