製作ステップを丁寧に踏むことで
満足度の高い入れ歯をめざす
高田歯科医院
(堺市西区/鳳駅)
最終更新日:2022/12/26
- 保険診療
- 自由診療
失った歯を補う手段はいくつかあるが、長年広く利用されてきた治療の一つが「入れ歯」だ。ほとんど健康な歯を損なうことなく装着でき、手術や費用などの負担の軽減も期待できる。一方で、「硬いものが噛みにくい」「ずれて痛む」といったマイナスイメージを持つ人も少なくない。「一つ一つのステップを適切に丁寧に作ることで、患者さんにピッタリな入れ歯にするよう努めています」と話すのは、「高田歯科医院」の高田秀秋院長。「入れ歯を作る上で大切なことは、当たり前のことを当たり前にやること」と語り、患者一人ひとりの口や骨格に合わせて慎重に作製していくことで、その人に合った入れ歯にすることを心がけているのだという。今回は、入れ歯作りに豊富な経験と知識を持つ高田院長に、同院での治療について詳しく話を聞いた。
(取材日2022年11月10日)
目次
過程一つ一つを丁寧に行うことで機能性と満足度を追求し、患者一人ひとりにフィットした入れ歯をめざす
- Q先生のご専門は何ですか?
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A
私の専門は補綴学です。朝日大学歯学部を卒業後、大阪歯科大学歯科補綴第二講座に入局し、歯学博士の学位を取得しました。補綴とは、失ったり欠けたりした歯を人工物で補って、お口の機能回復をめざすことで、主にかぶせ物・差し歯・入れ歯といった治療のことを指します。現在は、歯を失った時の治療法としてインプラント治療やブリッジなど、たくさんの選択肢がありますが、私が歯科医師になった頃は入れ歯治療を選択する人が大半でしたので、数多くの患者さんを治療してきました。高齢社会となった近年においても入れ歯治療や修理のニーズは高いと感じており、今でも同講座の先生方や同期と勉強会を行うなど、入れ歯治療には力を入れています。
- Q入れ歯の魅力や目的は、どういったところでしょうか?
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A
例えば、インプラント治療では自分の歯と同じように噛めることが期待できますが、治療費が高額になってしまいますし、ブリッジは健康な歯を削らないといけません。しかし、入れ歯は保険診療の範囲内で対応でき、数週間程度で作製することができます。他の治療法と異なり、いつでも着脱できるので比較的気軽に始めることができる点も特徴です。また、入れ歯の目的は食事以外にもあります。歯が抜けたままでいると、隙間のあるほうへ歯が動いて歯並びや噛み合わせに影響する他、しっかり噛みしめられないことでバランス感覚を失って転倒の危険性が増したり、脳の血流が悪くなって認知症の進行が早まったりと、全身にも影響が及ぶ恐れがあります。
- Qこちらのクリニックでの診療の特徴を教えてください。
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A
当院では、機能的な入れ歯づくりをめざしています。入れ歯というと「何度も調整が必要なもの」と思われるかもしれません。しかし、入れ歯づくりの過程において一つ一つのステップを丁寧に行うことで、仕上がりの完成度の向上につながると考えています。例えば、型採りのためのトレーは患者さんのお口に合わせてオーダーメイドで作る他、お口や舌を動かしてもらいながら筋肉の動きに合わせて慎重に型採りを行ったり、完成前に必ず試し入れをして歯並びや噛み合わせのチェックを行ったりします。そうして、食事や会話の際に違和感やツッパリ感をほとんど感じることがない、完成後の調整が少ない入れ歯になるようにめざしています。
- Q保険の入れ歯と自費の入れ歯、何が違うのですか?
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A
違いは素材です。自費のほうが「フィットした入れ歯ができる」と思うかもしれませんが、どちらも作る工程は同じで、適合性はほぼ変わりません。ただし、自費だとさまざまな素材の中から自分の価値観に合った入れ歯を作ることができます。例えば、食事をよりおいしく食べたいのであれば、金属を多く使った入れ歯がお勧め。熱伝導が高く冷たさや温かさを感じやすくなるので満足度の向上が期待できます。また、見た目にこだわるのであれば、グラスファイバー素材のものがいいでしょう。表面の金具が見えなくなることで、笑顔にも自信が持てると思います。入れ歯作製時には、自分が何を大事にしているのか、しっかり伝えることも大切です。
- Q入れ歯治療を行う上で、院長が大切にされていることは?
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A
まずは、しっかりと噛めて食事ができることが大切だと思っています。例えば、ガタガタした入れ歯であっても、その状態の入れ歯でしっかり噛めているのであれば新たに作る必要はないでしょう。また、新しく入れ歯を作るとしても、すぐさま新品の入れ歯を作製するようなことはしません。まずは今使っている入れ歯を修理して、しばらくそちらを使ってもらい、その間に新しい入れ歯を作って装着時のギャップを少なくするように努めています。また、入れ歯を装着した後も、定期的なチェックやクリーニングは必要です。総入れ歯で他の歯がない人も、日常の癖などから噛み合わせのバランスが崩れることもあるので数ヵ月に1度は検診をしましょう。
自由診療費用の目安
自由診療とは入れ歯(自費)/15万円~