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花岡 弘二 院長の独自取材記事

花岡歯科医院

(仙台市青葉区/熊ケ根駅)

最終更新日:2021/12/27

花岡弘二院長 花岡歯科医院 main

仙台中心部から車で約30分、自然豊かな熊ヶ根地区に立つ優しいピンク色の建物が「花岡歯科医院」だ。院長の花岡弘二先生は、祖父、父ともに歯科医師。歯科の道に進んだのは、「人と関わることや細かい作業が好きで、父が働く姿を見ていい仕事だなと思ったから」だという。めざすのは地域密着型の歯科医院。虫歯や歯周病、入れ歯など基本的な歯科治療に加えて、在宅訪問歯科診療や障害者歯科診療にも力を注ぐ。気さくで親しみやすい人柄で、「自分のやっているのは普通のこと」など謙遜な言葉が多く聞かれたが、だからこそ地域の人々に長く愛されている様子が伝わってきた。気立てが良くコミュニケーションを大切にするスタッフとともに日々奮闘する花岡先生に、この場所を選んだ理由、診療や患者に対する思いなどについてたっぷり聞いた。

(取材日2021年12月2日)

在宅訪問・障害者歯科診療も積極的に対応

この場所で開業された理由をお聞かせいただけますか?

花岡弘二院長 花岡歯科医院1

祖父も父も歯科医師で、当院は父が開業しました。もともと仙台駅のそばにあり、近隣はもとより電車やバスで遠方からもたくさんの患者さんが来てくださって、中には熊ヶ根地区の方もいらっしゃいました。でも、駅周辺の区画整理によって移転せざるを得なくなったんです。その頃、父はもうある程度の年齢になり、なじみの患者さんたちを診ていきたいという思いが強かったのでしょうね。熊ヶ根地区の皆さんがこちらに来たらと言ってくださったことから、今の場所に移転したそうです。郊外ですが、その分自然豊かで四季折々の風情が感じられる良い所です。車で来やすく駐車場も止めやすいこともあり、思った以上に多くの方が来てくださっていますね。

患者さんはどのような方が多いのでしょうか。

半径1キロ以内に歯科医院がほとんどないこともあり、仙台の西部を中心に遠くは山形県からもいらっしゃいます。基本的には高齢の方が中心で、主訴としては、虫歯や歯周病、歯が折れたなどのトラブルに加え、入れ歯のご相談もよくありますね。私は大学卒業後、早い段階でこちらに戻って父を手伝うようになり、初めは本当に何もできませんでした。そんな我慢強く見守ってくださったこちらの患者さんたち。私はそんな皆さんに育てていただいたのだと思っています。今では近隣の保育園や小中学校の園医、校医をしていて、知らない子はいないほど。さらに、お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんも知っているよという感じで、皆さんと仲良くさせていただいています。父のおかげもあり、三世代、四世代と診させていただくことができるというのはこの上ない幸せですね。

在宅訪問歯科診療や障害者歯科診療も行われているそうですね。

花岡弘二院長 花岡歯科医院2

在宅訪問歯科診療を始めたのは今から10年ほど前です。大雪や稲刈りの時期だと来院される方が少なくなって、それなら自分のほうが行こうと思って始めてみたところ、徐々に依頼が増えました。現実問題、この地域は高齢化が進み、歩けなくなったり自家用車がなくて通院できないという方が少なくありません。そういった方にも気軽に治療を受けていただければと思って続けています。障害者歯科診療は、主に近隣の施設に入所されている方が中心です。最初は施設から通ってくださっていたのですが、来院されるだけでも大変だということで、私のほうが施設に出向いて治療をするようになったんです。そのうち他の施設からもご依頼をいただくようになり、患者さんの数としては全体の3~4割を占めるほどになっています。

