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須永 知子 院長の独自取材記事

すなが皮フ科

(横浜市都筑区/仲町台駅)

最終更新日:2023/03/13

須永知子院長 すなが皮フ科 main

ブルーライン・仲町台駅からすぐのビル1階に「すなが皮フ科」はある。2000年の開院から今年で23周年を迎える同院。広々とした院内は白を基調とした清潔感あふれる空間で、古さを感じさせることはない。はつらつとした笑顔で迎えてくれたのは須永知子院長。「痛みやかゆみを取り除くのが皮膚科医の仕事ですが、お話を伺うだけで気分がスッキリされるのか、『エネルギーをもらって帰れる』とおっしゃる方も多いのです」と話す。多くの患者で混雑しがちなクリニックだが、症状の影に隠れた原因を探るため、患者の話を聞く時間はできるだけ長く取るようにしているという。長く地域医療に貢献し、老若男女の皮膚症状を診続けてきた須永院長に、医院の特徴や、めざす医療についてたっぷりと語ってもらった。

(取材日2023年2月8日)

子育てしながらの開院から、20年以上診療を継続

長年診療を続けていらっしゃるクリニックと伺いました。

須永知子院長 すなが皮フ科1

2000年7月3日に開院したので、今年で23年になりますね。聖マリアンナ医科大学を卒業後、大学病院の皮膚科に入局し、15年ほど勤務しました。途中出産・育児に注力する時期を経て、その後当院の開院に至ったのは、下の子が小学校2〜3年生の頃。今と比べても仕事と子育ての両立が難しい時代でしたが、子どもが大きくなったタイミングで開院に踏み切ったのです。今では娘が同じ皮膚科医となり、診療に加わってくれています。子育て中のパパやママ、近くの保育園の先生がお子さんを連れてこられることもあり、今は仕事と子育ての両立に頑張る皆さんの姿にエールを送っています。

仲町台駅前を開業の場に選んだきっかけは何ですか?

あざみ野駅付近に住んでおり、同じ多摩田園都市エリアでのクリニック開設を考えました。いろいろと探したのですがなかなか良い場所が見つからないなかで、偶然この場所が見つかったのです。広くて駅に近いところが気に入りました。仲町台駅付近はマンションが多く、住んでいる人たちの年齢が若いといわれる都筑区の中でも特に若い世代が多いのではないかと考えましたが、実際は介護施設などもあって、年配の方も多く受診されています。

幅広い世代の患者さんを迎えていらっしゃるのですね。

須永知子院長 すなが皮フ科2

はい。赤ちゃんから高齢者までさまざまな世代の患者さんがいらっしゃいます。乳幼児の湿疹からアトピー性皮膚炎、尋常性ざ瘡、いわゆるニキビまで、幅広い皮膚疾患を診ています。近年の傾向としては、高齢の方の足のトラブルの相談が増えていますね。

話を聞くことで、痛みやかゆみの奥にある原因に迫る

高齢者の足のトラブルとはどのようなものですか?

須永知子院長 すなが皮フ科3

10年前にはあまりなかったことなのですが、時代の流れなのか、たこやうおのめなどのご相談を受けることが増えたように感じています。ほかにも巻き爪や陥入爪など、足の爪のトラブルも多いですね。今の高齢者は本当にお元気で、90代でもスタスタと歩いて来院される方も多くいらっしゃいます。ただ、お元気ではあるものの、体にはそれなりに加齢による変化が起きており、例えば、外反母趾や膝の変形などにより歩き方が変わり、足裏の特定の部分に極端に圧力がかかることで皮膚や爪のトラブルが起きるのです。症状により痛みが出ると「歩くのがつらい」「今後歩けなくなるかも」と不安を感じて慌てて受診されるようです。歩くことは健康維持の観点からも素晴らしいことですが、足に負担をかけない歩き方を心がけることは大切なのです。

ほかに、近年の受診傾向として感じていることはありますか?

