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三宅 隆之 院長の独自取材記事

三宅歯科医院

(堺市北区/新金岡駅)

最終更新日:2023/08/03

三宅隆之院長 三宅歯科医院 main

堺市北区新金岡地区の住宅地にある「三宅歯科医院」。小学校5年生の時から堺市で過ごしてきたという三宅隆之院長が、埼玉県の大学卒業後、東京・大阪で計2年半の勤務医を経て、1990年に前医院の後に入る形で開業した。完全予約制で、初診の患者には1時間程度かけて資料を作り、症状の原因と対処法をわかりやすく説明。保険診療内で丁寧な治療を行ってきた。また「食いしばり」の歯への悪影響を指摘。患者への啓発を重ね、今では長く通う患者はほとんどが予防のための通院になっているそうだ。スタッフと協力しながら、患者の口内の健康をサポートしている日々の診療について詳しく話してもらった。

(取材日2019年11月20日)

一人ひとりに合わせた丁寧な診療

三宅歯科医院には、どのような患者さんが来られていますか?

三宅隆之院長 三宅歯科医院1

1990年の開業当時からの長いお付き合いになっている患者さんが多いです。治療内容は変わってきて、今は予防が中心になってきています。この場所は、もともと開業されていた先生がご出身の九州に戻られるということで、紹介されて僕が引き継いだので、患者さんもそのまま続けて来てくださった方が多かったんです。その頃からの患者さんもまだいらっしゃいますから、全体的にかなり高齢化していますね。ただ、新しいマンションも建っていますし、お子さんの患者さんも1日2、3人くらいは来られていますよ。0歳児の歯の相談や、幼児や小学生の外傷や、フッ素やシーラントによる虫歯予防なども行っています。完全予約制で時間をかけた丁寧な治療を続けてきました。その成果もあってか、今ではどの世代でもメンテナンスの患者さんがほとんどです。

治療内容の変化について、もう少し詳しくお聞かせください。

開業した頃は、抜歯や根管治療が好きで、得意としていました。大学卒業後に2年半ほど勤務医をしていて、その時に「歯科治療で何が一番大事なんだろう」と考えた結果、やはり土台・基礎だろうと思いました。恐れ知らずの面があったのかもしれませんが、外科的な治療も積極的に取り組んでいました。時間をかけて治療するので、何年たってもほぼやり直す必要がないと思っています。それに、以前は転院して来られた患者さんの根管治療をやり直すことがよくありましたが、最近はすっかり減りました。詰めたり削ったりすることが減り、自然と予防がメインになってきたんです。社会の変化もあり、得意だった抜歯も、今は口腔外科へ紹介状を書くようになりました。

時間をかけた丁寧な治療を心がけておられるのですね。

三宅隆之院長 三宅歯科医院2

初診の方には、歯科衛生士が1人ついてレントゲンや口腔内の写真を撮り、1時間くらいかけて資料を作るんです。その資料ができてから、僕がその説明をしていきます。再診の場合にも、歯科衛生士がブラッシング指導をして、口の中の掃除をしてから僕の治療に入ります。これは僕の個人的な見解ですが、歯が悪くなる一番の要因は「食いしばり」だと考えています。詳しくその説明をすると、よく理解してくださって「もっと早くここに来ればよかった」とおっしゃる方は結構たくさんおられますね。患者さんに誠実であること、後悔させないことをモットーに、目の前のことを一つ一つ取り組んできたつもりです。

「食いしばり」の改善に注力

「食いしばり」が歯に与える影響について詳しく教えてください。

三宅隆之院長 三宅歯科医院3

食いしばりが原因で、歯がすり減ったり割れたりして歯を失うのはよく言われているとおりです。それだけでなく、例えば知覚過敏も、食いしばりの影響だと僕は考えています。食いしばると力がかかり歯を揺らすような動きが起こりますよね? 地面に打った杭を上から押さえてグルグル回すと、杭と地面の間に隙間ができるでしょう。これと同じような現象が歯茎でも起こって歯茎が下がることにつながります。その隙間に歯周ポケットができ、歯周病の原因につながるとも考えられます。虫歯でもないのに痛くて噛めない場合も、食いしばりによって歯と歯茎を傷めてしまっているということがあります。昔はそれを「痛いなら神経を取ろう」と処置されることもあったけれど、最近は多くの歯科医院で「食いしばり」の影響ではないかと考えられるようになってきました。

では、どのような対策をすると良いのですか?

