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渡部 祐子 院長の独自取材記事

渡部祐子歯科

(東温市/横河原駅)

最終更新日:2021/10/12

渡部祐子院長 渡部祐子歯科 main

美しく手入れされた庭を抜けると、小さなかわらしい建物。扉の前では、笑顔で迎えてくれた渡部祐子院長のフルネームを冠した院名には、「ずっと、私が責任を持って診ます」という祐子先生の想いが込められている。その場の治療にとどまらず、患者一人ひとりの口の中の健康に継続的にアプローチ。一生元気で、自分の歯で食べて幸せに生きられるようにと、そのサポートに全力で取り組んでいる。歯科医師として東温市で開業した運命的なきっかけ、3人の子どもを育てたワーキングマザーとして全力で走り抜けてきた祐子先生の半生を聞きながら、診療への想いなど、話を聞いた。

(取材日2019年9月12日)

女性歯科医師ならではの視点を生かして開業

先生がこの地に開業されたきっかけとは?

渡部祐子院長 渡部祐子歯科1

東温市は夫の地元なんです。私は山形県山形市の出身ですから、歯科医師になった頃、まさか自分が愛媛で開業するなんて思ってもみなかったのですが……。昭和大学歯学部を卒業後、パリへ旅行に行ったとき、帰りの飛行機で偶然今の夫と出会って、お付き合いをすることになって。遠距離恋愛を経て結婚し、東温市へ移りました。本当に不思議な縁ですよね。結婚当初は勤務医をしていたのですが、子どもが生まれて通うことが大変になったので、自分の資格を細々とでも続けていけたらという想いで開業に至りました。場所は夫の実家の隣なのですが、最初から一人でやろうと考えていたので、この規模なんです。今は私とスタッフ2人の3人体制で切り盛りしています。

お子さんを育てながらの開業というのは大変だったのではないですか?

だから、女性が院長として一人でやっていくというケースはなかなか少ないのでしょうね。私は開業してからも2人出産しましたが、産休はほぼゼロです(笑)。その日の診療が終わってすぐ出産して、1週間ほどで退院して復帰しましたが、元気だったので問題はなかったですね。それよりも、患者さんは私に診てもらうために来てくださっているので、できるだけ休みたくなかったんです。むしろ自営業なので予約や休みを調整できるのが良かったのかも。朝授乳をして、治療して、ちょっと休憩して、というふうにスケジュール管理しながら、自分の経済が成り立つ範囲でやっていこうと思っていました。それは今も同じですね。今後も無理せず、その時々の状況に合わせて、柔軟に対応していければいいのかなと考えています。

どういった患者さんが多いのでしょうか?

渡部祐子院長 渡部祐子歯科2

「渡部祐子歯科」と名づけたのには、女性がやっていることが伝わればという想いもありました。それで安心感を抱いてくださるのか、男性女性問わず、優しい感じの患者さんが多いです。「歯医者は怖くてなかなか行けなかったけど、ここなら行ける」と思って来られる方も。また、お子さんからおじいちゃんおばあちゃんまで3世代で通ってくださる方々や、小さなお子さんを連れたお母さんも比較的多いのではないかと思います。患者さんから「ここで会う患者さんはすごいいい人ばかりだね」と言っていただいたときはうれしかったですね。開院より26年経過し、バリアフリーではないのでお手伝いが必要な方にはスタッフがお手伝いいたします。ですから90歳を超えた患者さんにも安心して通っていただいています。

一生、自分の歯で噛める幸せを感じられるように

祐子先生の診療方針について教えてください。

渡部祐子院長 渡部祐子歯科3

もちろん一般診療は一通り行いますが、やはり大切にしているのは人との関わりですね。垣根は低く、先生という立場ではなくて、一緒の目線での、職業を超えたお付き合いが好きですね。そうやって患者さんとも関わらせていただいて、一生自分の歯で噛める幸せを感じていただきたい。「一生任せてくださいね」って患者さんにはお伝えすることもあるんですよ。健康は口から始まります。うまく噛めないことで、さまざまな体の不調につながっていくといわれています。また、たくさん虫歯があったり、口の中が不衛生だったりする背景には、家庭環境の問題が隠れている可能性があることも。口の中にはいろんな情報がありますから、そこまで見ていくことが必要だと思っています。

