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小西 弘晃 院長の独自取材記事

小西歯科医院

(高松市/大町駅)

最終更新日:2024/02/13

小西弘晃院長 小西歯科医院 main

大町駅から徒歩1分の場所に位置する「小西歯科医院」は、50年以上続く地域に根差した歯科医院だ。12年前に同院を引き継ぐために帰郷した小西弘晃先生が2代目院長を務める。口腔外科と矯正歯科を専門とする小西院長は、大学病院で14年間、専門分野の研鑽を積みさまざまな臨床現場を経験してきた。同院でも、その豊富な経験と知識をふんだんに取り入れた治療を展開している。コンセプトは「歯を残すための治療」。その考えは幼少期の頃の思い出が基礎になっているという。「実は僕も歯科医院が怖かったんですよ」と、穏やかな語り口調で目を細める小西院長。歴史ある歯科医院を引き継いだ後、新しくした設備やクリニックのこだわり、今後の展望などをたっぷりと語ってもらった。

(取材日2022年6月22日)

大学病院で磨いたスキルを地域医療に

これまでのご経歴をお聞かせください。

小西弘晃院長 小西歯科医院1

僕は神奈川歯科大学を卒業した後、同大学の矯正学の研究生として5年経験を積みました。その後、石川県の金沢医科大学から矯正歯科医師を探していると声がかかり、金沢医科大学病院で勤務しました。この病院は唇顎口蓋裂といって、口が3つに割れて生まれてくる子どもの治療に力を入れている病院でした。唇顎口蓋裂の子は大人になるまでに何度も口腔の手術を受けなければならず、必然的に歯並びも悪くなりますので、生まれた瞬間から矯正的なアプローチが必要なのです。僕は矯正を専門とする歯科医師として、整形外科の専門家、口腔外科の専門家とともに唇顎口蓋裂の子どもの診療にあたっていました。

そして再び神奈川歯科大学に勤務され、口腔外科をご専門とされたのですね。

そうですね。金沢医科大学病院での経験もあり、神奈川歯科大学に再び戻った際には口腔外科が専門となりました。口腔外科は親知らずの抜歯手術から、交通事故などの口腔手術もありますし、当直などもあります。よく歯科医師は人の死に際には立ち会わないと思われがちですが、口腔外科ではその経験もしてきました。入院患者で、体の病気をお持ちの患者さんの状態管理をしながら治療をすることも経験していますし、もちろん、町の歯科医院では扱わないような症例も多く診てきました。大学病院にはトータル14年勤務していましたので、開業医としてのスタートは遅かったかもしれません。しかし病院での経験は、今こうして地域の歯科医療にも生かされていると感じています。父が50年以上前に開業した歯科医院を継ぐため、地元である高松へ帰ってきたのは12年前のことですね。

歯科医師を志したきっかけは何だったのでしょう。

小西弘晃院長 小西歯科医院2

特別なきっかけや志があったわけではなく、自然な流れだったと思います。自宅が歯科医院ということで、子どもの頃から働く父の姿を見ていましたので。ただ、歯科医師に対しては怖いというイメージがありましたね。父親という存在が怖かったので、歯科医師という存在も怖いという(笑)。幼少期は父以外から歯の治療を受けることはなかったものですから、固定観念もあったのだと思います。大学に進学してから他の歯科医院で受診するようになり、世界が広がりました。そういった僕の幼少期の苦い思い出から、歯科医院を怖いところだと思ってほしくない、怖くない歯科医師になりたいという2つの思いを持って今も診療しています。

「怖くない歯科医院」の解決策は虫歯にしない予防ケア

「歯科医院は怖い」というイメージを払拭するためにどのような工夫を?

小西弘晃院長 小西歯科医院3

僕が戻ってきたタイミングで、患者さんの恐怖心を少しでも取り除けるような空間づくりをコンセプトに、院内をリフォームしました。病院を連想するような白色はあえて使わずになるべく多く木を使い、木と緑という自然の色を取り入れて安らげる空間にしました。ただ、僕も町の歯科医師になって10年たちますが、やっぱり歯の治療は怖いものだと思います。虫歯は誰でもなる病気。だけど、とても面倒臭い病気です。治療は1回では終わりませんし、痛い思いもします。いくら「快適です」とうたっても、実際のプロセスには大変な部分もあると思います。歯科医院が、一般の人たちにとって「ちょっと嫌な場所」であることはどうしようもない事実。ですから、結局は予防が一番なんです。僕の中で「怖くない歯科医院」にするための一番の解決策は、虫歯にさせないことです。

それが内科的虫歯治療という診療方針につながるのですか?

