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岩本 義博 院長の独自取材記事

篠原歯科医院

(丸亀市/丸亀駅)

最終更新日:2021/10/26

岩本義博院長 篠原歯科医院 main

JR予讃線の丸亀駅から車で約7分、県道33号線沿いにある「篠原歯科医院」。同院は約60年前に先々代が丸亀市内で開業。約44年前に前院長が現在の地で移転開業し、2011年からは岩本義博先生が院長職を引き継いで運営している、地域に根づいた歯科医院だ。岩本院長は岡山大学大学院歯学研究科で「糖尿病と歯周病に関する局所免疫」の研究に力を注いできた経験を持つことから、特に歯周病治療を得意とする。病気に対する原因と根拠、対処法をわかりやすく説明し、歯周病を少しでも改善すべく、多様な角度から治療に取り組んでいる。「全身の健康に寄与できる診療をめざしたい」と語る岩本院長。今回は、同院が取り組む治療の話を中心に口腔ケアの大切さなど、岩本院長にさまざまな話を聞いた。

(取材日2021年7月8日)

歯周病治療を軸足に全身に寄与できる歯科医療の提供を

こちらの歯科医院の歴史と先生が院長になった経緯を教えてください。

岩本義博院長 篠原歯科医院1

もともとは今から約60年前に妻の義祖父である先々代が丸亀市内の別の場所で開業したのが始まりです。そして44年ほど前に義父である先代がこの場所に移転開業しました。私の妻が先代の娘で、結婚を機に私が後を継がせていただくことになりました。私の代になってちょうど10年目を迎えたところです。私自身は岡山大学大学院歯学研究科で「糖尿病と歯周病に関する局所免疫」の研究をし、その後は助教として教育・研究・臨床に携わってきました。そんな経緯もあり、私は歯周病の治療を強みとしています。最近は歯周病と全身のさまざまな疾患との関連性も認識されつつあります。長年続いている地域のクリニックですので、古くから通ってくださる患者さんも多く、子どもから年配の方までそれぞれの年齢に応じた口腔ケアと治療を通して、患者さんの全身に寄与する歯科医療を提供できたらなと思っています。

力を入れて取り組んでいらっしゃる歯周病治療について教えてください。

当院では審美歯科やインプラント治療、矯正治療も行っておりますが、それは単に歯を美しく見せるために取り組んでいるものではなく、実は歯周病治療とも深く関わりがあるものだから行っています。歯周病になるとどうしても歯がぐらぐらしてしまいますし、治療をして歯周病が改善に向かったとしても、歯並びが悪く歯磨きがうまくできないと再発してしまうこともよくあります。そういった方には成人矯正を提案することもあります。歯並びを整えることでその後の補綴治療がしやすくなり、余分な歯を削らなくて済むことも期待できます。歯周病の原因菌が出す物質の一つであるジンジパインというタンパク質分解酵素と、アルツハイマー病の病態形成との関連性がわかってきたり、歯周病があると糖尿病や動脈硬化を発生しやすくなったりと、歯周病の影響は全身に及びます。だからこそ歯周病は力を入れて治療に取り組みたいと思う分野なんです。

予防とメンテナンスに力を入れているのも歯周病治療の観点からでしょうか。

岩本義博院長 篠原歯科医院2

メンテナンスという言葉の他に、今はSPT(サポーティブペリオドンタルセラピー)というものがあり、それは今後の歯周病治療の鍵になるともいわれている考え方です。メンテナンスというのは歯周病の病状が安定している状態を維持するという考え方ですが、SPTは重度や中等症の歯周病の方で一旦治療をした後、病状が不安定な部位を残した状態で維持していくことを言います。中年期以降になると歯周病のある人がほとんどになります。ですが、なるべく歯を抜かなくて済むよう、定期的に通っていただきクリーニングを中心とした感染源の除去および噛み合わせの確認を中心とする力のコントールを行っていきます。

患者がよく理解した上で治療に進むのが大切

子どもの歯科治療にも力を入れていらっしゃいますね。

岩本義博院長 篠原歯科医院3

子どものうちから将来、歯周病にならないように予防しておくことは重要です。子どもに多いのは歯肉炎です。子どもの歯肉炎は元の健康な状態に戻すことがめざせるといわれていますので、しっかりと治しておくことが必要です。幼少期から若年期までの間は歯周病に発展しているケースは少ないため、なるべく早い時期から歯科医院に通って口腔内管理をする習慣をつけてもらいたいなと思います。当院では小児矯正も行っています。学童期から中学生くらいまでの間、永久歯に生え変わったり、顎が完成したりする前に、咬合誘導や顎骨の発達促進をするなどのアプローチを行っています。私の妻は小児歯科が専門の歯科医師です。子育てがひと段落ついたら復帰予定なので、子どもの健康管理につながる歯科治療にも今後力を入れていきたいと思っています。