近隣の困り事をすべて引き受け、できる限りの治療を

さまざまな形で診療される背景には、どのような思いがあるのでしょうか。

花岡弘二院長 花岡歯科医院3

こういった地域だからこそ、歯やお口に関する近隣の皆さんの困り事はすべて引き受けようと思い、基本的には診療を断らないスタンスでいるんです。そして、当院で可能な治療はできる限りやろうとも思っています。お年寄りは持病を抱えていることが多いので、簡単に歯を抜いたり麻酔を打てない方もいらっしゃいます。足が悪い方や全身状態が低下している方もおられますので、軽々しく遠くの病院に行ってくださいとも言えません。もちろん当院で難しい治療はしかるべき医療機関をご紹介しますが、それ以外は可能な限り治療を当院で完結して差し上げたいと思っています。

できる限りの治療するため、医療機器にもこだわっているそうですね。

特に機器や器具がそろっていないからという理由で断ることはしたくないので、歯科用CTやインプラント用の機器もそろえています。当院で治療を完結させるためには、確実な診断を下すことがまず大事になります。そのために撮ることができるものは撮って、診ることができるものは診たい。そして、お口の中の状況をきちんとご説明して、今後起こり得ることをお伝えしたいと思っているのです。在宅訪問歯科診療についても必要なものはきちんと提供すべきだと考えていますので、在宅診療用の機械も準備して最大限要望に応えられるようにしているつもりです。

ピンク色の外観が目を引きますが、院内も温かい雰囲気ですね。

花岡弘二院長 花岡歯科医院4

木目調や白色を基調にアットホームな空間をめざしました。特徴的なのは、待合室の一部に畳敷きの小上がりがあるということでしょうか。ご自宅では畳で過ごしている方が多いだろうということと、おしゃべりだけしに来てもいいよという気持ちで始まったものです。新型コロナウイルス感染症の拡大前まではお茶もお出ししていたのでバスや電車の時間までゆっくりされる方もいましたし、置いてある本を読んだり借りたりする患者さんも多かったですね。

話しやすい環境を整え、何でも言い合える関係をつくる

患者さんと接するときに心がけているのはどのようなことですか。

花岡弘二院長 花岡歯科医院5

最も大切にしているのは、患者さんが話しやすい環境を整えるということですね。「痛かったんだけど我慢していた」「いずれ慣れるからいいよ」とおっしゃる患者さんがおられますが、そういった気遣いは必要ありません。「こないだの入れ歯、駄目だ」「ここが痛いんだ」など、良いことも悪いことも遠慮せず話してくださってOKです。私も「どうしたの?」「何しに来たの?」とフランクに話しかけますので。そういったコミュニケーションを取ることで、お一人お一人に合った治療ができると思っているのです。

これまでの診療で印象に残っていることを教えてください。

叔父も歯科医師で、その叔父の歯科医院に通っていたお母さんとお嬢さんがいらっしゃったんです。幼かったお嬢さんは歯医者が怖くてなかなか治療を受けられなかったけれども、叔父がうまく対応して受けられるようになったそうなんです。そして、そのお嬢さんが結婚されてお母さんになられたのですが、そのお嬢さんも怖くて治療が受けられなかったようなんですね。それで困っていたとき「花岡歯科医院」の名前を見つけて、「あの先生と関係があれば何とかなるのではないか」と思って当院を訪ねてきてくださったことがありました。それから通ってくださっているのですが、そのお嬢さん、今は看護師学校で勉強されているそうで、そういった患者さんの成長を見守ることができるのも楽しみの1つですね。

最後に、歯科医院選びのアドバイスをいただけますか?

花岡弘二院長 花岡歯科医院6

患者さんが考える治療のゴールとわれわれが考える治療のゴールは必ずしも一致しないことがありますが、ご自分の基準に合った先生がその方の名医ということになるのではないでしょうか。そこがよく言われる相性なんだと思います。特に歯科治療では歯を削ったり歯茎を見せたりと人間にとって大事なところを歯科医師に預けることにもなりますので、大きなストレスがかかります。ですから、ストレスなく通うことができるということが最も大事なのではないかと思います。そこを見極めるためには、実際に足を運んで先生と話をすること。きちんと話をしてくれるなら、それが相性のいい先生といえるのではないでしょうか。時間と手間はかかりますが、歯の健康を守るためにぜひご自分に合った歯科医院を見つけてみてください。

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