治療の際に心がけていること、大切にしていることを教えてください。

来ていただいた患者さんのお口の健康を守るために、全力でサポートさせていただきますが、歯列矯正のような専門的な治療は各分野専門の先生にお願いしています。それは、やはり専門的な技術を深めている先生に診ていただくのが患者さんにとって一番ですから。特にお母さんたちから矯正のご相談を受けることが多いのですが、その大切さを伝えるのも私の仕事です。小学校1〜2年の永久歯に生え変わるタイミングくらいに始めるのと、高学年以降の骨格が出来上がってから始めるのとではゴールがまったく違いますから、タイミングが本当に大事。矯正専門の先生はすごいですよ。親御さんの身長などから分析した成長曲線に合わせて、理想の顔のラインを狙って矯正していくんです。当院では、一般歯科はかかりつけである私が担当して、矯正は信頼のおける専門の先生と連携し紹介しています。

歯をなるべく残すことを大切にされているのですね。

渡部祐子院長 渡部祐子歯科4

予防歯科には特に力を入れており、定期的なクリーニングやメンテナンスと、日常生活においてどんなことに気をつければいいか、セルフケアのアドバイスをしています。クリーニングをすると、シャワーに入ったみたいに気持ちがいいと言ってくださる方もいらっしゃいます。ちょっとしたことで元気になるしハッピーになる。その一つが当院に通うことだったらうれしいですね。また、私は80歳で20本以上の歯を残す8020運動を推進しています。該当する方は愛媛県知事から表彰されるんですよ。表彰されると、とっても喜ばれ、ますます元気になられる印象もありますね。当院では90歳を超えてもご自分の歯でお食事を楽しまれている方も多いですね。

人生の伴走者として、患者を応援し続ける

印象的な患者さんとのエピソードを教えていただけますか?

渡部祐子院長 渡部祐子歯科5

長年、定期的にメンテナンスに来てくださっていた94歳の患者さんがいたのですが、つい先日ご家族が来られたので「お父さんお元気ですか?」と伺ったら亡くなられたと聞いて……。とても残念だったのですが「亡くなる直前まで元気に何でも食べていて、眠るように安らかに逝きました。ありがとうございました」と言ってくださって、本当に理想の最期を教えていただいたなと思いました。その方は本当にいつもお元気で、8020を達成され、90歳を過ぎても20本以上、ご自分の歯が残っていたんですよ。日常の暮らし方がいかに大切かを、改めて教えていただいた気がします。

とってもキラキラ、パワーあふれる先生ですが、元気の秘訣とは?

自分が元気じゃないと患者さんをサポートできませんから、健康管理には気をつけています。歯科医師って結構体を酷使する仕事なので、8年前から女性のパーソナルトレーナーにお世話になっています。患者さんとは健康の話を結構しますね。私は食事についても勉強しているのですが、歯は調理器具と一緒なんです。歯がダメになったら、噛み切ったりすりつぶしたりができなくなるので、口に入れる前に小さく切ったりペースト状にしておかないといけない。高齢になると嚥下の問題もありますし。自分の歯で噛めないと力も入りづらくなる。だから、特別なテクニックがあるわけではないのですが、そういう日常の大事なことを伝えて、一緒に元気で、健康でいましょうねという姿勢でいたいなと思っています。

最後に、読者の方へメッセージをお願いします。

渡部祐子院長 渡部祐子歯科6

歯科医院へのかかり方って大事だと思うんです。痛くなってから行くと、治療回数もお金もかかり、心身ともに負担が増えてしまいます。ですから、削らない、抜かないためにも予防が大切です。先んじてメンテナンスをしたほうが楽ですし、お金もかからないし、気持ちがいい。半年に1度のメンテナンスでもいいので、美容院や床屋に行くような感覚を持って通院していただけたらと思います。そして、体の健康の始まりはお口の健康ですから、私は患者さんの伴走者として、人生を応援していく存在でありたいと願っています。自分の寿命と同じだけ自分の歯でずっと噛めるように、今できることを一つ一つやっていきましょう。お口のこと、暮らしのこと、とにかくなんでも話していただけたらうれしいです。

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