新型コロナウイルスの感染拡大以降、帯状疱疹を発症される方が増えましたね。帯状疱疹は神経節が水痘・帯状疱疹ウイルスの攻撃によってダメージを受け、強い痛みが出ます。以前から徐々に増加傾向にあったのですが、今年は特に多く、若い世代でも発症が見られます。治療には抗ウイルスの内服薬と塗り薬を用いますが、高齢の方の場合、発疹が治まった後も痛みが強く残ってしまう方がいらっしゃいます。50歳以上の方を対象に、発症を予防するためのワクチンも行っていますので、心配な方はワクチンの接種をご検討ください。

診療の際に心がけていらっしゃることは何ですか?

須永知子院長 すなが皮フ科4

長く診療を続けるうちに、皮膚症状は薬を塗って症状が抑えられればそれでOKというものではないということを実感するようになりました。3食バランス良く食べ、良質な睡眠を取って、ストレスなくリラックスして暮らすことは、皮膚疾患を防ぐ上でも大切なのです。「薬を塗っても良くならない」という方もいらっしゃいますが、よくよくお話を伺うと「実は最近仕事が大変で」とか、「生理がひどくて」といったバックグラウンドが見えてきます。そうした背景が皮膚症状の根本原因になっていることも少なくないので、まずはしっかりとお話を聞くことを心がけています。

患者さんのお話から症状の根本原因を探るということですね。

お話を聞くことが一番大切です。聞かない限りは症状の奥にある原因にたどり着きませんから。ご本人が痛いとおっしゃるなら、必ず何かが隠れているはず。表面上問題がないように見えても、よくお話を聞き、しっかり見ないと落とし穴にはまってしまうこともあります。以前、定期受診のために来院された10代の方の顔色がひどく悪く、気になってよくお話を聞くと、授業中の事故で高所から転落したと。すぐに受診を勧めると内臓が損傷していたということがありました。痛み、かゆみの影には必ず何かが隠れていることを念頭に、「気のせい」の一言で片づけることのない診療を心がけています。また、診療室内には「和顔愛語」の書を掲げています。笑顔と愛ある言葉で接することで、病気によりネガティブに傾きがちな方を前向きに、明るい気持ちにして差し上げられればと願っています。これは私だけでなく、医院のスタッフ全員の思いです。

笑顔と愛ある言葉で迎え、来るだけで元気になれる場に

美容面の相談にも乗っていらっしゃると伺いました。

須永知子院長 すなが皮フ科5

ニーズがあるのでそれに応えるかたちで診療しています。女性に限らず、高齢男性でもしみやイボに悩んでいらっしゃる方は多いのです。少しでも若く見られたいという願いは女性に限ったものではないのですね。当院では保険診療の枠内でできることのみを提供し、皆さんの思いに応えています。

お忙しい毎日とは存じますが、余暇に楽しんでいらっしゃることはありますか?

テニスが何よりの気分転換です。休日はもちろん、昼休みの時間も利用して、定期的にスクールに通っています。実はコートで患者さんとご一緒させていただくこともあるのですよ(笑)。

今後の展望を教えてください。

特に規模を広げたいなどとは考えておらず、今まで20年やってきた診療を少しでも長く続けていければと思っています。ご高齢の患者さんも増えているので、どうしたらより良い対応ができるのかも、今後さらに模索していきたいですね。例えば、一人暮らしの方も多いですし、介護を受けていらっしゃる方の中にも皮膚科診療が必要な方がいらっしゃいます。訪問診療や、皆さんが集まるサロン的な場の提供などもいずれ実践できればとは考えています。

読者に向けて一言メッセージをお願いします。

須永知子院長 すなが皮フ科6

ご来院いただいている皆さんには、いつも感謝しております。当院は、開院当初からのスタッフも複数在籍しており、いつ受診されても、顔なじみのスタッフが笑顔でお迎えできる体制が整っています。明るく楽しい雰囲気を大切にしており、「ここに来るだけでエネルギーをもらって帰れる」とのお言葉をいただくことも。お困りのことがあればいつでもお気軽にご相談ください。

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