僕が当院に戻ってきた時に掲げたコンセプトは、ワールドスタンダードです。虫歯の治療は削って埋めるだけ、大した病気ではないという意識でいるのは、先進国の中で日本くらいではないでしょうか。大学勤務時代にご縁があり、スウェーデンの歯科治療の現場を見る機会がありました。そこで「虫歯とは、歯に穴が開く前から虫歯なのです」という言葉をもらいました。虫歯は口の中の細菌が作り出す酸によって、歯が溶かされていく感染症です。その最終結果として、歯に穴が開いてしまうのです。ですが、患者さんは歯に穴が開いてしまってから初めて「虫歯になった」と言って、歯科医院へ来られます。これを内科で例えれば、ずっと高血圧なのに一度も受診せず、脳卒中で倒れて初めて、高血圧だったとわかるようなものです。そうならないように、内科の先生は高血圧の状態から治療に取り組みます。僕は虫歯に関しても同じ考えで治療をしています。

具体的にはどのような治療なのでしょうか?

小西弘晃院長 小西歯科医院4

内科の先生が高血圧症のうちに治療を始めたり、糖尿病の患者さんに食事などの生活指導をしたりすることと同じです。歯ブラシ指導というレベルではなく、食事を取るタイミングや、食事の内容などについてもお話ししています。しかし、内科でも生活習慣病の方が生活指導に反応しない場合は、命を守るためにあれこれ薬を使うしかないですよね。歯科治療も同じで、噛むために銀歯やインプラントを入れたりするわけです。でもそれを繰り返していくと、いつかは歯がなくなってしまいます。ですので当院では、極力歯を痛めないメンテナンスの機械も導入しながら、「歯を削るのではなく、生活を変えましょう」とお伝えしています。

さまざまな専門的アプローチで健康な歯を長く残したい

口腔外科の専門家ならではの強みは?

小西弘晃院長 小西歯科医院5

内科的治療は守りの治療です。しかし残念ながら、すでに虫歯が多くある方には攻めの治療をしなければなりません。その時に役立つのが口腔外科で培ったスキルです。例えば、歯の根の膿を出す根管治療も、通常であれば歯の根っこから治療するのですが、僕たち口腔外科を専門とする歯科医師は歯茎をめくって、歯の外から治療をします。歯を失くした患者さんにはインプラント、ブリッジ、入れ歯、この3つの提案のほかに、口腔外科領域の移植という提案も可能です。

患者さんの年齢層は幅広いのですか?

そうですね、10年前に比べて年々ファミリー層が増えてきましたね。それに伴い、矯正歯科にも力を入れています。ただし、当院の矯正は虫歯治療と同じ考え方です。まずは歯並びが悪くならないようにすることが、最も大切だと考えています。当院ではお子さんの歯並び指導は離乳食が始まる時期から始めています。口の機能を使い始める離乳期は、正しい口腔機能を獲得できるチャンスです。ですが、やわらかすぎる離乳食ばかりを与えてしまい、舌の力が鍛えられず、そのまま成長し小学生になり筋肉が弱くて口が大きく開けられない子もいます。子どもの受診は乳歯の生え始めからが以前は通例でしたが、最近では妊婦健診を通して「生まれたらすぐに歯科医院にかかろう」という取り組みが広く始まっています。

今後の展望についてお聞かせください。

小西弘晃院長 小西歯科医院6

今後は歯の矯正が肝になってくると思います。実は、噛み合わせと歯の健康寿命には大きな関わりがあるのです。「80歳になった時に歯を20本以上残しましょう」という運動がありますが、この運動の達成者も、噛み合わせが良かったことが明らかになっています。歯磨きは歯周病予防には有用ですが、歯磨きの回数と虫歯の有無は相関性があまりありません。間食の回数が多く、砂糖入りドリンクをよく飲む方は、どんなに磨いても虫歯になります。ですが、これらすべてに十分に注意しても虫歯がなくならない方は、噛み合わせが悪いことも原因になっていると思われます。これまではワイヤー装置が主流だった矯正も、マウスピース型装置による矯正が登場したことにより、患者さんの負担を軽減した施術ができるようになってきました。矯正歯科を専門とし、従来のワイヤー型の歯列矯正を多数経験してきた僕だからこそ、提供できる安心があるのではないかと考えています。

自由診療費用の目安

自由診療とは

インプラント治療/42万3500円〜(埋入から上部構造製作セットまで)、マウスピース型装置を用いた矯正/55万円〜(装置の使用枚数により変動 ※歯並びの状態に対応した枚数を歯科医師が設定します) ※すべて税込み

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

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