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原因や発作で適切な対応が異なる
小児てんかんは専門医師に相談を

ハリーこどもクリニック

(横浜市都筑区/中川駅)

最終更新日:2023/09/01

ハリーこどもクリニック 原因や発作で適切な対応が異なる 小児てんかんは専門医師に相談を ハリーこどもクリニック 原因や発作で適切な対応が異なる 小児てんかんは専門医師に相談を
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小さな子どもが突然意識を失い、全身を震わせるけいれん発作を起こしたら、慌てない大人はいないだろう。そんな発作を起こす病気の一つに、小児てんかんがある。「けいれんに限らず、急にぼんやりしたり、体の一部がピクピク動いたりなど、さまざまな発作症状が出る病気がてんかんです。原因や発作の様式によりさまざまな種類があり、それぞれに求められる対応が異なります」と話すのは、横浜市都筑区、中川駅近くで「ハリーこどもクリニック」を運営する伊藤正範院長。小児科の幅広い分野で臨床を経験しながら、特に小児神経疾患治療に必要な専門知識と技術を身につけた日本小児神経学会認定小児神経専門医だ。そんな伊藤院長に、小児てんかんの病態や検査・診断と、小児神経専門の医師がいるクリニックを受診するメリットなどを詳しく聞いた。

(取材日2023年6月27日)

一定の年齢になれば自然に治るものもあるが、まずは専門の医師による診断を

Qてんかんとはどのような病気ですか?
A
ハリーこどもクリニック 小児神経専門医の伊藤院長が丁寧に説明を行う

▲小児神経専門医の伊藤院長が丁寧に説明を行う

何らかの原因で脳からの異常な電気信号が広がり、発作的な症状を繰り返す病気です。全身がガクガクと震えるけいれん発作が知られており、ほかにも急にぼんやりする、体の一部がピクピクと動く、突然吐く、視界が暗くなるなどのさまざまな症状が現れます。幅広い年齢層に見られる病気ですが、新生児から思春期までの間に発症するものを特に「小児てんかん」と呼んでいます。1歳前後までに発症するケースが最も多く、同時期に起こりやすい熱性けいれんと症状が似ていますが、てんかんの発作は高い熱がない時にも起こるのが特徴です。原因や発作型でさまざまな種類に分けられますが、小児てんかんは成人までに自然に治るものも少なくありません。

Qてんかんにも種類があるのでしょうか?
A
ハリーこどもクリニック MRI検査の結果から、病状を読み解くことも

▲MRI検査の結果から、病状を読み解くことも

てんかんには数十種もの種類があり、それぞれ治療法も異なります。原因となる気質的な脳障害が見られるものとそうでないもの、発作が脳の一部に起こるものと全体に起こるものと、大きく4つに分類されますが、なかには分類が難しいケースもあります。小児てんかんの場合、発症する時期により、ある程度てんかんの種類が絞れることも多いので、発作がいつ頃から、どの程度の頻度で表れているのかといった情報が、診断の際には大きな手がかりとなります。なかには特別な治療が必要ない小児てんかんもありますが、種類によって適切な治療が異なるので、早期に診断を受けて適切な対応を見極めることが非常に重要です。

Qてんかんは診断が難しいそうですね。
A
ハリーこどもクリニック 詳しい検査を行い、診断を行っていく

▲詳しい検査を行い、診断を行っていく

熱性けいれんだと思われていたが、後からてんかんだったとわかるケースもあるなど、診断は容易ではなく、専門知識と経験が求められます。まずは問診で発症時期や発作の種類、頻度、時間帯などの情報を丁寧に集めることが重要です。遺伝や発達などと関わるケースもあるので、家族歴や生活歴、成長曲線などを確認することも大切になります。診察では皮膚所見や受け答え、アイコンタクトなども確認します。その後、脳波検査で異常脳波の有無を確認しますが、起きている時の脳波だけではなく、入眠時の脳波も検査する必要があります。また、MRIで脳の構造異常がないかを確認したり、失神との鑑別のために心電図をとったりすることもあります。

Q専門の先生に診てもらうメリットはありますか?
A
ハリーこどもクリニック 発症の時期や日常の変化などについても伝えていく

▲発症の時期や日常の変化などについても伝えていく

てんかんであれば抗てんかん薬で発作を抑えれば良いと単純に捉えられがちですが、実際には発症の時期や発作の様式から種類を見極め、それに合わせたきめ細かい対応を行うことが必要です。てんかん発作とひと口に言っても、比較的わかりやすいけいれんに限らず、その様態はさまざまです。見落とされがちな兆候に、思わぬ原因が潜んでいることもあります。それらを適切に診断に反映させるためには、やはり専門の知識と経験を持つ医師にご相談いただくのが良いでしょう。脳波検査にしても、覚醒時の検査のみでは十分ではありません。薬を使って入眠を管理しながらの検査など、専門知識を持った医師だからこそできることがあるのです。

Qこちらを受診するメリットについても教えてください。
A
ハリーこどもクリニック スムーズに検査結果を伝えられるよう尽力する

▲スムーズに検査結果を伝えられるよう尽力する

ウェブでの予約・問診システムや電子カルテなどを導入し、丁寧な診療を行いながらできる限り待ち時間を短縮できるよう、効率化に取り組んでいます。受付から診療、会計までの一連の流れが比較的スムーズに進むため、小さなお子さんの受診も負担が少ないのではないでしょうか。院内で行う脳波検査では、終了後すぐに私が記録を読影するため、当日中に結果をお知らせすることも可能です。小児神経専門の診療を受けるには、大きな病院に行かなくてはならないことが多いのですが、当院ではクリニックの気軽さでご相談いただけることも大きなメリットでしょう。小児神経の診療では最初の病態把握が重要なので、初診は1時間ほどとって対応します。

ドクターからのメッセージ

伊藤 正範院長

乳幼児期に発症することが多い小児てんかんは、一定の年齢になれば治る自然収束型のものも少なくありません。しかし、なかには発作による脳への損傷が、発達や知的な障害へと影響してしまうケースも。逆に、誤解されることも多いのですが、適切な治療さえ受けていれば、プールで泳いだり、スポーツを楽しむこともめざせます。発作が表れたら早めに専門の医師による診断を受け、適切な治療を受けることをお勧めします。近くに小児神経を専門に診る医師が見つからない場合でも、かかりつけ医に相談することでふさわしい受診先を見つけてもらえるはずです。お子さんに5分以上続く発作や繰り返す発作、気がかりなどがあれば、ぜひご相談ください。

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