まずは「上下の歯の間に舌をはさんでおきなさい」と言っています。寝ているときにしたら舌を噛んでしまう危険があるからダメですが……。それから、ストレスをできるだけ感じないようにすること。ストレスが大きいほど、ぐっと歯に力を入れてしまいがちですからね。あとはマウスピースです。寝るときにはナイトガードをする。これは一般的になってきていて、保険診療の範囲内ですし、マウスピースの種類もたくさん出てきて保険の点数も細かくきちんと分類されてきました。

就寝時にマウスピースを着用することに慣れない方もいらっしゃるのでは?

三宅隆之院長 三宅歯科医院4

そうですね。異物を口の中に入れたまま眠るのは、やはり気持ち悪いですよね。患者さんの中には、以前通っていた歯科医院でも「食いしばり」を指摘されてマウスピースを作ったけれど使っていない、という方もおられました。どうしても違和感があり慣れないという方は、まずはソフトタイプのマウスピースから始め、慣れてきたらハードタイプに変えていくという方法が良いかと思います。

患者のメリットを最優先する姿勢を貫く

スタッフも長く働いておられる方が多いそうですね。

三宅隆之院長 三宅歯科医院5

3人の歯科衛生士と歯科助手が1人いますが、患者さんと仲良くなっている人もいますよ。長く勤めてくれているので、知識や技術を信用しています。僕からスタッフに言うのは「診療室が舞台だと思って歯科衛生士を演じなさい」ということだけです。ちょっとした待ち時間にも壁にもたれるなど、だらしない格好はしない。スタッフ同士の他愛ない会話で笑っても、自分が笑われているのではないかと患者さんが感じることもあり得ます。そういう嫌な思いをしてほしくないので私語は禁止です。また、スタッフを信頼しすぎて、つい治療の話もスタッフがしてしまうことがあるのですが、僕自身が患者さんに伝えないといけないと自戒しているところです。

ところで、診察室の水槽が気になります。熱帯魚の飼育は先生のご趣味ですか?

動物が好きなのですが、ここで犬や猫を飼うわけにはいけないので(笑)。開業時から、一時期は待合室にも置いていましたが、今は診察室の2つです。うち1つはブラックアロワナという指を入れたら噛まれるような魚で、1匹だけで飼っているんですよ。患者さんも診察台にいるときにこれを見ると、少しはリラックスしていただけるかもしれません。僕が熱帯魚に興味を持ったのは、ダイビングをしていたことがきっかけです。以前はよく潜りに行ってたのですが、船酔いがひどくなって諦めました。今はゴルフやスキーに出かけたり、趣味の範囲で小さい車ですが、サーキットを走ったりもしています。

では最後に、読者の方へメッセージをお願いします。

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今までの診療方針が患者さんのメリットになり、感謝していただけることも多かったので、このまま続けていきたいです。正直なところ、完全予約制だと、時間が空いてしまう場合があるので、とてもつらいのですが、焦ったり雑になったり絶対にしないためには仕方ありません。「食いしばり」を改善し歯を失わない予防を望まれる方は、一度ご相談ください。一般的に「食いしばり」に気づいておられなくて、口腔内のトラブルで困っておられる方が非常に多いと感じています。気づけば解決することもたくさんありますから、当院には遠くて通えない人も、ぜひ近くの歯科医院で相談なさってください。

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