全身の健康は歯と口から始まる
大切な人を守る歯科の使命とは
しのはら歯科医院
(枚方市/枚方市駅)
最終更新日:2021/10/12
- 保険診療
健康への関心がますます高まりを見せる今、歯科の存在がクローズアップされていることをご存じだろうか。歯と口の健康を維持すること、あるいは取り戻すことが全身の健康や老化防止につながり、健康的に生きるための大きな要因になることがさまざまなデータに表れている。そうしたトータルサポートをしてもらえる歯科、頼りになるかかりつけの歯科が自分の住んでいる町に1軒あれば、これほど心強いものはないだろう。今回は枚方市で20年以上続く「しのはら歯科医院」の篠原茉莉院長を訪ね、現代の地域の歯科クリニックの役割とは何か、どのようなやりがいを胸に日々の診療にあたっているのかを詳しく聞いた。
(取材日2018年7月13日)
目次
患者に安心感と笑顔を提供し、また行きたくなる場所で在り続ける
- Qメンテナンスや予防に対する考えをお聞かせください。
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A
歯科治療を何度も繰り返すのではなく、健康な状態を維持し、気楽にメンテナンスに通うだけという状態にすることが私たちの目標です。普段ご自身でしていただくケアのみだと磨きにくい箇所がありますよね。磨きにくい箇所を放置したままだと、歯周病や虫歯が再発する可能性がありますから、そうならないためにメンテナンスは絶対に欠かせません。メンテナンスにはご自宅でできるホームケアと歯科で行うプロケアがありますが、両方があってこその予防です。まずはきっちりと治し、その後は予防をしっかり継続していくことが大切ですね。
- Q地域の方にどのような医療を提供していますか?
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A
地域医療とはまずご家族の健康を支えることだと考えています。健康で幸福な家庭から幸福な地域が生まれるのではないかと思います。そこで、赤ちゃんからおじいちゃん、おばあちゃんまで、ご家族皆さんでお口の中をきれいにしましょうと伝えています。伝えることが、家族ぐるみで来院いただくきっかけになることもあります。他にも親類縁者、お知り合いなど、患者さん同士がつながっていることも当院の特徴だと思います。「この町にはあの歯科があるから」と、皆さんから頼りにしていただければ幸いです。
- Q診療時に心がけていることを教えてください。
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A
まずは、その患者さんが何に困って何を望んでおられるのか、その真意をじっくり聞くことですね。また、ご年配の方は動作がゆっくりですから、そのペースに合わせることが大切です。歩いてチェアに座るまで急かさずに寄り添い、座ってからも気持ちが落ち着くまで待ったり、一旦トイレに行っていただいたり、その方なりのペースに合わせることを心がけています。治療中もこまめに背を起こしてあげるなど、やはり相応の時間をかけますね。これは歯科医師だけではなく、歯科衛生士も同様です。そこは院内でしっかりコンセンサスをとって、患者さんが安心して快適に診療を受けられる雰囲気づくりには常に注意を払うようにしています。
- Q歯科の仕事のやりがいについて教えてください。
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A
患者さんから「もっと早く会いたかった」と言っていただけたことがあります。ボロボロになってからではなく、もっと早いうちに治療をしてもらえれば良かったという意味ですが、患者さんが健康な状態を取り戻し、口腔内への意識にめざめていただいたことが何よりうれしかったですね。治療後は歯科衛生士がメンテナンスを続けていくわけですが、長い方だと10年たってもずっとメンテナンスだけで、治療に戻ってくることはありません。これは素晴らしいことだと思います。いかにその方に合ったメンテナンスをしているか、いかに患者さんに気に入っていただいているかということですからね。二度と私の出番が来ないこと。それが理想です。
- Q今後、どのような存在の歯科医院をめざしますか?
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A
当院では顔周り、口周りの筋機能の低下に対する指導に力を入れており、具体的には飲み込む機能や表情などに関わってきますので、今後も進めていきたいと思っています。老化は足腰からではなく口からともいわれています。口に微細に出るものをしっかりつかんで早めに対処すれば、老化を食い止めたり遅らせたり、あるいは少し戻すことが望めます。筋肉の低下は子どもたちにも見られます。指導の前後で写真を撮るとお子さんの顔が変わってくるので、お母さん方もハッとされますね。歯科にできることは他にもたくさんあります。口の中のことだけに限らず、地域の皆さんの健康を守り続けることが私たちの大きな使命でもあるわけですね。