診察時に大切にされていることは何でしょうか。

初診で来られた場合、医療面接を行い、患者さんの訴えたいことをよく聞くようにしています。そして現状のお口の状態を撮影するなどし、資料作成を行います。次に診査、診断をしっかりした上で治療方針をご説明するという流れになります。日本では保険診療で治療を受けられる方がほとんどですので、その中でできるベストと考える治療をご提案させていただきますが、ほかにもこういった治療法があるよ、というようにさまざまな選択肢を提案させていただくこともあります。言われるがままに治療を受けるのではなく、最終的には患者さんがよく理解した上で決定しないといけませんから、説明する時に模型や写真などを使い、治療のイメージをしやすいように工夫しています。

患者さんが安心して治療を受けられるように工夫していることはありますか。

岩本義博院長 篠原歯科医院4

正しい知識と技術はもちろんのこと、何より清潔であることを心がけています。特に新型コロナウイルス感染症がはやりだして以降、衛生面への関心は高まっています。われわれ医療に携わる者はもとから感染症予防としてスタンダード・プリコーションとも呼ばれる標準予防策に注力していたのですが、それに加えて今は換気を徹底するようにしています。ウイルスの飛沫があるとしたら、そのウイルスの濃度をいかに短時間で希釈するかが重要です。空気の滞留をつくらないことに注意を払い室内の換気と空気清浄機の設置を行うようにしています。あとは、患者さんに安心してもらえるよう、患者さんお一人ごとにユニットと器具の消毒も徹底するようにしています。

患者のメリットになる治療の選択肢を多くそろえたい

インプラントなどの治療も行っていらっしゃるんですね。

岩本義博院長 篠原歯科医院5

インプラント治療は歯周病治療の延長線上で必要と判断できるケースにおいては選択肢のひとつになります。歯がなくなってしまった場合、周りの残存している歯に負担をあまりかけたくないのであれば、部分入れ歯、あるいはインプラントという選択肢になります。逆に負担をかけていいのならブリッジということになります。すべてにメリットとデメリットがあるので選択肢は人それぞれです。ご自身の生活習慣や価値観に合ったものを選んでいただければと思っています。

趣味や現在取り組んでいることはありますか。

大学時代は剣道部に所属し、主将を務めました。スノーボードも大会に出るくらいはまっていましたが、今はもっぱら読書が趣味になっていますね。自分がクリニックを経営する立場になって、多くのスタッフと仕事をする中で、我を出しすぎていないかとか、私利私欲に走っていないかとかを、他の経営者の書籍などを読んで振り返る時間をつくっています。スタッフを育てて、クリニック全体のスキルアップを図ることも私に課された仕事だと思っています。歯周病という疾患についてまだまだ患者さんに伝えきれていない部分があると思うので、資料作成とともに、わかりやすい説明ができるスタッフ教育にも力を入れていきたいです。

最後に読者の方にメッセージをお願いします。

岩本義博院長 篠原歯科医院6

歯周病は慢性疾患ですので、われわれだけの努力では改善することは難しく、患者さんと二人三脚で取り組んでいくことが大切です。私たちの役割は口腔ケアの仕方が誤った方向にいかないように、正しい情報を伝えていくことです。丸亀市歯科医師会では「8020達成者表彰」といって毎年、各院に通院されている方の中から80歳で歯が20本残っている方を表彰したり、20歳になったら市が受診券を送付して、歯の検診を促進したりすることもしています。行政のバックアップもありますので、歯科医院をもっと身近な存在にしてもらってお口の健康に関心を持ってもらいたいなと思っています。当院も歯周病という分野に軸足を置いて、小さな頃からお年を召されるまで、お付き合いができるクリニックづくりをめざしていきたいなと思っています。

自由診療費用の目安

自由診療とは

インプラント治療/36万3000 円~、小児矯正/22万円~、矯正/82万5000円~、ホワイトニング/4万9500円~

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

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